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令和2年度実績 基礎研究医養成活性化プログラム

基礎研究医養成活性化プログラム

実践力と研究力を備えた法医学者育成事業

(平成29年度文部科学省補助金採択事業)

◆令和2年度の活動実績

活動報告書が出来上がりました。こちらからご覧下さい。

◆令和3年2月 法医学・病理学 高校生セミナー 「法医学ってどんな仕事? 法医学者に聞いてみよう!」

高校生を対象とするWebセミナーが、2月27日に開催されました。
このセミナーは、文部科学省の補助事業による福島関東病理法医連携プログラム「つなぐ」の一環として実施され、今回は福島医科大学の病理学講座 橋本優子教授とともに病理学と法医学について分かりやすく紹介しました。
臨床医学だけでなく、法医学や病理学などの基礎医学にも興味を持って医学部に進学する学生が増えることは、医学分野全体に大変有意義なことであると考えます。本企画を通して、ひとりでも多くの高校生が法医学について理解を深め、自身の選択肢のひとつとしてくれたら嬉しく思います。

◆令和3年1月 第2回法医学者のための法医病理基礎講義「病理組織の見かた、マクロ、ミクロ、診断方法について」

病理専門医である三戸先生から、病理組織の見かたについて講義していただきました。
系統だって教育を受けていないために、病理組織を漠然と見ていることが多
かったのですが、マクロからミクロに向けて、臓器ごとにルールを作って検索していくなどの基礎的事項の確認ができました。
また、実際の症例からどのような診断をつけ、
病態を推測するかなどについてもトレーニングできました。
講義後には、Web参加していた琉球大学から実際の症例についてのコンサルトなどもあり、今後はWeb環境で病理学的な診断を依頼できる可能性について期待できると感じました。

◆令和2年12月 第4回ワークショップを開催しました!

 2020年12月21日(月)基礎研究医養成活性化プログラムの一環として第4回ワークショップ「COVID-19感染拡大と法医実務~現在から未来に備えるために~」を開催しました。
本来、本事業でのシンポジウムは人材交流をひとつの大きな目的とすることから対面での開催を模索しましたが、今年に限っては新型コロナウイルスの感染拡大に配慮してZoom開催としました。このような状況であるがゆえに新型コロナウイルス感染にかかわる法医実務をテーマにすることにしました。法医実務に関する各大学・機関における取り組みや課題を提示することによって、問題意識を共有して、今後しばらく続くであろう新型コロナ時代をどのように乗り切るべきか、率直な議論の場となることを期待して開催しました。
Zoom開催のため通信環境や双方向性の質疑が円滑に行えるかどうかなどの不安要素もありましたが、最大98名の参加を頂き、活発な議論もなされて、非常に有意義なワークショップとなりました。

◆令和2年11月 第1回法医学者のための法医病理基礎講義「心臓の刺激伝導系の切り出し」

法医解剖でも必要に応じて病理組織を検査しますが、法医学者が病理診断について系統的に学ぶ機会は少ないことから、法医学者に必要な病理学的な基礎的知識を習得するための講義をシリーズで企画しました。
法医学者としての経験も有する医療
法人社団誠馨会病理センター松戸ラボの三戸聖也先生に、法医学者に必要とされる病理学的知識について、ポイントを押さえた効率的な講義をしていただきました。
た、琉球大学とはWeb回線を使って生中継をして、双方向性の講義を行いました。初めての試みでしたが十分な成果が得られました。

◆令和2年9月 第3回日本法医病理学会 学術全国集会(Web開催)

今回は「明日へ向かう法医病理」をテーマとして、9月11~12日に旭川での開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を受けてWeb開催となりました。
多角的な視点から法医病理学の将来を考えることを目的として、ハンセン病、法医人類学、薬物肝障害に係るお話から、裁判から見たDNA型鑑定についての話まで、非常に多彩で興味深い特別講演が用意されました。
各分野の第一人者からの貴重な
講演を聞くことができました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大人数の集会が制限される状況下で選択された録画配信の学会でしたが、Webでの視聴は1カ月間可能であったため各自の予定に合わせた参加が可能でした。
また、複数回の聴講も可能であり、理解を深める
ためには有効な手法のひとつであると感じました。
なお、一般演題については、次年度
の長崎での学会に順延されました。

◆令和2年9月 第104次日本法医学会 学術全国集会(ハイブリッド開催)

当初6月に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて9月に延期され、各種セッションがハイブリッドでの参加が可能となりました。
本学からは、特に男女共同参画シンポジウムにWebでの協力をしました。
今年のテーマは「法医学でのキャリア形成 ~私と法医学と未来にむけて~」として、年代や職位、家庭環境も異なる3名の男性法医学者をシンポジストとして開催されました。
福岡大学の久保真一教授からは「法医学におけるキャリアサポート」として、ワークライフバランスを取りながら法医学者としてのキャリアを進めていくためには、具体的な支援と長期的な目標設定が必要であることが紹介されました。また、兵庫医科大学の山本琢磨准教授からは、ご自身の留学経験なども踏まえて、変化する仕事と家庭、責任の軽重などのバランスを場面ごとに取っていくことが必要であるとの話がありました。横浜市立大学の前田一輔助教からは、育児をしながら夫婦でキャリア形成をしていくために心がけていることや、ポイントなどについて具体的なお話がありました。

◆令和2年4月 新規プログラム受講生受け入れ

本プログラムの3人目の受講生を受け入れました。
國中さんは群馬大学を卒業後、横浜市立大学附属病院で臨床初期研修を行った後、本学大学院の博士課程に入学しました。将来の法医学者を目指して、研究的な知識や技術を習得するとともに解剖実務についても経験を積んでほしいと考えています。
新型コロナウイルス感染拡大によって、各種実習も一部制限が生じますが、その範囲内で十分な成果をあげることを期待しています。

受講生の声

新型コロナウイルス感染拡大のため、当初想定していたようなプログラム受講生としてのスタートではありませんでしたが、解剖実務に合わせて、Onlineの学会や勉強会、ワークショップに積極的に参加し、研鑽を積んでいます。

事務担当:横浜市立大学医学国際化担当