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公共選択学会第19回大会において、中村公亮さんが「若手研究者優秀報告賞(川野辺賞)奨励賞」を受賞!

2016.12.27
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  • 学生の活躍

公共選択学会第19回大会において、中村公亮さんが「若手研究者優秀報告賞(川野辺賞)奨励賞」を受賞!

中村公亮さん(大学院国際マネジメント研究科博士後期課程)

公共選択学会第20回大会が2016年12月17~18日に開催され、第19回大会における中村公亮さん(大学院国際マネジメント研究科博士後期課程)の報告が、「若手研究者優秀報告賞(川野辺賞)」に表彰されました。

若手研究者優秀報告賞(川野辺賞)を受賞した中村さんにインタビューをしました

学会では、どのような内容を発表されたのでしょうか?また、どのような点が今回の受賞につながったのでしょうか?

今回の受賞は2015年度に行われた公共選択学会第19回全国大会での私の報告に対するものです。本報告は、独裁者の行動に関する数理モデルの実証分析を行ったものであり、学部・博士前期課程5年一貫プログラムを通じて執筆した私の修士論文をもとにした報告です。
独裁者を大きく2種類に分類し、経済のパフォーマンスと独裁者による抑圧の関係を数理モデルで構築した先行研究があるのですが、今まで実証分析で十分に支えられてきたとは言い難い状況でした。
それを私は、実証を試みた先行研究の問題点を排して実証分析をやり直してみたところ、モデルの仮説を統計的に支持することに成功しました。
当該モデルは公共選択論や比較政治の分野のハンドブックに掲載されているような有名なモデルで、その仮説を統計的に支持できたという点が評価されて、今回の受賞につながったのではないかと思っております。
 

「第18回公共選択学会学生の集い」で事務局長を務める中村さん(中央)

「公共選択学会」はどのような学会なのでしょうか?

Public Choice Societyは、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアなどにもあり、アメリカのものは、Buchanan、Ostromなどの、後にノーベル経済学賞を受賞した先生方も会長を務めた権威ある学会ですが、日本の公共選択学会は、政府税調会長などを歴任された故・加藤寛先生を中心に1997年に作られた比較的新しい学会です。経済学の枠組みを用いた「非市場的意思決定」に関する研究、広く政治過程をも考慮に入れた社会問題の解決を目指す研究などを志す研究者たちの集まりです。この学会は、学生の研究活動支援も熱心に行っており、2015年度には子学会である「第18回公共選択学会学生の集い」を本学で開催し、全国各地から多くの教員、学生の皆さんにお越しいただきました。この学生の集いでは、和田淳一郎先生が実行委員長、私が事務局長を務めました。

公共選択学会第19回大会に参加することになった経緯や、参加された際の感想、エピソード等あれば、教えてください

もともと、この報告論文は海外のトップジャーナルを狙っていたのですが、採択されず、他大学の先生方からのコメントをいただきたいと思って報告の申し込みを行った次第です。大学院に進んだばかりで、学会報告も初めてだったのですが、緊張しながらも、質疑応答など、他大学の先生方と議論を行うことができてホッとしたのを覚えています。

参加するに当たって、事前準備など特に意識した点や工夫した点は?

限られた口頭報告の時間の中で、自分の研究の貢献をいかに売り込めるかという点を意識し、発表練習に励みました。

研究室では普段どのような研究・勉強をしているのでしょうか?

普段は計量政治学の手法を用いた研究を行っております。最近は、非政治文脈における選挙におけるポスターの笑顔の効果を、顔認証技術を用いて数値化し、その笑顔の度合いが得票率を高めるのか否かという、政治学だけでなく、他分野にも跨る学際的な研究を行っております。

今後の目標を教えてください

まずは、論文を発表して実績を作り、和田先生にも勧めて頂いている留学をしたいと考えています。そして、エキサイティングである政治学の分野に貢献できるような論文を書いていけるような研究者になりたいと思います。

和田淳一郎教授から一言

総代を取ってくれたとはいえ、国際マネジメント研究科初の1年間での博士前期課程修了者が、学会からもきちんと評価いただけたということで、喜んでいます。計量政治学を極めるためにも、できるだけ早く雄飛してもらいたいと思い、応援しています。

今後の中村公亮さんの活躍を楽しみにしています。

 

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