粘膜下筋腫(粘膜下子宮筋腫)に対する高難度子宮鏡下子宮筋腫摘出術について
粘膜下子宮筋腫の疾患情報
子宮粘膜下筋腫は、子宮の内腔(内側の空間)に向かって発生する子宮筋腫です。小さくても過多月経(経血量が極端に多い)や重度の貧血、不妊症・不育症の原因になりやすく、適切な治療が必要となるケースが多くあります。
当院では、患者様のお体への負担を最小限に抑えるため、通常であれば腹腔鏡手術や開腹手術が必要とされる難易度の高い粘膜下筋腫に対しても、積極的に低侵襲な「子宮鏡手術」を行っています。
粘膜下子宮筋腫の主な症状と検査
* 生理の量が異常に多い(ナプキンが1時間もたない、レバーのような血の塊が出る)
* 毎月の生理による貧血や倦怠感が強い
* なかなか妊娠に至らない、または流産を繰り返してしまう
問診・超音波(エコー)検査・MRI検査に加え、体への負担が少ない「軟性子宮鏡検査(細く柔らかいカメラによる内視鏡検査)」を行い、筋腫の位置や大きさを正確に診断します。
粘膜下子宮筋腫の治療
子宮鏡下手術とは、お腹を切らずに「胃カメラ」のように腟から子宮内に細い内視鏡(カメラ)を挿入し、内側から筋腫を摘出する手術です。
1. 「身体への負担」を極限まで抑えた短時間・短期間の治療
お腹に一切傷をつけないため身体への侵襲が非常に少なく、術後の痛みもほとんど感じない方が大半です。お仕事や日常の生活へ素早く復帰していただけます。
患者様の状態や筋腫の大きさに合わせて、最適なスタイルで治療を行います。
●小さめの筋腫(径2cm以下など):【外来日帰り手術】
細径子宮鏡(非常に細い内視鏡)を使用することで麻酔や身体への負担を最小限に抑え、病院での滞在時間はわずか1〜2時間程度で終了します。
●高難度・大きめの筋腫:【1泊2日入院】
大きめの筋腫や難易度の高い症例でも、お腹を切ることなく1泊2日の短期間の入院で安全に摘出が可能です。
2. 次回の妊娠・出産への影響を最小限に抑えられる
腹腔鏡手術や開腹手術で子宮壁を切開した場合、術後約半年の避妊期間が必要となり、分娩時の子宮破裂リスクを避けるため帝王切開が推奨されます。
一方、子宮鏡下手術では子宮の壁を深く切り込まないため、術後の避妊期間が短く、次回妊娠時の自然分娩を選択することも可能です。
当院の強み:高度な技術と患者様に応じた最適な術式
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、子宮鏡手術の対象は一般的に「大きさが3cmまで」かつ「子宮内腔への突出度が50%以上」と推奨されています。そのため、大きさが3cmを超えるものや、子宮の壁に埋もれている割合が多い(突出度50%以下)筋腫は、他院では腹腔鏡手術や開腹手術、あるいは子宮全摘術を勧められるケースが少なくありません。当院では、子宮鏡に精通した術者による技術と独自の工夫により、こうした高難度な症例にも積極的に子宮鏡下手術を行っています。
患者様のライフプランに合わせた最適なアプローチ
① 今後ご妊娠を希望される方:子宮筋層を守る「鈍的剥離操作」
一般的な子宮鏡手術では、電気メスで筋腫を削り取る方法が用いられます。しかしこの方法では、正常な子宮内膜まで傷ついて癒着を起こし、かえって将来の妊娠を妨げてしまうリスクがありました。当院では、電気メスを極力使わずに筋腫を剥がし取る「鈍的剥離(どんてきはくり)操作」を採用し、子宮筋層を温存しながら埋もれた筋腫まで安全かつ完全に摘出することを目指します。
② 今後ご妊娠を希望されない方:子宮内膜焼灼・切除の併用で「過多月経」を大幅改善
今後妊娠を希望されない方には、筋腫の摘出と同時に「子宮内膜焼灼・切除術(子宮内膜アブレーション)」を併用する治療を行っています。
過多月経の原因となる子宮内膜を処置することで、術後の経血量を劇的に減少させることができ、長年苦しんできた重度の貧血や過多月経の悩みを一度の低侵襲手術で根本から改善することが可能です。
「子宮鏡では難しい」と言われた方も、一度ご相談ください
* 「大きな筋腫だからお腹を切るしかないと言われた」
* 「子宮の壁に埋もれているから開腹手術が必要だと言われた」
* 「子宮全摘を勧められたが、できればお腹を切らずに過多月経を治したい」
* 「将来妊娠を希望しているため、子宮へのダメージを抑えたい」
このようなお悩みをお持ちの方も、当院の高度な子宮鏡手術であればお腹を切らずに安全に治療できる可能性があります。セカンドオピニオンを含め、どうぞお気軽にご相談ください。

