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附属病院消化器内科 須江先生の政策提案が、神奈川県の「大学発・政策提案制度」に採択されました!

2017.08.24
  • プレスリリース
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附属病院消化器内科 須江先生の政策提案が、神奈川県の「大学発・政策提案制度」に採択されました!

左から前田教授 窪田学長 須江助教 黒岩県知事
平成29年8月17日、神奈川県庁にて「大学発・政策提案制度」に採択された大学への表彰式が執り行われ、窪田吉信学長をはじめ、事業提案者の附属病院 消化器内科 須江聡一郎助教と前田愼教授が出席し、黒岩県知事より表彰状を授与されました。
神奈川県では、地域の課題を専門的な知見や人材等を有する大学との連携により解決することを目的として、平成21年度から「大学発・政策提案制度」が設けられています。この制度は、県内に所在する大学等から県政に関わる政策提案を募集し、公開コンペ方式の審査により選ばれた提案について、大学と県が協働で事業を実施するというものです。

今回、同事業に採択された須江先生の提案は「神奈川県の若年者におけるヘリコバクターピロリ感染症対策のモデル事業」というものです。ピロリ菌は日本人の約半数の人が感染していると言われ、感染すると胃粘膜を傷つけ、胃炎や胃潰瘍、また胃がんをも引き起こす細菌と言われています。このピロリ菌は若年のまだ病気を引き起こしていない未病(※)の段階で除菌することで胃の病気の発生を抑えることができるため、それらの啓発活動を若い世代に行うことにより、未病の改善を図ろうというものです。


提案事業のプレゼンテーションを行う須江助教
提案事業では、本学の新入生を中心とした約2,000人を対象に、若い世代にピロリ菌検査とアンケート調査を行い、陽性の場合は除菌治療を行うとともに、アンケート結果を広く公表するというものです。これにより、若い世代を中心に広く県民にピロリ菌感染対策の必要性を発信し、感染予防や除菌治療に対する意識改革を促すことを目的にしています。

今回の同制度の採択状況は、8つ提案がなされたうち、本学の提案を含む3つの提案が採択されました。表彰式で黒岩知事からは「非常に重要で効果の期待できる提案」とのコメントもいただきました。今後は神奈川県と本学消化器内科学教室が協働して事業を推進し、この結果について学会発表や論文発表も行われる予定です。 

須江先生に採択を受けてコメントをいただきました。

今回ヘリコバクターピロリ感染症対策のモデル事業を採択していただき、大学で行ってきたピロリ菌による胃発癌メカニズムについての基礎研究や除菌治療に関する臨床研究の成果を、神奈川県民に広く還元する機会を得られたことに感謝しています。
本事業が県民の「未病改善」への意識改革を起こし、全県での若年者ピロリ検査施行といった次につながるように、県担当者や大学と協力して準備を進めていきます。

(※)人の健康状態は、ここまでは健康、ここからは病気と明確に区分できるわけではなく、健康と病気の間で連続的に変化しており、その状態を「未病」といいます。
(神奈川県WEBサイトより)
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