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未来のリーダーを育む—「Global Human Resource Development」講義と学生プロジェクトの挑戦

2025.04.22
  • TOPICS
  • 国際商学部
-社会課題に挑む次世代リーダーの育成-
国際商学部 小泉大輔准教授が担当する「Global Human Resource Development」は、単なる知識の習得にとどまらず、実践を通じてリーダーシップを開発・トレーニングすることを目的とした講義です。学生たちは企業と連携しながら、課題解決にチームで取り組むことで、主体性と実行力を磨きます。
2024年度はアステラス製薬株式会社と協力し、製薬業界が抱える重要な社会的課題である「ドラッグ・ラグ」「ドラッグ・ロス」「革新的医療」についてのアドボカシー戦略の立案と実践に挑戦しました。学生たちは、単なる理論学習ではなく、実社会の課題に向き合い、解決策を模索する貴重な経験を積みました。
小泉先生(左前列)、企画に参加した学生たち(国際商学部3年)とアステラス製薬の社員(後列右2名)
アステラス製薬と連携した学生プロジェクトの概要
「ドラッグ・ラグ」「ドラッグ・ロス」とは?
近年、欧米で承認された医薬品が日本で使用可能になるまでに時間差が生じる「ドラッグ・ラグ」、さらには日本での承認の見通しが立たず、必要な人に必要な医療が届かない「ドラッグ・ロス」が深刻な課題となっています。しかし、この現状は一般にはあまり知られていません。
アステラス製薬はこの課題に対し、社会的な理解を促進し、世論形成や政策立案につなげるアドボカシー活動を推進しています。その一環として、大学のリーダーシップ開発に関する講義に参画し、学生たちにドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの問題を考えさせる機会を提供しました。
新入生交流会の様子
講義を超えた学生の自主的な取り組み—プロジェクトの実践へ
講義での学びを通じ、受講生の一部は自主的にチームを結成し、企業に対して提案したプロジェクトを実際に社会で実践する段階へと進みました。2024年9月2日には、アステラス製薬本社で学生の発表会と同企業社員とのディスカッションが行われました。課題として「ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスの現状を踏まえ、医療課題や革新的医薬に対する横浜市における認知向上のために、どのような機会や場で、誰に何をどのように伝えるか」を設定し、学生たちが16チームに分かれて提案を競いました。最終的に選抜された2チームが発表を行いました。半年間にわたり関係各所と調整を重ね、2025年3月30日に行われた「新入生交流会」にて、学生自身が企画したプロジェクトを発表しました。
企業が高評価した提案の紹介
医療課題に対する若い世代の認知度を高めるため、アクティブラーニングの手法を用いたイベントを提案しました。具体的には、新入生交流会の機会を活用し、学生にはあまりなじみがない医療課題について、楽しみながら学べる企画を実施しました。

講義を受けた学生のコメント
今回は学生11人で協力し、プロジェクトを進める経験をしました。企画チーム以外の有志メンバーも積極的に関わり、それぞれがリーダーシップを発揮できたことが印象に残っています。そしてアステラス製薬の方々からフィードバックをいただき、新たな視点を得ることができました。文系学生にも医療課題を伝えるために試行錯誤する中で、「ドラッグ・ラグ」や「ドラッグ・ロス」への理解も深まったと感じています。
イベント当日は、新入生が楽しそうに学ぶ姿を見ることができ、達成感を得ました。最後までやり切ることができて、嬉しかったです!

小泉先生のコメント
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉がありますが、その言葉の通り、講義内で発表した企画を、大学内の関係部署や教員、クライアント企業に提案し、調整を重ねながら実現至った行動力は、より高次のリーダーシップを発揮した結果と言えるでしょう。

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https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00015/091300061/
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