循環器・腎臓・高血圧内科学教室
小豆島 健護講師が、第47回日本高血圧学会総会において学術賞を受賞!
2025.11.06
- TOPICS
- 研究
生活習慣病の新規治療戦略としての組織レニン-アンジオテンシン系
横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 小豆島健護講師が、2025年10月17日(金)~10月19日(日)に東京日本橋KABUTO ONEと東京証券会館で開催された第47回日本高血圧学会総会において「日本高血圧学会 第15回学術賞」を受賞しました。また、受賞講演「組織レニン-アンジオテンシン系に着目した高血圧関連生活習慣病に対する新規治療戦略の確立」を行いました。日本高血圧学会 学術賞は、高血圧学の進歩に寄与する顕著な研究を発表し、将来発展の期待される研究者に対して授与される賞です。
写真中央:小豆島健護講師
受賞者
循環器・腎臓・高血圧内科学
小豆島 健護 講師
受賞内容
第47回日本高血圧学会総会
日本高血圧学会 第15回学術賞
受賞課題
組織レニン-アンジオテンシン系に着目した高血圧関連生活習慣病に対する新規治療戦略の確立
循環器・腎臓・高血圧内科学
小豆島 健護 講師
受賞内容
第47回日本高血圧学会総会
日本高血圧学会 第15回学術賞
受賞課題
組織レニン-アンジオテンシン系に着目した高血圧関連生活習慣病に対する新規治療戦略の確立
今回受賞した研究内容について小豆島講師に解説していただきました。
レニン-アンジオテンシン系(RAS)は血圧や体液バランスの恒常性を維持するうえで最も重要な内分泌系です。一般的に、血液中で作用する「循環RAS」が有名ですが、循環RASから独立して臓器局所で作用する「組織RAS」も知られています。私達の研究グループは、以前より組織RAS活性抑制因子であるAT1受容体関連蛋白(Angiotensin II type 1 receptor-associated protein)を用いて、さまざまな臓器における組織RAS活性の抑制が高血圧をはじめとする生活習慣病を改善することを報告してきました。そして最近は、これまで蓄積した組織RASに関する知見を皮膚組織にも拡大し、超高齢社会における生活習慣病克服のため、「皮膚組織RASを介した皮膚組織機能改善と臓器連関」を標的とした革新的治療戦略の創出を目指しています。その研究成果の一部として、皮膚組織RASの活性亢進が末梢血管の過剰収縮を介して高血圧の進展に寄与することを見出し、『Nature Communications誌』に報告しました(Nat Commun 16: 4789, 2025)。
【参考】2025年5月30日プレスリリース:「高血圧の新たな発症メカニズムを解明ー皮膚の微小血管収縮と血圧上昇の関係を明らかにー Nature Communicationsに掲載」
レニン-アンジオテンシン系(RAS)は血圧や体液バランスの恒常性を維持するうえで最も重要な内分泌系です。一般的に、血液中で作用する「循環RAS」が有名ですが、循環RASから独立して臓器局所で作用する「組織RAS」も知られています。私達の研究グループは、以前より組織RAS活性抑制因子であるAT1受容体関連蛋白(Angiotensin II type 1 receptor-associated protein)を用いて、さまざまな臓器における組織RAS活性の抑制が高血圧をはじめとする生活習慣病を改善することを報告してきました。そして最近は、これまで蓄積した組織RASに関する知見を皮膚組織にも拡大し、超高齢社会における生活習慣病克服のため、「皮膚組織RASを介した皮膚組織機能改善と臓器連関」を標的とした革新的治療戦略の創出を目指しています。その研究成果の一部として、皮膚組織RASの活性亢進が末梢血管の過剰収縮を介して高血圧の進展に寄与することを見出し、『Nature Communications誌』に報告しました(Nat Commun 16: 4789, 2025)。
【参考】2025年5月30日プレスリリース:「高血圧の新たな発症メカニズムを解明ー皮膚の微小血管収縮と血圧上昇の関係を明らかにー Nature Communicationsに掲載」
小豆島講師のコメント
このたびは、日本高血圧学会 第15回学術賞を賜り、誠に有難うございます。本賞は、私が尊敬する諸先生方が受賞されてきた大変栄誉ある賞であり、身に余る光栄と存じます。大学院生時代より多くのご指導をいただいてまいりました田村功一主任教授および涌井広道准教授には、この場を借りまして深く感謝申し上げます。これまでにRASに関する研究は世界中でやり尽くされてきた感もあり、既にさまざまなRAS阻害薬が開発され実臨床で多くの患者様の病態改善に貢献している状況ではあります。しかしながら、生物が進化の過程で獲得したRASは、やはり生体にとって必要不可欠な内分泌系であり、これまでの研究で見落とされた未知の部分がまだまだ存在し、その追究が重要な発見につながると信じております。このたびの受賞を励みにし、引き続き研究活動に精進してまいりたいと存じます。
このたびは、日本高血圧学会 第15回学術賞を賜り、誠に有難うございます。本賞は、私が尊敬する諸先生方が受賞されてきた大変栄誉ある賞であり、身に余る光栄と存じます。大学院生時代より多くのご指導をいただいてまいりました田村功一主任教授および涌井広道准教授には、この場を借りまして深く感謝申し上げます。これまでにRASに関する研究は世界中でやり尽くされてきた感もあり、既にさまざまなRAS阻害薬が開発され実臨床で多くの患者様の病態改善に貢献している状況ではあります。しかしながら、生物が進化の過程で獲得したRASは、やはり生体にとって必要不可欠な内分泌系であり、これまでの研究で見落とされた未知の部分がまだまだ存在し、その追究が重要な発見につながると信じております。このたびの受賞を励みにし、引き続き研究活動に精進してまいりたいと存じます。
田村功一主任教授・市民総合医療センター病院長のコメント
循環器・腎臓・高血圧内科学教室では、1853年黒船来航の横浜・神奈川の歴史に根ざす「門戸開放」、サイエンス・アカデミアの高みをめざす「研究重視」、 地域貢献重点の「患者第一」を理念としています。そして、私どもの教室のモットーは、『ともにめざそう! “心血管腎臓病”病態連関制御を通じた”From molecules to the whole body, and to the Society”実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出』です。また、私自身、医学研究科主任教授と附属市民総合医療センター病院長を兼務していることもあり、教室として医学研究科・国際マネジメント研究科・附属病院および附属市民総合医療センターが一体となっての研究・診療・教育・地域貢献を通じての優秀な医療人材の輩出にも力を入れています。今回、小豆島講師が本賞を受賞したことは、多くの大学院生と指導教員にとっても大きな励みになると思います。
循環器・腎臓・高血圧内科学教室では、1853年黒船来航の横浜・神奈川の歴史に根ざす「門戸開放」、サイエンス・アカデミアの高みをめざす「研究重視」、 地域貢献重点の「患者第一」を理念としています。そして、私どもの教室のモットーは、『ともにめざそう! “心血管腎臓病”病態連関制御を通じた”From molecules to the whole body, and to the Society”実現のための横浜・神奈川発のエビデンス創出』です。また、私自身、医学研究科主任教授と附属市民総合医療センター病院長を兼務していることもあり、教室として医学研究科・国際マネジメント研究科・附属病院および附属市民総合医療センターが一体となっての研究・診療・教育・地域貢献を通じての優秀な医療人材の輩出にも力を入れています。今回、小豆島講師が本賞を受賞したことは、多くの大学院生と指導教員にとっても大きな励みになると思います。




