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大学院生命医科学研究科 西田遼平さんが、第63回日本神経化学会で若手優秀発表賞を受賞しました!

2020.11.18
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大学院生命医科学研究科 西田遼平さんが、第63回日本神経化学会で若手優秀発表賞を受賞しました!

神経回路形成因子LOTUSの脳高次機能について発表

大学院生命医科学研究科博士後期課程3年の西田遼平さんが、2020年9月10日(木)〜12日(土)にオンライン開催された第63回日本神経化学会において口頭発表を行い、若手優秀発表賞を受賞しました。

<受賞者>
生命医科学研究科 博士後期課程 3年 西田遼平さん

<指導教員>
竹居光太郎 教授 

<発表演題>
「Functional analysis of LOTUS, a neural circuit formation factor in memory function」

<発表内容>
脳には約1,000億個の神経細胞がシナプスという構造で互いにネットワークを構築し、このネットワークにおける情報伝達で記憶や学習などの高次機能を担っています。当研究室で、胎生期における神経回路形成に重要な分子としてLOTUSが発見されました。このLOTUSは、成体の脳や脊髄では損傷や病態によって発現する神経再生阻害因子の機能を抑制することから、現在LOTUSを利用した神経再生医療技術を開発中です。本発表では、LOTUSが脳高次機能に関連するか否かについて、LOTUSの遺伝子欠損マウスとLOTUSの過剰発現マウスにおいて、記憶を司る海馬のシナプス密度と海馬依存性の記憶機能を解析したところ、LOTUSはシナプス形成や記憶形成に深く関与することが明らかとなりました。これらの実験結果から、脳高次機能におけるLOTUSの役割が判明しました。この研究は、東京大学大学院農学系研究科の喜田教授との共同研究です。

西田遼平さんのコメント

この度は大変栄えある賞をいただきましてありがとうございます。
この研究の目標は、人間が自然に老いることで生じる認知機能の低下を予防し、健康寿命を延ばすことにあります。まだまだ道半ばですが、その目標の達成に向けて今後とも精進して参ります。

指導教員の竹居光太郎教授のコメント

この研究によって、LOTUSの新たな機能が解明されました。マウスの記憶機能を解析するためには種々の動物行動実験を行いますが、解析者自身の存在が実験結果に大きな影響を与えることがあります。それを避けるためには、ハンドリングという操作を長時間行いマウスを解析者に慣らすことが大切になります。
西田君はこういった根気のいる実験を行って、今まで知られていなかったLOTUSの新しい機能を発見するに至りました。ひとかたならぬ努力が必要な実験ですが、コロナ禍にも負けずにやり遂げたことは賞賛に値します。行動実験に限らず、組織学的解析や細胞生物学的解析も数多く繰り返して行いました。生きた動物を相手に行う最も労力を要する研究を正確に行えることは今後の研究の糧となることでしょう。今後の益々の活躍を期待しています。
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