データサイエンス学部 小林潤之介さんが「情報処理学会第87回全国大会」で学生奨励賞を受賞!
2025.04.18
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高卒新卒採用容易性の定量化と混合ポアソン回帰による重力モデルを用いた推薦システムの提案
データサイエンス学部4年の小林潤之介さん(佐藤彰洋研究室所属)が、2025年3月13日~15日に立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催された「情報処理学会第87回全国大会」において、「高卒新卒人材の空間特性を定量化する指標の開発とその意思決定への利用の試み」を発表し、学生奨励賞を受賞しました。

受賞者
データサイエンス学部4年生(受賞当時)
小林 潤之介さん
指導教員
データサイエンス学部
佐藤 彰洋教授(情報科学)
受賞内容
情報処理学会第87回全国大会
学生奨励賞
発表題目
高卒新卒人材の空間特性を定量化する指標の開発とその意思決定への利用の試み
データサイエンス学部4年生(受賞当時)
小林 潤之介さん
指導教員
データサイエンス学部
佐藤 彰洋教授(情報科学)
受賞内容
情報処理学会第87回全国大会
学生奨励賞
発表題目
高卒新卒人材の空間特性を定量化する指標の開発とその意思決定への利用の試み
今回の発表内容について小林潤之介さんに解説していただきました。
この研究では、企業の採用担当者がオープンデータと企業内の人事データを活用し、より効果的な意思決定を行える仕組みを開発することを目的としています。具体的には、高卒新卒採用を行う企業を想定し、高校卒業者の就職動向を分析し、採用しやすい地域を特定するとともに、採用数をより正確に予測できるモデルを構築しました。この研究により、高卒新卒者の採用容易性を数値で示す指標を算出し、さらに、任意の地域と距離を設定して周辺の就職者数をインタラクティブに集計できるWebデータアプリケーションを開発しました。
地図を用いた可視化の結果、大都市周辺では高卒人材の獲得が比較的容易であることが明らかになりました。また、採用のしやすさは半径50km以内にある最も大きな都市の影響を受けることも示されました。
さらに、ポアソン混合モデル*1という手法を用いて、採用数と距離を説明変数として高校を採用度合いで分類する方法を提案しました。加えて、採用のポテンシャルがある高校を、予測モデルを用いて推薦することを行いました。今後は実環境でこの指標の有効性を評価することが課題となります。
この研究では、企業の採用担当者がオープンデータと企業内の人事データを活用し、より効果的な意思決定を行える仕組みを開発することを目的としています。具体的には、高卒新卒採用を行う企業を想定し、高校卒業者の就職動向を分析し、採用しやすい地域を特定するとともに、採用数をより正確に予測できるモデルを構築しました。この研究により、高卒新卒者の採用容易性を数値で示す指標を算出し、さらに、任意の地域と距離を設定して周辺の就職者数をインタラクティブに集計できるWebデータアプリケーションを開発しました。
地図を用いた可視化の結果、大都市周辺では高卒人材の獲得が比較的容易であることが明らかになりました。また、採用のしやすさは半径50km以内にある最も大きな都市の影響を受けることも示されました。
さらに、ポアソン混合モデル*1という手法を用いて、採用数と距離を説明変数として高校を採用度合いで分類する方法を提案しました。加えて、採用のポテンシャルがある高校を、予測モデルを用いて推薦することを行いました。今後は実環境でこの指標の有効性を評価することが課題となります。


ー作成した指標の抜粋

小林 潤之介さんのコメント
今回このような賞をいただき、大変光栄に思います。研究を進める中で、データを活用した価値創造の難しさと楽しさを実感し、貴重な経験を得ることができました。1年間の研究を通じて成長し、このような結果を残せたのは、佐藤先生のご指導、そして研究室の皆さんと切磋琢磨してきたおかげです。
今回このような賞をいただき、大変光栄に思います。研究を進める中で、データを活用した価値創造の難しさと楽しさを実感し、貴重な経験を得ることができました。1年間の研究を通じて成長し、このような結果を残せたのは、佐藤先生のご指導、そして研究室の皆さんと切磋琢磨してきたおかげです。
指導教員 佐藤 彰洋 教授のコメント
今回受賞した小林さんは、データサイエンス学部の卒業研究テーマとして、高卒新卒人材の空間特性を考慮した定量化指標の開発と混合重力モデルの活用に1年間取り組んできました。経済産業省職業安定局が公開する全国約12,000校の高等学校便覧から性別ごとの卒業者数と就職者数に関するデータを集計し、MESHSTATS for Research*2を用いた採用容易性指標を可視化できるアプリケーションソフトウェアの開発をしました。このアプリケーションを利用することで、日本国内における任意の場所で採用容易性を把握することが可能です。また、協力企業から提供を受けた従業員データと組み合わせることで、高卒新卒採用数を重力モデルとして算出する方法を実証しました。本研究では、企業人事担当者へのインタビューも行い、実データを用いた問題解決を試みています。データ収集、分析、モデリング、計算、解釈といったデータサイエンス分野の複合的能力が発揮された優れた研究であり、今後のさらなる発展が期待できます。
今回受賞した小林さんは、データサイエンス学部の卒業研究テーマとして、高卒新卒人材の空間特性を考慮した定量化指標の開発と混合重力モデルの活用に1年間取り組んできました。経済産業省職業安定局が公開する全国約12,000校の高等学校便覧から性別ごとの卒業者数と就職者数に関するデータを集計し、MESHSTATS for Research*2を用いた採用容易性指標を可視化できるアプリケーションソフトウェアの開発をしました。このアプリケーションを利用することで、日本国内における任意の場所で採用容易性を把握することが可能です。また、協力企業から提供を受けた従業員データと組み合わせることで、高卒新卒採用数を重力モデルとして算出する方法を実証しました。本研究では、企業人事担当者へのインタビューも行い、実データを用いた問題解決を試みています。データ収集、分析、モデリング、計算、解釈といったデータサイエンス分野の複合的能力が発揮された優れた研究であり、今後のさらなる発展が期待できます。
用語説明
*1 ポアソン混合モデル:
複数のポアソン分布を組み合わせ、異なるグループのデータを説明するモデル。各グループの特性に応じた発生頻度(例: 採用数など)を表現することができる。
*2 MESHSTATS for Research:
メッシュ統計など各種データの利活用を容易とするデータ基盤。日本産業規格地域メッシュコード JISX0410の独自世界拡張である世界メッシュコードに基づき、全世界を矩形領域に分割したメッシュ統計データを利活用できる種々の要素技術を提供するクラウド型サービス。
*1 ポアソン混合モデル:
複数のポアソン分布を組み合わせ、異なるグループのデータを説明するモデル。各グループの特性に応じた発生頻度(例: 採用数など)を表現することができる。
*2 MESHSTATS for Research:
メッシュ統計など各種データの利活用を容易とするデータ基盤。日本産業規格地域メッシュコード JISX0410の独自世界拡張である世界メッシュコードに基づき、全世界を矩形領域に分割したメッシュ統計データを利活用できる種々の要素技術を提供するクラウド型サービス。