加齢黄斑変性 内科的治療

当院では数種類の抗VEGF薬を採用しており、病型、病状により薬剤を使い分けています。
また抗VEGF薬だけではなく、ポリープ状脈絡膜血管症やpachychoroid関連疾患に対しては、抗VEGF薬にくわえ光線力学療法を併用して治療を行うこともあります。pachychoroid関連疾患はOCTA(機材紹介参照)により新しく生まれた疾患概念で、抗VEGF薬と光線力学療法の併用療法が有効であることを報告しました。(Kitajima Y, et al; Graefes Arch Clin Exp Opthalmol,2020)
それぞれの薬剤の治療成果も数多く報告しており、たとえばアフリベルセプト(アイリーア)の短期治療成績や3年にわたる長期治療成績、視力予後因子などに関する解析をおこなっています。(Maruyama-Inoue M, et al;RETINA,2018.Ito A, et al;PLoS One,2020など)

また比較的新しい抗VEGF薬であるブロルシズマブ(ベオビュ)を新規患者さんやアイリーアからの薬剤変更に積極的に使用し、良好な治療成績を得ています。
2022年からはファリシマブ(バビースモ)も使用可能となり、患者さんの病状に応じて薬剤変更をおこなっています。

  • 加齢黄斑変性以外にも、網膜色素変性症や網膜ジストロフィなど遺伝性疾患の診断、網膜静脈閉塞症に対する抗VEGF薬治療も行っております。
    また、理化学研究所や京都大学と連携した加齢黄斑変性の遺伝子研究、OCTを用いた新たなpachychoroid関連疾患の研究、抗VEGF薬の治療成績など、多岐にわたり研究を行い、学会でも積極的に発表しております。