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横浜市大×電通『広告医学プロジェクト2016』が本格始動

2016.04.29
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横浜市大×電通『広告医学プロジェクト2016』が本格始動

-若手クリエーター・アーティストとのコラボレーション-

横浜市立大学大学院医学研究科 武部貴則准教授と(株)電通が推進している「広告医学プロジェクト」は、今年度横浜市や若手アーティスト等と連携・協力し、楽しみながら健康づくりができる仕掛けとして、3つのプロジェクト「Another Steps」「演劇クエスト」「宙(そら)」を展開します。
~広告医学プロジェクトとは~
アートやデザイン、コピーライティングなどの広告的視点を医学におけるコミュニケーション手法に取り入れながら、健康行動を自然に動機づける方法の研究で、市民の皆さまが将来重篤な病を発症することを未然に防ぎ、健康寿命の延伸を目指す新しい試みです。

1.Another Steps・・・つい上りたくなる健康階段

踏み出そう、健康と世界への第一歩。

階段ではなく、ついエスカレーターを使ってしまう……そんなこと、ありませんか? 歩くことは最も手軽な健康法で、その中でも階段の上り下りは、特に運動効果が高いとされています。『Another Steps(健康階段)』は、一日中ラボに籠って研究に勤しむ研究者に、階段の上り下りの中で、世界50か国もの天気情報をリアルタイムで提供します。研究者が階段を使うことによって、外の世界の「今」を知るきっかけとなるだけでなく、自然に健康づくりが促進される実験的な取組として、平成28年4月に先端医科学研究棟内において実施しました。今後金沢八景キャンパスでも展開していきます。
健康階段は平成27年2月に横浜市や金沢区との連携により「上りたくなる階段(横浜シーサイドライン金沢八景駅)」として実施しており、地域の健康づくり推進団体のみなさまをはじめとする多くの方にご利用いただきました。横浜市と広告医学プロジェクトは、平成26年7月に市民の健康増進に関する包括協定を締結しており、これらの取組み結果を踏まえながら、今後さらに連携して市民の健康づくりに取り組んでいきます。

2.演劇クエスト・・・ロールプレイングゲームで健康行動促進

「演劇クエスト」は、「冒険の書」を片手に、物語の主人公となってロールプレイングゲームを楽しむ体験プロジェクトです。広告医学プロジェクトでは、横浜市芸術文化振興財団と協働し、同財団が行う「アーツコミッション・ヨコハマ」の相談窓口を活用しながら、横浜の若手クリエイター・アーティストらと議論を重ねてきました。今回、その活動の一環として、患者さんのリハビリにスポットを当て、医療の現場である病院を舞台に、通院・入院患者の健康行動を促す体験プロジェクトのプロトタイプ(試作品)である「演劇クエスト 幻惑のリハビリテーション編」を制作しました。このプロトタイプでは、患者さんが冒険者として院内を探索するストーリーになっており、シナリオにある選択肢にそって参加者はそれぞれ違うルートで、屋上から駐車場まで、いろいろな所を楽しみながら歩くことができ、リハビリ等の促進が期待できます。
平成28年度は、このコンセプトを活かしながら大学内、金沢区へと広げて展開する方向で検討します。

※このプロジェクトは横浜市立大学の教員地域貢献活動支援事業の1つです。
事業名・・・「地域の健康・医療問題解決へ向けたメディカルデザインハブの構築」

3. 「宙(そら)」 ・・・アート作品の映像投影で患者さんたちに元気を

病院内の診療や検査の待ち時間に、患者さんたちを元気づけるための実験的な取組として、「Cheerful Wall」プロジェクトを開始しました。今回はその第一弾として、横浜市立大学大学院医学研究科 発生成育小児医療学の伊藤秀一教授らと連携し、現代美術アーティスト、曽谷朝絵(そやあさえ)さんのアニメーション作品「宙(そら)」を附属病院小児科待合の壁に投影します。このプロジェクトを通して、診察等を待つこどもたちが笑顔で楽しむことにより、待ち時間や処置時の負担軽減につながる手法の確立を目指します。
効果測定を含めた実証実験の開始に向け、現在準備が進んでいます。今後、他施設などへの展開も検討します。
※2.3.について、横浜市芸術文化振興財団が、「アーツコミッション・ヨコハマ」事業にて協力、横浜の若手クリエイター・アーティストらをコーディネートしています。

問い合わせ先

(広告医学プロジェクトについて)
公立大学法人横浜市立大学 研究企画・産学連携推進課長 渡邊誠
Tel. 045-787-2510E-mail

(横浜市立大学教員地域貢献活動支援事業について)
公立大学法人横浜市立大学研究基盤課長竹内 紀充Tel. 045-787-2019

(横浜市健康づくり事業について)
横浜市健康福祉局保健事業課 健康づくり担当課長横森喜久美Tel. 045-671-3376

(金沢区民への啓発活動について)
横浜市金沢区福祉保健センター福祉保健課長飛田千絵Tel. 045-788-7811

(アーツコミッション・ヨコハマについて)
公益財団法人横浜市芸術文化振興財団広報・ACYグループチームリーダー福岡綾子
Tel. 045-221-0212

広告医学PJメンバー・コンテンツを作成したアーティスト・クリエーターのご紹介

広告医学PJ

■武部 貴則横浜市立大学大学院医学研究科准教授
1986年生まれ、29歳。2011年、横浜市立大学医学部医学科卒業後、同年より助手(臓器再生医学)に着任、電通×博報堂 ミライデザインラボ研究員を併任。2012年からは、同大先端医科学研究センター研究開発プロジェクトリーダー、2013年より現職。科学技術振興機構さきがけ領域研究者、シンシナティ小児病院准教授を兼務。専門は、再生医学・広告医学。

Another Steps

■河瀬 太樹株式会社電通アートディレクター/ビジョナー
1986年生まれ。東京藝術大学卒業、アーティスト集団C-DEPOT所属。広告大賞、グッドデザイン賞、など10以上の賞を受ける。コーポレートコミュニケーションから、製品・サービス開発、PR、ムービー、グラフィック、バイラル施策や自治体広報、医療からファッション、メディアアートまで、手掛ける。
■梅田 悟司株式会社電通 コピーライター/コンセプター
1979年生まれ。上智大大学院理工学研究科修了。カンヌ広告賞、レッドドット賞、グッドデザイン賞など国内外30以上の賞を受ける。CM総合研究所が発表するコピーライタートップ10に、2014年・2015年連続選出。横浜市立大学共同研究員。日本デザイン学会正会員。
■プランニングディレクター/電通/清水真哉
■コピーライター/電通/坂本 弥光
■テクノロジスト/電通/葛原 健太
■プロデューサー/amana/橋本 健次
■プロデューサー/FIG./釜田 俊介
■プロデューサー/FIG./杉山 諒
■ディレクター/FIG./新村 卓宏
■ディレクター/FIG./坂本 隆成
■プログラマー/FIG./三井所 高成

演劇クエスト

BricolaQユニットメンバー
■藤原ちから
1977年高知市生まれ、横浜在住。批評家、編集者。ラボラトリー&メディアBricolaQ主宰。武蔵野美術大学広報誌「mauleaf」、世田谷パブリックシアター「キャロマグ」などの編集を担当。演劇批評を中心に様々な記事を執筆しており、徳永京子とは共著『演劇最強論』(飛鳥新社)のほか、ローソンチケットのバックアップによるウェブサイト「演劇最強論-ing」を共同運営中。遊歩型ツアープロジェクト『演劇クエスト』を、横浜を中心に、城崎温泉、マニラ、デュッセルドルフなど各地で創作中。
■落 雅季子
1983年東京生まれ。2009年頃より演劇・ダンス評を書き始める。「CoRich!舞台芸術まつり」審査員。金融機関向けのシステムエンジニアを経て、現在はフリー。「HONMOKU TIMES」編集長。ドラマトゥルクとして、主宰の藤原ちからと共に遊歩型ツアープロジェクト『演劇クエスト』を各地で創作。インタビュー、座談会、批評文、小説まで幅広い文体で活動中。

宙(そら)

■曽谷朝絵アーティスト
神奈川県生まれ。絵画とインスタレーションの両面で現代美術を制作している。2006年「東京藝術大学大学院博士後期課程美術研究科油画専攻」にて博士(美術)取得。「第6回 昭和シェル石油現代美術賞」グランプリ(2001年)、「VOCA展2002」VOCA賞(グランプリ、2002年)、「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」(2013年)、「神奈川文化未来賞」(2013年)他、受賞多数。
主な個展に「鳴る色」資生堂ギャラリー(2010年)、「宙色(そらいろ)」水戸芸術館現代美術ギャラリー(2013年)、『虹』Aki Gllery/台北(2015年)などがある。他、グループ展等多数開催。NY、中国、東京、横浜などでパブリック・アートを制作。平成25年度新進芸術家海外研修員としてNYに滞在。
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