YCU 横浜市立大学

木原生物学研究所・小野特任助教がポスター賞を受賞しました! [C01-226]

2016.05.18
  • TOPICS
  • 研究
国際学会International Association of Sexual Plant Reproduction ResearchおよびFrontiers in Sexual Plant Reproduction IV共催によるPlant Reproduction 2016, 24th International Conference on Sexual Plant Reproduction (ICSPR)においてbest poster presentationを受賞しました。ICSPRは2年に一度Plant Reproduction Biologyに関わる研究者が集まり、最新の成果を発表する国際大会です。今回はアメリカのアリゾナ州ツーソンにて、3月18−23日にかけて催されました。

研究の概要

生物の遺伝情報は4つの塩基からなるDNAの配列として記録され、ゲノムとしてそれぞれの細胞に保持されています。この遺伝情報は、細胞分裂や世代を経て、正確に伝えられていきます。これまでは、4つの塩基からなるDNA配列が主要な遺伝情報であると考えられてきました。しかし、近年の研究でDNAの塩基配列に加えて、塩基の化学修飾などの新たな要素が、遺伝情報として様々な生命現象を司ることが明らかにされてきています。私たちは、従来のDNA塩基配列による情報のみでは説明できない生命現象の仕組みを明らかにしていくために、塩基の代表的な化学修飾であるメチル化に着目した研究を行っています。今回はイネを材料に、DNAのメチル化修飾を取り除く機能を持つと推定される酵素の1つであるROS1aを欠く変異体を作製しました。作製した変異体の分子生物学的・組織科学的な解析から、ROS1aはイネの花粉が正常に受精する為に不可欠であること、受精した後に正常な種子ができる為には母親からのROS1aが不可欠であること、などが明らかになりました。これらのことは、イネの受精、そして、受精後の種子形成に至る一連の過程が正常に機能する為には、DNAのメチル化の情報が不可欠であることを示唆するものと考えています。
副賞として贈られたアリゾナ大学のマグカップとポスターのミニチュア版

今後の期待

めしべが花粉と受粉してから受精し、種子が形成されていく一連の過程は、植物にとって次の世代へ遺伝情報を伝えていくための一大イベントです。この受精の過程で、雌と雄の異なる遺伝情報をのせたゲノムが出会うことから、新しい種が成立していくための鍵となるプロセスの1つでもあります。ヒトとの関わりの中でいえば、たとえばイネの受精の結果できた種子は、コメとして食卓に上ることになります。このように生物学的にも農業的にも重要な過程を、分子生物学的なアプローチで、いろいろな角度から掘り下げ、深く理解していきたいと考えています。近い将来、さらにおいしいコメにたどり着けるかもしれません。
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