YCU 横浜市立大学
search

国際総合科学群 永松准教授が日本品質管理学会の品質技術賞を受賞!

2013.10.10
  • プレスリリース
  • 研究

概要

学術院国際総合科学群 永松陽明准教授が、日本品質管理学会の品質技術賞を受賞しました。
日本品質管理学会は1970年に設立され、40年以上続く経営工学系の学会です。大きく変化する社会や企業環境に対応するため、品質管理に関連する技術・手法の研究・開発の推進に寄与すると共に、得られた成果を産業界・社会に普及させる橋渡しをしています。
今回の受賞は、これまでの品質向上活動実績が評価されたものであり、その活動実績は2013年1月に発表された日本品質管理学会誌「品質」Vol.43(1)「業務プロセスにおける不具合情報の有効活用の研究」にまとめられています。
尚、2013年11月16日に大阪大学で開催される日本品質管理学会第43回年次大会において、賞は授与される予定です。

研究概要

鉄道、上下水道、通信ネットワークなどのシステムや自動車、スマートフォンなどの製品は、増々高度化、高機能化すると同時に、内部構造が複雑になってきています。そして、そのシステムを構築する、あるいは製品を設計・生産する企業は、システムや製品に不具合を作り込むことを防ぐため、仕事の進め方(業務プロセス)の品質も高めていくことが求められています。
業務プロセスの品質を高めていくためには、まずその評価が重要となりますが、従来から導入されているISO(International Organization for Standardization)9000シリーズなどでは、業務プロセスに対する評価は十分ではありませんでした。
そこで今回、多くの不具合は人のミス(ヒューマンエラー)に起因することに着目した業務プロセス評価チェックリストの作成システムを開発しました。本作成システムは、予めヒューマンエラーの種類とその解決のための標準チェックリストを保有し、作成システムを導入する組織が多発させている不具合を踏まえ、標準チェックリストをカスタマイズするシステムです。この作成システムを利用することで、ヒューマンエラーに十分な知識が無くても、その回避を実現できるチェックリスト作成が可能となりました。
その有効性は実証されており、導入組織は作成システムを活用することにより、生じている不具合を低減させ、業務プロセス及びシステム・製品の品質向上を達成できます。

今後の期待

企業や組織が、意図せずに製品やサービスに不具合を組み込んでしまうと、社会や業績に対して大きなマイナスのインパクトを与えてしまいます。今回開発した業務プロセス評価チェックリストの作成システムは、システム構築や製品の設計生産を行う企業だけではなく、様々な組織に応用展開出来、大きなインパクトに対して有効であると考えます。
今後、作成システムの普及活動を積極的に推進すると共に、新しい視点での業務プロセスの質向上の研究を進めていきます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加