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附属市民総合医療センター 門之園一明教授らの研究グループが、九州大学等との共同研究において、加齢黄斑変性の発症に関わる遺伝子を発見しました

2011.10.20
  • プレスリリース
  • 研究
附属市民総合医療センター 門之園一明教授らの研究グループが、九州大学等との共同研究において、加齢黄班変性(AMD: Age-related macular degeneration)の中でもアジア人に多くみられる滲出性加齢黄斑変性(滲出性AMD)に関連する新たな遺伝子を発見しました。

AMDは、欧米では失明原因の第1位であり、日本でも高齢化と生活様式の欧米化で近年著しく増加し、第4位になっています。特にアジアでは、異常な血管が侵入して網膜が障害を受ける滲出性AMDの割合が欧米に比べ高く、対策が急がれていますが、その発症メカニズムについては十分に解明されていません。

研究グループは、日本人の滲出性AMD 患者1,528人について解析を行いました。その結果、ヒトの8番染色体短腕上に存在するTNFRSF10A遺伝子の遺伝子多型が、滲出性AMDの発症と関連していることを発見しました。この多型を持っていると、滲出性AMDの発症リスクが持たない場合に比べて約1.4倍に高まることも明らかにしました。

日本人の滲出性AMD発症に関わる新たな遺伝子の同定により、今後発症メカニズム解明や、新たな診断法、治療法の開発につながると期待されます。

本研究成果は、科学雑誌『Nature Genetics』に掲載されるのに先立ち、オンライン版(9月11日付け:日本時間9月12日)に掲載されました。

(写真:附属市民総合医療センター眼科教授 門之園一明)
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