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データサイエンス学部 三ッ森大輔さんが、「情報処理学会第87回全国大会」で学生奨励賞を受賞!

2025.04.18
  • TOPICS
  • 学生の活躍
  • データサイエンス学部

公共交通アクセシビリティ指標(SDG11.2.1)に基づく地域特性の網羅的な比較分析を実行

データサイエンス学部4年の三ッ森大輔さん(佐藤彰洋研究室所属)が、2025年3月13日~15日に立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催された「情報処理学会第87回全国大会」において、「公共交通アクセシビリティ指標(SDG11.2.1)に基づく地域特性の比較分析」について発表し、学生奨励賞を受賞しました。
受賞者
データサイエンス学部 4年(受賞当時)
三ッ森 大輔みつもり  だいすけさん

指導教員
データサイエンス学部 
佐藤 彰洋教授(情報科学)

受賞内容
情報処理学会第87回全国大会
学生奨励賞

発表題目
公共交通アクセシビリティ指標(SDG11.2.1)に基づく地域特性の比較分析
今回の発表内容について三ッ森大輔さんに解説していただきました。
現在、日本の高齢化率は上昇を続けており、将来的に移動手段の確保が困難となる人が増えることが予想されています。そのため公共交通機関の役割は、ますます重要になっていくと考えられています。本研究では、日本の公共交通アクセスの現実を網羅的に把握するため、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール11に定められたindicator11.2.1「公共交通機関へ容易にアクセスできる人口の割合(公共交通アクセシビリティ指標)」に着目しました。この指標を算出するために、公的オープンデータを活用し、国土交通省の国土数値情報(鉄道駅・バス停の位置情報)と総務省統計局の国勢調査メッシュ統計を組み合わせた計算方式を開発しました。2010年と2020年のデータを用いて、日本全国47都道府県・1,908市区町村における指標値を算出し、網羅的な比較分析を実施しました。その結果、2010年と比較して2020年の全国平均はIndicator11.2.1の値が低下していることを確認しました。また、指標値による定量的な分析だけでなく、メッシュマップを用いた可視化を通じて、視覚的にも地域ごとの特徴を把握できるWebアプリケーションを開発しました。研究室で開発するメッシュ統計基盤「MESHSTATS for Research*1」上に実装しています。
図:公共交通アクセシビリティ指標を用いた地域分類アプリケーション画面図
三ッ森 大輔さんのコメント
卒業研究として1年間取り組んできた努力が、このような賞を受賞する形で評価されたことを大変嬉しく思います。ここまで多大なるご指導を頂いた佐藤彰洋教授に、心から感謝しております。また、研究室の仲間たちにも、さまざまなアドバイスやサポートをいただき、本当にありがとうございました。これからも佐藤先生のもとで、研究活動に励んでいきたいと思います。

指導教員 佐藤 彰洋 教授のコメント
今回受賞した公共交通アクセシビリティ指標(SDG11.2.1)は三ッ森大輔君がデータサイエンス学部の卒業研究テーマとして1年間取り組んできた成果です。研究室で開発をするメッシュ統計データ基盤「MESHSTATS for Research」上に搭載した総務省統計局国勢調査人口メッシュ統計と国土交通省国土政策局国土情報課国土数値情報をAPI経由で統合。データ検索と指標計算を瞬時に実行できるようデータ構造と計算方法を工夫しています。日本全国1,908市区町村について、国内外で初めて網羅的な計算を行い、SDG11.2.1指標値を算出した研究成果を含みます。SDG11.2.1は、発表時点で日本国政府として公式な値が公表できていないSDGs指標のひとつであり、その値について詳細かつ網羅的な計算値の導出が求められていました。本研究により、公共交通の地域ごとの需給バランスの違いを定量的に理解できる基盤が構築されたことは、極めて重要な意義を持ちます。今後、高齢化率が上昇していく我が国における公共交通政策に対して、データに基づく政策意思決定(EBPMエビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)を行う上でも重要な指標となっていくことが期待できる発展的な研究内容です。
用語説明
*1 MESHSTATS for Research
メッシュ統計など各種データの利活用を容易とするデータ基盤。日本産業規格地域メッシュコード JISX0410の独自世界拡張である世界メッシュコードに基づき、全世界を矩形領域に分割したメッシュ統計データを利活用できる種々の要素技術を提供するクラウド型サービス。
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