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【開催報告】世界銀行 副総裁兼官房長による講演会を開催しました

2025.07.11
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2025 年8月に横浜で開催される「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」を記念し、横浜市立大学は世界銀行と連携のもと、6月18日(水)に世界銀行副総裁兼官房長のマーシー・テンボン氏(アフリカ・カメルーン出身)をお招きし、金沢八景キャンパスにて講演会を開催しました。国際開発支援の最前線に立つテンボン氏から、「居住可能な地球で貧困のない世界をつくる」 というテーマのもと、世界銀行のミッションや日本の国際的な関与について幅広くお話を伺いました。
マーシー・テンボン氏による講演会の様子
【講演会概要】
日 時:2025年6月18日(水)14:30~16:00
会 場:金沢八景キャンパス カメリアホール
テーマ:「居住可能な地球で貧困のない世界をつくる」
講演者:マーシー・テンボン氏(世界銀行 副総裁兼官房長)
モデレーター:上村 雄彦うえむら たけひこ 教授(国際教養学部)

世界銀行は1944年に設立され、「貧困のない世界」を目指して国際協力を推進しています。現在は、気候変動対策、食料安全保障、デジタルインフラ整備、教育支援、さらには紛争下の国々への水や食料の確保や復興支援、そして所得分布の下位40%の経済成長促進など、幅広い分野での支援に取り組んでいます。講演では、こうした活動内容が熱意を込めて語られました。

また、日本が1952年に世界銀行に加盟して以降、戦後のインフラ整備に世界銀行の融資が大きな役割を果たしたこと、そして1990年に全額返済を完了して以降は、技術的知見を活かして国際的な貢献をしていることについても力強く説明されました。
講演後に質問する学生
講演当日は、学生・教職員あわせて約250名が聴講し、講演後の質疑応答も活発に行われました。将来、国際開発の分野に進みたいと考える学生たちにとっては、国際社会の第一線で活躍する方の考えを直接聞く、非常に貴重な機会となりました。
「国際協力にどう関わればよいか」という質問に対して、テンボン氏は「今学んでいることが将来の土台になる」と強調し、大学院進学やキャリア形成を通じて専門性を高めることがチャンスにつながると語りました。また、研究と実践の違いに関する質問には、「実際の現場では教科書どおりにいかない。経済の問題と思っていたことが、実は社会問題だったと気づくこともある」と助言がありました。
さらに「日本は財政状況が厳しい中でも国際支援は可能か」という問いに対しては、「もちろん可能です。借金とは投資であり、時間はかかっても必ずリターンがある。助け合いの精神こそが大切です」と自信を持って説明されました。

当日は、複数のメディア関係者も取材に訪れ、その様子は当日夕方のニュース番組でも報道されました。
関連情報
アフリカ開発会議(TICAD)について
TICAD(Tokyo International Conference on African Developmentアフリカ開発会議)は、アフリカの開発支援を目的に、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行と共同で開催する国際会議です。1993年に初めて開催され、第9回目となるTICAD9は、2025年8月に横浜で開催します。

世界銀行について
世界最大級の国際開発金融機関であり、居住可能な地球での貧困撲滅と繁栄の共有の促進を使命としています。140以上の拠点に180を超える国籍の職員が在籍し、途上国政府に対して融資、技術協力、政策助言などを行っています。
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