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データサイエンス学部の佐藤彰洋教授・金海英さん・正治咲良さんが、公共交通オープンデータチャレンジ2024で準最優秀賞を受賞!

2025.03.26
  • TOPICS
  • 学生の活躍
  • データサイエンス学部

踏切の閉鎖状態を推測するデータアプリケーション「RailroadCrossFree」を開発

データサイエンス学部の佐藤彰洋教授・金海英さん・正治咲良さんが、2025年2月15日に東洋大学赤羽キャンパスで開催された公共交通オープンデータチャレンジ2024発表会・表彰式において、「RailroadCrossFree*1」について発表し、準最優秀賞を受賞しました。

受賞者
データサイエンス学部
佐藤彰洋さとう あきひろ 教授 (情報科学)

データサイエンス学部 データサイエンス学科3年
金 海英きん かいえい さん
正治 咲良しょうじ さくら さん
発表中の正治さん(手前)と金さん(奥)
発表中の金さん(右)と正治さん
準最優秀賞の表彰状
受賞内容
公共交通オープンデータチャレンジ2024
準最優秀賞


発表題目
「RailroadCrossFree」
今回の発表内容について金さん・正治さんに解説していただきました。
私たちが 開発したアプリ「RailroadCrossFree」は、踏切の開閉状況をリアルタイムで可視化するアプリです。 日常生活で踏切待ち時間に課題を感じている方々を対象として開発しました。
このアプリの開発には、研究室で運用している「MESHSTATS for Research*2」の基盤技術を活用しました。また、一般社団法人公共交通オープンデータ協議会が提供する京急電鉄本線の列車ロケーション情報と、私たちの研究室が独自に地図情報から作成した踏切位置情報を組み合わせ、踏切の開閉状況をより正確に予測できるようにしました。

「RailroadCrossFree」の主な機能
1. 踏切の開閉可視化機能:ユーザーがアプリ上で踏切名称から任意の踏切を選択すると、その踏切の開放確率 が色分け表示されます。直感的に待ち時間を把握できるため、効率的な移動が可能になります。(図1)

2.電車の位置と本数の可視化機能 :全体・上り・下り の3つのグラフを用いて、現在どこに何
両の電車があるかをリアルタイムで表示します。(図2)

3.踏切データの記録表への表示機能 :開放確率の変化を時間ごとに記録し、過去のデータをもとに踏切の開閉パターンを分析できる表を提供します。これにより、利用者は時間帯ごとの踏切の開閉傾向を把握しやすくなります。(図3)

このアプリを活用することで、踏切の待ち時間を減らし、より快適な移動が可能になります。
図1 RailroadCrossFreeの踏切開閉確率の出力画面
図2 RailroadCrossFreeの電車位置と本数の可視化出力画面
図3 RailroadCrossFreeの踏切データの記録表への表示出力画面
受賞者のコメント

金 海英さんのコメント
この度、準最優秀賞を受賞することができ、大変光栄に思います。私たちは、テーマの選定からアプリの開発、精度の検証に至るまで、限られた時間の中で試行錯誤を重ねてきました。 締め切りまでわずか2か月という短期間の中で、ゼロからJavaScriptを学び、踏切の実地調査を行いながら、アプリのアルゴリズムを改良し続けました。その過程で、佐藤先生のご指導をはじめ、研究室の皆さんから貴重なアドバイスをいただきました。心より感謝申し上げます。今回の貴重な経験を、今後の卒業研究にも活かしていきたいと考えています。

正治 咲良さんのコメント
この度、準最優秀賞を受賞できたことを、大変嬉しく思います。今回の「踏切の開閉予測」というアイデアは、通学時に金沢八景キャンパス前の踏切で長い行列ができているのを目にしたことがきっかけでした。このようなアプリ開発に取り組むのは初めてで、苦労した部分も多くありましたが、 佐藤先生のサポートや、研究室の皆さんのアドバイスのおかげでアプリとして機能するものを作成することができました。今回の取り組みを通じて得た新たな知見を活かし、今後はより便利なサービスを目指して研究に進めていきたいと考えています。
指導教員 佐藤 彰洋教授のコメント
このアプリは、データサイエンス学部3年生専門領域演習II(必修科目)の一環として、研究室内でのゼミ活動として2人一組で取り組むデータハッカソンの活動を通じて開発されました。本科目は、調査内容に基づき自らが作成したコンピュータプログラムを用いて追試を行い、データ解析の能力(分析力、表現力、論理的思考)と計算機を操作する能力を身に付けることを学習目標と設定しています。テーマ選定、データ分析、アルゴリズム構築をチームで進めながら、データサイエンスの手法やデータの扱い方、プロジェクト工程管理の修得を目指しています。「RailroadCrossFree」は、データの基礎分析、データ加工、ソフトウェア設計後、研究室で開発・運用している世界メッシュ統計データ利活用基盤「MESHSTATS for Research」の要素技術を活用しながら開発を行いました。データ分析やインサイトの発見、踏切開閉状態の現場観察研究などを金さん、正治さんが分担し、私はMESHSTATS for Research上でのソフトウェア設計と主要部分のコーディングを分担しました。ソフトウェアの開発がどのようになされるかについて、実課題を通じて学修することを目指しました。今回、公共交通オープンデータチャレンジ2024において準最優秀賞を受賞できたことは、金さん、正治さんのチームプレーと創意工夫の成果です。この受賞を励みに 、お二人が益々データサイエンスの分野で成長し、活躍されることを期待しています。
用語説明
*1 RailroadCrossFree:京急線の踏切開閉の状態をリアルタイムで可視化できるアプリとしてMESHSTATS for Researchのウェブサイトにて無料で公開中。

*2 MESHSTATS for Research:メッシュ統計など各種データの利活用を容易とするデータ基盤。日本標準規格地域メッシュコード JISX0410の独自世界拡張である世界メッシュコードに基づき、全世界を矩形領域に分割したメッシュ統計データを利活用できる種々の要素技術を提供するクラウド型サービス。
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