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粘膜下筋腫(粘膜下子宮筋腫)に対する高難度子宮鏡下子宮筋腫摘出術について

粘膜下子宮筋腫の疾患情報

子宮粘膜下筋腫は子宮の内腔に接した位置にある子宮筋腫です。多量の出血(過多月経)や不妊症の原因となることが多く、そのような場場合は治療が必要となります。

粘膜下子宮筋腫の検査

超音波、MRI、軟性鏡による子宮鏡検査、問診

粘膜下子宮筋腫の治療

子宮鏡下手術はいわば’胃カメラ’のように子宮の内腔に細いカメラを挿入し、子宮の内側から行う手術です。子宮鏡下手術ではお腹に傷を入れることなく子宮筋腫を摘出することができるため、入院は2-3日程度で済み術後の痛みもほとんどなく、体への負担がかなり少ない手術です。子宮鏡下手術では子宮に切り込まないで子宮筋腫を摘出することができるため、術後の避妊期間や次回妊娠時の帝王切開は必要ありません。一方で腹腔鏡手術や開腹手術だと子宮に傷が入るため術後半年間の避妊期間が必要となり、また分娩時の子宮破裂のリスクがあることより分娩が帝王切開となってしまいます。
日本産婦人科学会診療ガイドラインでは’子宮鏡手術を行うのは筋腫の大きさが3cmまでで、かつ筋腫の突出度が50%以上が推奨されるが、すぐれた術者ではその限りではない’とされています。当院では粘膜下筋腫において3cm以上、突出度50%以下でも子宮鏡での子宮筋腫摘出術を積極的に行っています。
子宮鏡下手術において、一般的には子宮筋腫を子宮内膜ごと電気メスで削りとる方法がとられますが、その方法だと子宮内膜が大きく傷つき術後の子宮腔内の癒着を生じたりして術後の妊娠をむしろ妨げてしまう可能性があります。また子宮筋腫を削り取る方法のみでは突出していない部分の筋腫をきれいに摘出することは難しく、子宮筋腫が残ってしまう可能性があります。当院ではなるべく電気メスで子宮を傷つけない術式(鈍的剥離操作)を行っており、子宮内膜の温存と完全な子宮筋腫の摘出に努めているため、大きく、突出度の低い子宮筋腫に対しても安全で効果的に子宮筋腫を子宮鏡下に摘出しています。他の施設で子宮鏡では難しいといわれた粘膜下筋腫でも、当院であれば子宮鏡による手術が可能な場合もあります。