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小島伸彦研究室の成果が第43回日本臓器保存生物医学会学術集会で会長賞を受賞しました!

2016.12.12
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  • 研究

小島伸彦研究室の成果が第43回日本臓器保存生物医学会学術集会で会長賞を受賞しました!

平成28年11月27日、東京薬科大学で開催された第43回日本臓器保存生物医学会学術集会において、大学院生命ナノシステム科学研究科 小島伸彦准教授が「微細構造をもつ膵島様組織の作製」と題した口演発表を行い、学術集会会長賞を受賞しました。
第43回日本臓器保存生物医学会は1974年に発足した臓器保存学会を前身とした歴史ある学会です。移植に用いる臓器の保存技術の向上を目指す学会としては日本で唯一であり、現在では移植外科だけでなく、基礎医学、薬学、農学、工学、獣医学など幅広い研究領域から研究者が参加しています。
今回の学術集会では“移植と臓器保存/学際を礎に”というテーマが掲げられており、小島伸彦研究室が取り組む「試験管のなかで高機能な臓器をつくりだす」というコンセプトが、基礎研究領域からの提案として高く評価されました。
受賞者と並ぶ小島伸彦准教授(左から2人目)

研究の概要

細胞はバラバラの状態では機能を発揮することができません。それぞれの臓器には特徴的な構造があり、それを再現することが臓器再生のポイントになります。今回の発表では、高機能な膵島を再構築するためのデザインを検討するという内容で発表を行いました。1型糖尿病を治療するためには、インスリンを分泌する膵β細胞が重要です。本研究では、膵β細胞を凝集させて作製した膵島様組織の内部に一定の比率で膵α細胞を混入させること、スペーサーを用いて物質交換能を高くすることがインスリン分泌活性の向上に繋がることを紹介し、続いて糖尿病モデルマウスへの高機能化膵島の移植結果を示しました。高い機能をもつ臓器をつくることができれば、臓器をつくるために用いる細胞を減らすことが可能となります。iPS細胞由来の細胞を用いる場合、またドナー臓器由来の細胞を用いる場合、どちらの場合でもより少ない細胞で臓器をつくることができれば、コストを抑えながらより多くの患者様を治療することができるのです。

小島伸彦 准教授のコメント

今回の発表はマウスの細胞を使った内容でしたが、今後、ブタ由来やヒトiPS細胞由来の細胞を用いて高機能な膵島をつくりだし、実際の治療に繋げていきたいと考えています。
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