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木原生物学研究所 丸山大輔助教の研究が 科学研究費助成事業「学術変革領域研究(B)」に採択されました

2020.11.02
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  • 研究

木原生物学研究所 丸山大輔助教の研究が 革新的学術研究の創成を目指す科学研究費助成事業「学術変革領域研究(B)」に採択されました

植物生殖システムのリモデリング

学術変革領域研究(B)は、次代の学術の担い手となる研究者による少数・小規模の研究グループ(3~4グループ程度)が提案する研究領域が、より挑戦的かつ萌芽的な研究に取り組む科学研究費助成事業の枠組みです。採択される研究はいずれも、学問分野に新たな変革や転換をもたらすことで、我が国の学術水準の向上・強化につながる研究領域の創成を目指し、革新的・独創的な学術研究の創成が期待されるものです。丸山助教が代表として率いる領域研究「植物生殖改変 細胞運命操作による植物生殖システムのリモデリング」は、本年度の採択課題である全20領域のうち、唯一の植物研究の領域です。
丸山助教は、2010年に名古屋大学理学研究科で博士(理学)を取得。同年に名古屋大学GCOEプレフェロー、2011年に日本学術振興会特別研究員(PD)、2014年に名古屋大学の若手育成プログラム(YLC)教員を経て、現在は、横浜市立大学木原生物学研究所に在籍しています。
2015年に名古屋大学石田賞、2016年に文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞、2018年に日本植物学会奨励賞を受賞しました。

領域の研究概要

植物は、1つの個体の中に2倍体と半数体の組織をもち、半数体組織の一部が増殖・分化して生殖細胞をつくり、メス側では、卵細胞と中央細胞という全く異質の 2 つの配偶子がつくられ、オス側では 2 つの精細胞がつくられます。これらが重複受精して、胚と胚乳をつくりだします。こうした植物の生殖細胞は、分化において可塑性や柔軟性をもっており、分化転換しうるファジーな面をもつことが知られていましたが、最新の研究によりその分子基盤である多くの制御因子が明らかにされてきました。本研究領域では、これらの知見を基に、全く新しい独自の配偶子解析技術を駆使し、オス配偶子とメス配偶子の分化運命の決定・転換のメカニズムを解明します。植物の体細胞からの生殖細胞の作出、逆に生殖細胞の体細胞への分化転換という細胞運命の操作に挑戦し、植物特有の生殖プロセスの原理の理解と、それによる育種・生殖技術の変革を目指します。

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