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国際総合科学部4年 棚原佑介さんが、日本統計学会主催の第10回スポーツデータ解析コンペティションで優秀賞を受賞「プロ野球における運が監督の意思決定に与える影響」について研究

国際総合科学部 国際総合科学科 経営科学系経済学コース4年生の棚原佑介さんが、日本統計学会主催の第10回スポーツデータ解析コンペティションにおいて、YCU大学院国際マネジメント研究科の家舗弘志さんと共同研究の発表を行い、優秀賞を受賞しました。 今回は棚原さんに、取り組んだ研究を紹介していただくとともに、所属ゼミやYCUの魅力についてお話を伺いました。


棚原佑介さん

棚原佑介さん
国際総合科学部 国際総合科学科 経営科学系経済学コース4年生
(※所属は入学時の学部名称です。)
出身校:那覇国際高等学校
指導教員:中園善行客員准教授(マクロ経済学)

日本統計学会主催の第10回スポーツデータ解析コンペティション
開催日時:2020年12月26日(土)・27日(日)(オンライン開催)
表彰区分:優秀賞
発表題目:「プロ野球における運が監督の意思決定に与える影響」


プロ野球の世界における人事評価について検証。その事実を明らかに!
—この度、優秀賞を受賞した「プロ野球における運が監督の意思決定に与える影響」について、どのような研究をされたのですか?

この度の研究は、YCU大学院国際マネジメント研究科の家舗弘志さんとの共同研究です。
僕たちの研究は、経済理論に基づいた分析により、プロ野球の監督が「選手の運」を過大評価していることを明らかにしました。
人事評価において、上司が持つ情報が不完全である場合、行動が全く同じであっても、運悪く失敗した人は運良く成功した人よりも評価が低くなることが予想されます。そこで僕たちは、プロ野球のデータを活用し、さらに因果推論の手法を応用することで「プロ野球の世界においても監督が運を過大評価しているのか?」という問いに挑みました。
その結果、運が良い選手は試合への起用確率が上昇すること、さらに運は選手の給料にも影響を与えていることを明らかにしました。僕たちの研究は、プロ野球の世界においても、「上司」が「部下」の頑張りを適正に評価しているとは限らないことを初めて実証した研究です。

ユークリッド距離を使ってホームランとアウトを識別
-どのような経緯で研究を始めたのでしょう?

僕自身、以前から野球を見ることが大好きでした。近年は野球をデータで見ることが盛んになってきているように感じます。
そのような中、同じ中園先生のゼミの先輩で、野球の経済分析のスペシャリストである家舗さんのお話を聞く機会があり、僕も野球のデータを使った分析をしてみようと思ったのがこの研究のスタートでした。


因果推論。エビデンスに基づき、事柄の間にある因果関係について、その結果を予測可能なものにする。
-中園客員准教授のゼミではどのようなことに取り組んでいたのですか?

僕が専門とする学問は、主に経済学の因果推論と呼ばれる分野です。
因果推論は、社会で実際に起きていることや関係がありそうなことに対して、本当に因果関係があるのかを分析して明らかにする学問のことです。
ゼミ2年生次には、マクロ経済学の英語の教科書を輪読し、それをまとめたものをグループで発表するということをしていました。3年次からは現在の分析で主に使っている「R」というプログラミング言語を学び、さらに時系列分析を学修しました。
また、ゼミの後には、ビブリオバトル(本の紹介)をすることで、友人が読んでいる本を知ることができたり、私自身も読書をする楽しさに触れることも大きな学びとなりました。

研究の様子
-中園客員准教授のゼミの魅力を教えてください

中園ゼミの最大の魅力は、ゼミの担任である中園先生が真摯にゼミ生と向き合ってくれることだと思います。これまでたくさんの課題がありましたが1つ1つ優しく丁寧にサポートしてくれることで安心して勉強を続けることができました。


データアナリストとして活躍できる人材を目指し、大学院へ進学。
研究発表直前の様子
-今回、日本統計学会主催の第10回スポーツデータ解析コンペティションにて優秀賞を受賞された感想と今後の抱負を聞かせてください。

今回、このような身に余る賞を受賞することができたのも研究をサポートしてくださった中園先生や研究室の方々のおかげだと感じております。
初めて本格的に研究をすることになり、また新型コロナウイルス感染症が拡大している状況下で登校が制限されるなど不安もあったのですが、そんな中でも熱心にご指導くださった中園先生や家舗さん、研究室の同期や先輩方の存在が非常に心強かったです。
今後は積極的に学会発表に挑戦し、自身の力をつけてさらに研究に磨きをかけていきたいと思っております。



-今後さらに深めていきたい研究や、その先の進路についてどのように考えていますか?

4月からYCU大学院国際マネジメント研究科に進学予定です。経済学的な知識のみならずプログラミング言語を習得し、データアナリストとして活躍できる人材を目指します。

-中園先生からのコメント

東京ドームに通い詰めるほど野球と巨人軍を愛する棚原さんが、野球の知識を生かした研究で学術的な業績を挙げられたことを大変うれしく思います。 棚原さんは、大手銀行から得ていた内定を断り、大学院でスポーツデータの解析と研究に打ち込むという道を選択されました。その決意からわずか半年足らずで、RやStata、EViewsなどのプログラミング言語を習得、数十万件の野球データを操るビッグデータ解析の技術の修得、経済理論・統計理論の理解、そして日本統計学会主催のスポーツコンペティションで優秀賞受賞という驚くべき成果を挙げられました。
もっとも棚原さんがこのような成果を挙げられたのは、棚原さんの日々の努力に加え、思わず応援したくなるような人柄、そして研究に対する情熱があってこその成果だと思います。自分で汗をかき、手柄は人にあげてしまうような、人に優しく情に厚い棚原さんの陰ながらの努力が、晴れて学会で認められたことを大いに喜んでいます。
大学院進学後の棚原さんのご活躍、そして卒業後にプロ野球界やコンサルティング会社等でデータ分析の専門家として活躍される姿に期待しているところです。
棚原さん、受賞おめでとうございます。


YCUを目指す受験生に向けてのメッセージ
文科系研究棟前で

横浜市立大学の特徴は、地方出身者が多いことだと思います。
事実、僕も出身は沖縄ですし、ゼミやサークルの友人の出身も北海道から沖縄県まで幅広いです。そのため、周りの友人は個性豊かで沢山の魅力に溢れた人が多いと思います。ルーツの違う色々な人と出会うことは毎日様々な発見があるように感じます。
また、学校の規模は小さいですが、その分友達もできやすいと思います。
そして何よりも先生方がしっかりサポートしてくださいます。普段の授業では指導教員の中園先生だけでなく、他の先生方もわからないところがあれば丁寧に教えてくださいました。特に地方から進学する場合、不安な学生も多いと思いますが、横浜市立大学では安心して楽しい大学生活を過ごせます。


ヨコ知り!1問1答
-棚原さんも数年前は受験生。受験生時代のことを1問1答でお聞きしました。

①YCUをいつ知った?
高校2年生の秋ごろ

②なぜYCUを選んだ?
コース選択で経営・経済・会計を入ってから決められるから

③試験前日の過ごし方は?
沖縄から飛行機移動だったので、ゆっくりしました

④センター試験の結果はどうだった?
まずまずでした。

⑤試験当日のマストアイテムは?
エナジードリンクを飲むこと

⑥おすすめ参考書
英単語ターゲット

⑦1番勉強した場所・時間帯
塾の自習室に毎日行ってました

⑧試験当日の失敗談
着込みすぎて少し暑かったこと

⑨受験勉強中のリラックス方法は?
友達と話すか少し寝ることでした

⑩受験勉強中、よく聴いた曲は?
RADWIMPSの会心の一撃

⑪その当時の将来の夢は?
公務員

(2021/2/1)

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