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【活躍する市大生】 国際複合糖質組織委員会からトラベル・アワードを授与されたイムティアジ・ハサンさん

2015.10.16
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  • 学生の活躍

国際複合糖質組織委員会からトラベル・アワードを授与されたイムティアジ・ハサンさん

2015年9月15日~20日クロアチア共和国 スプリト市で、第23回国際複合糖質シンポジウム(GLYCO23)が開かれ、講演者で生命ナノシステム科学研究科(生命環境システム科学専攻 博士後期課程3年)イムティアジ・ハサンさんが、主催の国際複合糖質組織委員会(International Glycoconjugate Organization:IGO)から、日本から出席した若手研究者として、トラベル・アワード(海外渡航賞)を授与されました。
受賞者とその研究指導者(同研究科教授 大関泰裕)の声をつたえます。 

賞を授与したInternational Glycoconjugate Organization (IGO) はどのような組織ですか。

イムティアジ・ハサンさん(以下、ハサン):
Glycoconjugate (グライコ・コンジュゲート=複合糖質)は、糖鎖にタンパク質や脂質が合体した物質の総称で、細胞のコミュニケーションや癌化など、生命の重要な働きを担います。IGOは世界中の複合糖質学者をまとめているコミュニティで、研究者の研究発展のため各年ごとに各国で学会を開いています。 

講演内容をご紹介ください。

ハサン:
私の演題は「MytiLec, an R-type lectin from Mediterranean mussel regulates cancer cell growth through glycan-dependent signaling」(糖鎖シグナルを介して癌細胞増殖の制御を行うイガイ科R-型レクチンMytiLec)です。受賞に加え、口頭発表の機会にも恵まれたのは、学位研究で取り組む、がん細胞表面糖鎖を認識するタンパク質による新たな細胞死の解明が注目されたからだと思います。 

今年度が博士課程修了年のハサンさんには、どのような学位指導を行いましたか?

大関泰裕:
バングラデシュ国立ラジャヒ大学理学部Assistant Professorの職にあり、文科省国費留学生として2012年秋に来日した彼の目的は、日本での博士号学位の取得です。学位取得後も母国で後進の指導と研究の発展に貢献できることを期待して、博士論文の完成と共に、5報の筆頭著者論文・7報の共著者論文の作成指導を行いました。世界水準の大学院教育を提供するため、アジア (中国・大連)、米国 (ハワイ、サンディエゴ)、ヨーロッパ (クロアチア・スプリト)で開催された国際学会での発表、YCU海外フィールドワーク第2回大学院リトリートプログラムでは、米国・サンディエゴの研究者との交流機会も与えました。 

留学生としてYCUで学べた利点は何ですか

ハサン:
所属する研究室は、規模は小さくても研究が活発で国際性に富む環境でした。2009年に学位を得て2014年にバングラデシュ国立チッタゴン大学理学部教授に昇任したS.M. Abe カウサル博士が、今年JSPS研究者招聘事業で再来日し、密接な研究交流の行えたことは、自分の将来像が見られたこととして非常に有意義でした。この3大学の交流は、将来の学術と高度な教育に関して、横浜市立大学と、バングラデシュに隣接する西インド地域も含めた南アジア圏の大学間連携を進める一歩になると思いました。
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