• 中文
  • English


{

HOME  > 医療関係者の方へ  > 地域医療連携  > 連携NEWS  > 連携NEWS「脳神経外科・耳鼻科合同経鼻内視鏡治療」

連携NEWS「脳神経外科・耳鼻科合同経鼻内視鏡治療」

〜開頭腫瘍摘出術から内視鏡の小さな孔からの治療への移行〜

2022年2月25日公開

対象となる疾患

耳鼻科・脳神経外科合同による経鼻内視鏡治療の対象となる疾患は下垂体近傍の頭蓋底領域を中心に幅広く該当します。主な疾患としては下垂体に発生する下垂体腺腫が最も多く、それ以外の間脳・下垂体部分に発生する腫瘍性疾患がそれに続きます。

診療において認める症状

主な対象である下垂体腺腫は大きくふたつに分類され、ホルモン分泌能を有する機能性腺腫ではそれぞれの下垂体ホルモンの異常分泌に伴う症状で発症することがあります。またホルモン分泌能を有さない非機能性下垂体腺腫やそれ以外の疾患では腫瘍増大に伴う視野障害や下垂体ホルモン分泌障害・水頭症症状がきっかけになることが多くあります。図1のようにして視野障害は両耳側半盲を基本とする特徴的な所見を示します。

[図:視野検査で視神経・視交叉における影響で両側耳側視野障害が顕在化しています]


診療において行う検査

診察では上記のような特徴的な所見があるか確認し、ホルモン・電解質採血や画像:MRI・CT検査を行います。

[図の患者様の術後半年の造影MRIにおいて、トルコ鞍内にあった巨大な腫瘍が全て摘出され視野も回復し、外来で再発なく経過しております]


治療方針の策定

薬物療法、手術が基本として挙げられ、高齢者の方や日常生活自立度の低下している方の場合には定位放射線療法・経過観察も選択肢になります。
基本的にガイドラインに準拠する形で治療計画を進めていきます。手術治療として耳鼻科・脳神経外科合同
経鼻内視鏡治療を行なっております。脳腫瘍摘出治療においてda Vinciは当施設でも院内配備されておりますが十分な機械的精度・専用物品の開発が追いついていないと考えており、4KフルHD神経内視鏡での治療体制としております。上記の患者様も治療を行いまして半年後のMRI検査で正常下垂体は温存のうえで腫瘍が全て摘出されており、鼻腔・副鼻腔が綺麗に修復されていることが確認できます。

紹介する際の必要な情報や基準について

CT/MRIの画像検査で異常が認められる場合、それに起因する機能障害をきたしてしまっている可能性があります。詳しい検査を要しますので、まずは気兼ねなくご相談ください。

[写真:治療メンバーが一体となって治療にあたっております。]


注意点・フォローについて

既往歴・現在の内服状況や何か特徴的な所見があればご紹介の際にお教え頂ければ幸いです。フォローアップを頂く場合にはホルモン分泌障害:尿崩症・電解質異常、ホルモン不足がないか診察・採血採尿検査を行なっていって貰います。またCTやMRIのあるご施設では再発所見が無いか画像での追跡もお願いすることもあります。

逆紹介後のフォローアップで気を付けて欲しいこと

個々の症例で注意する点は異なりますので、逆紹介をお願いする際にその点について詳しくお伝えします。ホルモン分泌障害が残存した場合には尿崩症、ホルモン不足について、基本的には内服量やSick dayの対応について継続的に診ていただくようお願いいたします。再発の危険性がある場合には内服薬の調整も要するため、一定期間お預かりさせていただき、安定したところで診ていただくことが多いと思います。

診療チームからのメッセージ

下垂体近傍・頭蓋底病変への神経内視鏡治療において耳鼻科・脳神経外科が全症例にわたって協力するという全国的にも先進的な診療体制で治療にあたっております。治療成績は勿論、鼻腔・副鼻腔ついて重要な器官として術後の機能回復・温存の観点からも患者さんの満足度、横浜市民への医療貢献に役割を果たしたいと考えております。また内分泌機能については当施設受診当初より内分泌糖尿病科の医師にも介入してもらい、負荷試験やサンプリング検査を含む術前評価から周術期、術後と一貫してチームとして取り組んでおります。鼻腔・副鼻腔のケアについては専門家チームによる手術手技だけでなく、耳鼻科外来における術後機能温存、機能回復の診療に取り組んでおり本合同治療の大きな特徴となっております。
全国的にも先進的な取り組みですので一歩ずつ取り組みながら発展していきたいと思いますので、何卒お付き合いさせて頂ければと思います。

脳神経外科
中村 大志 医師

2008年 横浜市立大学医学部医学科 卒業
2008年 藤沢市民病院 初期研修
2010年 横浜市立大学附属病院 脳神経外科 後期研修
2011年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 後期研修
2012年 国家共済組合 平塚共済病院 脳神経外科 医員
2013年 国立がん研究センター研究所 脳腫瘍連携研究分野 研修生
2015年 横浜市立大学大学院医学研究科 脳神経外科 助教
2019年 チュービンゲン大学(ドイツ)脳神経外科 フェロー
    (日独脳神経外科学会交流事業 留学生)
2020年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 脳神経外科 助教


耳鼻咽喉科
桑原 達 医師

2010年 横浜市立大学医学部医学科 卒業
2010年 横浜労災病院 初期研修
2011年 横浜市立大学附属病院 初期研修
2012年 横浜市立大学附属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 後期研修
2013年 横浜栄共済病院 耳鼻咽喉科 後期研修
2015年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 耳鼻咽喉科 指導診療医
2016年 茅ヶ崎市立病院 耳鼻咽喉科 医長
2017年 横浜市立大学附属病院医学部医学研究科 博士課程
2021年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 耳鼻咽喉科 助教


耳鼻咽喉科
大氣 大和 医師

2015年 筑波大学附属病院 初期研修
2017年 横浜労災病院
2018年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 耳鼻咽喉科


ページトップへ