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生命ナノシステム科学研究科の西村 善文教授が学会賞を受賞しました!

2012.12.07
  • プレスリリース
  • 研究
 大学院生命ナノシステム科学研究科西村 善文教授が日本分光学会賞(学会賞)を受賞しました。
 社団法人日本分光学会は1951年の分光化学研究会、分光学研究会の発足を経て1953年の正式発足以来半世紀以上の歴史を有する学会です。

研究概要

[テーマ]
「ラマン分光法とNMRによる構造生物学」

[概要]
 分子生物学のセントラルドグマはDNA→RNA→タンパク質で、これらの相互作用機構を構造に基づいて解析する構造生物学は非常に重要な研究分野です。分子の紫外・可視吸収帯内のレーザ光を照射すると吸収する分子のみの振動を得ることが可能で、tRNA中の4チオウリジンの光化学反応を紫外共鳴ラマン分光で追跡できます。また、ラマン分光やNMRを用いて水溶液中のDNA二重らせん構造の多様性も解析できます。
 さらにNMRでは結晶解析と異なり、水溶液中のタンパク質とDNAとの複合体構造を原子レベルでの揺らぎを含めて解析できます。神経特異的な転写抑制因子NRSFや基本転写因子TFIIEでは、単独では特定の構造をとらない天然変性領域が、相手のタンパク質と結合して特定の構造を取る事がNMRで発見されました。また、クロマチン関連タンパク質では結晶では見えない領域が機能上非常に重要である例もNMRによる構造解析で解明されてきました。
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