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第16回アジア結晶学連合国際会議  生命ナノシステム科学研究科 舟守勇斗さんと理学部 鈴木凌助教が受賞!

2020.02.13
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生命ナノシステム科学研究科物質システム科学専攻博士前期課程2年の舟守勇斗さん、理学部の鈴木凌助教が、2019年12月17日(火)~20日(金)にシンガポール国立大学シンガポール校で開催された第16回アジア結晶学連合国際会議(AsCA 2019)で研究発表を行い、表彰されました。

プレゼンテーション賞を受賞

受賞者

生命ナノシステム科学研究科博士前期課程 物質システム科学専攻 2年
舟守 勇斗さん
(指導教員 : 橘 勝 教授)

研究演題「Mechanical properties of solvated fullerene nanowhiskers(溶媒和フラーレンナノウィスカーの力学的性質)」

フラーレンナノウィスカーとは、炭素材料の一つであるフラーレンC60の分子結晶の一つで、繊維のような形状をしています。私は通常のC60結晶には見られない、ばねのような弾性変形を示すフラーレンナノウィスカーの育成に成功しました。このように、弾性変形を示すような分子結晶の例はほとんどなく、詳細なメカニズムは未だに解明されていません。今回の発表では、フラーレンナノウィスカーが弾性変形を示すために必要な構造条件を求めたので、その詳細を発表しました。

プレゼンテーション賞を受賞して

私自身、国際学会に参加するのは今回が初めてであり、初参加の場でのプレゼンテーション賞受賞ということで大変うれしく思います。昨年にも日本国内で行われた学会にてポスター発表賞をいただいているのですが、国際学会の場においても自分の研究成果が高く評価されたということはとても喜ばしく、今後の研究活動への意欲の向上にもつながりました。

指導教員 橘 勝 教授からのコメント

舟守くん、プレゼンテーション賞おめでとうございます。
今回は、シンガポールで開催された国際会議における英語による口頭発表での受賞ということで、嬉しさもひとしおかと思います。 これも舟守くんの日頃のひた向きな研究活動によるものと思います。 大学院生活も残りわずかですが、悔いの残らないように精一杯頑張ってください。 今回のような受賞も含め研究室で培ったさまざまな経験は、就職してからも必ず役に立つと思います。
今後の益々の活躍を期待しています。

“Rising Star Award”を受賞

受賞者

学術院 国際総合科学群 自然科学系列 理学部 理学科
鈴木 凌 助教

研究演題 「Observation of dynamical diffraction in high-quality protein crystals(高品質なタンパク質結晶における動力学的回折の観測)」

本研究は構造生物学や構造化学などの幅広い分野で興味がもたれているタンパク質結晶の完全性に関したものです。最も重要な点は、回折物理学に基づく緻密な実験と解析によって、タンパク質結晶における動力学的回折現象を世界で初めて観測したことです。この成果は、世界中で広く知られているタンパク質結晶のX線構造解析を新たなステージに押し上げる可能性も秘めています。そしてその先には新規創薬の可能性や新材料開発など、多岐に渡る応用の根幹となる研究成果です。

“Rising Star Award”を受賞して

本研究は本学大学院在学中から引き続き行っている研究で、2018年3月にPNAS誌に発表した成果になります。
助教に着任した初年度にこのような素晴らしい賞を頂くことができ、大変うれしく思います。また、今年度はJSTの戦略的創造研究推進事業の一つである“さきがけ”にも採択され、国内でも評価されつつある研究テーマであると感じております。 さらに研究に邁進していくことが私の使命であると考えております。
一個人の研究者としてこれからも努力を惜しむことなく、研究活動に打ち込んでいきたいと思います。
<アジア結晶学連合 AsCA (Asian Crystallographic Association) とは>
アジア・オセアニア地域における結晶学の発展と研究者の相互協力を目指し1987年に設立された国際組織です。
AsCA は、結晶成長・結晶化、シンクロトロン、中性子および電子回折、構造生物学、バイオインフォマティクス、化学結晶学、結晶工学など、結晶学関連分野のすべての重要な側面を範囲とし、研究成果の発表、先端研究に関する意見交換のためさまざまな研究分野を対象とした科学セッションを開催することを目的としています。

※結晶学
結晶の幾何学的な特徴や、光学的な性質、物理的な性質、化学的性質等を研究する学問のこと。今日では結晶学の物理的側面は固体物理学、化学的側面は結晶化学で扱われる。
※シンクロトロン
円形加速器の1種で、一定方向の磁場内におかれたドーナツ型真空容器内で円運動する荷電粒子に高周波電場を加え、繰返し加速する装置のこと。
※バイオインフォマティクス
生命科学と情報科学の融合分野のひとつで、DNAやRNA、タンパク質の構造などの生命が持っている「情報」といえるものを情報科学や統計学などのアルゴリズムを用いて分析することで生命について解き明かしていく学問のこと。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
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