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令和5年度 横浜市立大学入学式  学長式辞

2023.04.13
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令和5年度 横浜市立大学入学式  学長式辞

本日は、ご入学おめでとうございます。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これまで新入生を支えてこられたご家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。
また、山中竹春横浜市長はじめ多数のご来賓におかれましては、ご多忙にもかかわらずご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
新入生の門出をご来賓の方々がともに祝福してくださいますことは、これからの学生生活を送るうえでの大きな励みとなることと存じます。

新入生の皆さんは、高校生活の3年間、新型コロナウイルス感染症の波が何度も押し寄せる中で様々な制約を受けながら、勉学に励まれたことと思います。それに加えてウイルスの流行と受験の時期が重なり、不安な気持ちと戦ってきたことと思います。これらの困難を乗り越え、本学に入学された皆さんを、心から歓迎します。

さて、横浜市立大学の歴史は古く、今年は横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立95周年を迎え、2028年には創立100周年を迎えます。創立後は、時代の要請に応えながら学部・研究科の新設・再編を進め、国際都市横浜と共に発展してきました。また、附属病院は、その始まりである横浜仮病院開設から数えて、今年は152年となります。

横浜仮病院は、1874年には十全病院と改名して、コレラや天然痘などの輸入感染症の拡大阻止に大きな役割を果たしました。その後も新興感染症への対応はもとより、最後の砦として市民の健康を支えています。現在は附属病院、附属市民総合医療センター、医学部が、高度医療と先進的な医学研究に全力を注いでいます。このように、本学は国際的商業都市である横浜の地で多くの人材を輩出しながら地域経済・社会を支え、一方で市民の健康を守るという伝統を受け継ぎ、総合大学として歩んできました。

さて、本学には、「国際都市横浜と共に歩み、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことをその使命とし、社会の発展に寄与する市民の誇りとなる大学を目指す。」というYCUミッションがあります。このミッションのもと、教育では豊かな教養とグローバルな視野、そして高い専門性を身につけることにより、社会の発展に貢献できる人材の育成を目指しています。また、研究では先端的な研究を通じてイノベーションを創出し、よりよい社会の実現に貢献することを目指しています。

国際教養学部、国際商学部、理学部、データサイエンス学部に入学した皆さんは、文系理系を問わず広く学び、多様性への理解を深め、そしてそれを基盤に、それぞれの専門領域について学びます。
その過程において、コミュニケーション力を身につけるとともに、自ら問題を発見し、その解決策を模索してください。また、自分が身につけたいものは何か、自分が研究・開発したいものは何かを真剣に考え、能動的に学んで下さい。海外留学やオンラインでの海外の学生との交流など、様々な形での国際交流も、ぜひ経験してほしいと思います。 

医学部に入学した皆さんは、二年目からは、福浦キャンパスで医学、看護学を学びます。講義と実習に加えて、医学科では数ヶ月にわたり学内や国内外の研究室で研究するリサーチクラークシップが用意されています。そこでは、研究の面白さ、生命の素晴らしさを体験して下さい。また、よき医療者には、人を思いやる心と、様々な価値観を理解しようとする姿勢が必要です。患者さん一人一人の人生において最良の選択肢を一緒に考えられる医師、看護師を目指して学生生活を送ってほしいと思います。

大学院に入学した皆さんは、それぞれの分野で独自性を発揮した研究を推進して下さい。研究の醍醐味は、好奇心の赴くままに真理を明らかにし、それが社会の課題解決や発展に繋がることです。皆さんには、高い目標をもって、世界水準の研究を進めてほしいと思います。

一方、世界は新興感染症との共存に加え、気候変動に伴う災害の多発、海洋汚染、エネルギー問題、人権問題、そして他国への軍事侵攻など、多くのグローバルな問題を抱え、それらへの対応を迫られています。また、人工知能をはじめとする技術革新に伴う社会の加速度的な変化は、今後もとどまることはないでしょう。そのような時代に若者に期待されるのは、チャレンジ精神をもち、主体的に活動することにより、時代の新たな展開に参画することです。そのためにも、学生時代には好奇心を大切にし、積極的に学び、様々なことにチャレンジすることを望みます。その過程では、失敗をすることもあるかもしれません。しかし、努力した上での失敗体験は、皆さんのその後の人生にきっと多くのものを与えてくれます。また、その過程で多くの人と関わることは、人の心を理解し、人と協力して何かを進めるために必要な「共感力」や「洞察(どうさつ)力」を養うことにも繋がります。それらは、将来、皆さんが社会にでたときに、皆さんを助ける大きな力となると信じます。

これまで述べてきましたように、本学は、地域社会はもとより世界に貢献する人材の育成と、社会の発展に寄与する研究の推進を目指しています。皆さんが、これから本学で学ぶ過程で、知識と共に、未来を切り拓くための逞しさと豊かな感受性を身につけることを願っています。

最後に、皆さんが本学で友人や教職員と共に、人生において忘れがたい、すばらしい時間を過ごされますことを祈念して、私の式辞と致します。

令和5年4月5日
横浜市立大学
学長 相原 道子
 

令和5年度 横浜市立大学入学式を挙行しました。

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