大学院生 菊地 杏美香さんの論文が、Nature Communicationsに掲載!
2025.10.06
- TOPICS
- 学生の活躍
植物DNAメチル化酵素MET1の働きの可視化に成功
生命医科学研究科 博士後期課程2年(構造生物学研究室)の菊地 杏美香さんらの研究グループは、植物のDNAメチル化酵素MET1の構造の可視化に成功しました。その研究成果が、「Nature Communications」に掲載されました。

筆頭著者
生命医科学研究科 博士後期課程2年
菊地 杏美香さん
指導教員
生命医科学研究科 構造生物学研究室
有田 恭平 教授
論文タイトル
Cryo-EM Reveals Evolutionarily Conserved and Distinct Structural Features of Plant CG Maintenance Methyltransferase MET1
(日本語訳:クライオ電子顕微鏡が明らかにした植物DNAメチル化酵素MET1の植物独自の活性制御の構造基盤)
掲載雑誌
Nature Communications
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-025-63765-9
生命医科学研究科 博士後期課程2年
菊地 杏美香さん
指導教員
生命医科学研究科 構造生物学研究室
有田 恭平 教授
論文タイトル
Cryo-EM Reveals Evolutionarily Conserved and Distinct Structural Features of Plant CG Maintenance Methyltransferase MET1
(日本語訳:クライオ電子顕微鏡が明らかにした植物DNAメチル化酵素MET1の植物独自の活性制御の構造基盤)
掲載雑誌
Nature Communications
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-025-63765-9
論文内容
詳細はこちらをご覧ください。
2025年10月2日プレスリリース「植物DNAメチル化酵素MET1をクライオ電顕で可視化~動物とは異なる”植物ならでは”の仕組みを発見~」
WEBサイト: https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/20251002arita.html
菊地さんのコメント
今回の研究成果を論文として発表できることを、大変嬉しく思います。本研究は、修士課程で動物のDNAメチル化酵素DNMT1の活性化機構を解明した際、「他の生物のメチル化酵素はどうなっているのだろう?」という疑問がきっかけで始まったプロジェクトになります。動物と植物のDNAメチル化は同じ仕組みで働いていると長年考えられていましたが、実際にMET1の構造を見ることで、植物ならではの仕組みが存在することを発見しました。動物との違いを目の当たりにした瞬間、生物の中で起こる生命現象の緻密さに感動したとともに、研究はやっぱり面白い! と改めて実感しました。
博士課程に進学し、「なぜ?」という自らの問いに立ち向かい、答えを切り開く力を養うことができたと感じています。自分で研究計画を立てて進める中では、予想通りにいかないことも多くありました。しかし、試行錯誤を重ねた結果、誰も見たことのない新しい発見に自らの力でたどり着けたときの喜びは、何にも代えがたいものでした。今後もこの探究心を大切にし、さらに面白い発見につなげていきたいと思います。
最後に、本研究の遂行にあたり、有田研の皆様、共同研究者の先生方にお世話になりました。ご支援くださった皆様に深く感謝申し上げます。
指導教員 有田 恭平教授のコメント
菊地さんは修士1年生の時に、動物のメチル化酵素DNMT1の活性化機構を明らかにして、その研究成果がNature Communicationsに掲載されました。今回の研究では、未開拓だった植物のメチル化酵素MET1に着目しました。研究開始当初は、動物と植物のメチル化酵素は似たような仕組みで働いているだろう、と多くの研究者が考えており、実際我々もそう予想していました。
ところが、実際に研究を行ってMET1の構造を詳細に解析してみると、動物とは異なる独自のメカニズムが次々に見えてきました。近年は、生成AIで様々なことが予測できるようになってきましたが、科学の世界では、地道に実験を積み重ね、得られたデータを丁寧に解析することが、新しい発見につながることが多々あります。「タイパ」を考えるのもいいですが、苦労したからこそ得られる研究の喜びを、多くの学生さんにもぜひ経験してほしいと思います。
菊地さんには、横浜市大の後輩学生によってよいロールモデルとなり、今後さらに活躍してくれることを期待しています。論文掲載、ほんとうにおめでとうございました!
詳細はこちらをご覧ください。
2025年10月2日プレスリリース「植物DNAメチル化酵素MET1をクライオ電顕で可視化~動物とは異なる”植物ならでは”の仕組みを発見~」
WEBサイト: https://www.yokohama-cu.ac.jp/res-portal/news/20251002arita.html
菊地さんのコメント
今回の研究成果を論文として発表できることを、大変嬉しく思います。本研究は、修士課程で動物のDNAメチル化酵素DNMT1の活性化機構を解明した際、「他の生物のメチル化酵素はどうなっているのだろう?」という疑問がきっかけで始まったプロジェクトになります。動物と植物のDNAメチル化は同じ仕組みで働いていると長年考えられていましたが、実際にMET1の構造を見ることで、植物ならではの仕組みが存在することを発見しました。動物との違いを目の当たりにした瞬間、生物の中で起こる生命現象の緻密さに感動したとともに、研究はやっぱり面白い! と改めて実感しました。
博士課程に進学し、「なぜ?」という自らの問いに立ち向かい、答えを切り開く力を養うことができたと感じています。自分で研究計画を立てて進める中では、予想通りにいかないことも多くありました。しかし、試行錯誤を重ねた結果、誰も見たことのない新しい発見に自らの力でたどり着けたときの喜びは、何にも代えがたいものでした。今後もこの探究心を大切にし、さらに面白い発見につなげていきたいと思います。
最後に、本研究の遂行にあたり、有田研の皆様、共同研究者の先生方にお世話になりました。ご支援くださった皆様に深く感謝申し上げます。
指導教員 有田 恭平教授のコメント
菊地さんは修士1年生の時に、動物のメチル化酵素DNMT1の活性化機構を明らかにして、その研究成果がNature Communicationsに掲載されました。今回の研究では、未開拓だった植物のメチル化酵素MET1に着目しました。研究開始当初は、動物と植物のメチル化酵素は似たような仕組みで働いているだろう、と多くの研究者が考えており、実際我々もそう予想していました。
ところが、実際に研究を行ってMET1の構造を詳細に解析してみると、動物とは異なる独自のメカニズムが次々に見えてきました。近年は、生成AIで様々なことが予測できるようになってきましたが、科学の世界では、地道に実験を積み重ね、得られたデータを丁寧に解析することが、新しい発見につながることが多々あります。「タイパ」を考えるのもいいですが、苦労したからこそ得られる研究の喜びを、多くの学生さんにもぜひ経験してほしいと思います。
菊地さんには、横浜市大の後輩学生によってよいロールモデルとなり、今後さらに活躍してくれることを期待しています。論文掲載、ほんとうにおめでとうございました!