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柴田ゼミ(国際商学部)が第62回インナー大会において優秀賞を受賞

2023.02.03
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  • 国際商学部

横浜中華街との取り組みで、プレゼンテーション部門で優秀賞を受賞

国際商学部 柴田ゼミの伊林彩里(いばやし あやり)さん・徳増伶太(とくます りょうた)さん・藤田佳紗希(ふじた かさね)さん・藤田ののか(ふじた ののか)さんのチームが日本学生経済ゼミナール関東部会主催の第62回インナー大会(プレゼンテーション部門)において優秀賞を受賞しました。
審査員長を務めた実践女子大学 深澤晶久教授(右から2番目)及び実行員会プレゼン局長を務めた東洋大学 梶間将大さん(右)と今回受賞した柴田ゼミメンバー
インナー大会(日本学生経済ゼミナール関東部会主催)とは、大学生同士の交流を深めることを目的に1960年に設立され、現在は1,000人超の学生が参加する、関東最大級規模の学術発表会です。
経済・経営・商業系を専攻する学生を対象としており、「討論部門」と「プレゼンテーション部門」の2部門で構成され、今年度の第62回大会のプレゼンテーション部門には、119チームが参加しました。その中より予選を勝ち抜いた12チームが本選へ出場し、2022年11月13日(日)に東洋大学白山キャンパスにて行われた本選にて、横浜市立大学 国際商学部 柴田ゼミの横浜中華街チーム(パオズ)が優秀賞を受賞しました。

受賞内容

チーム名:横浜市立大学 柴田ゼミ パオズ
メンバー:伊林彩里さん・徳増伶太さん・藤田佳紗希さん・藤田ののかさん(3年生)
指導教員:国際商学部 柴田典子准教授

テーマ: 横浜中華街らしさを活かした持続可能で未来につながるファンづくり

受賞したパオズのメンバーに話を伺いました。

Q.発表内容を教えてください。

私たちは、マーケティングとブランド構築の観点から、「横浜中華街らしさを活かした持続可能で未来に繋がるファンづくり」をテーマとして、横浜中華街の商業活動を取りまとめる横浜中華街発展会協同組合さまとの連携活動に取り組んでいます。 綿密な理論研究や定量調査、街頭でのインタビュー調査、フィールドワークにもとづき現状分析やターゲット設定を行った後、課題抽出を経て、具体的な戦略立案を行い、実践しました。また発展会協同組合と週1回の議論を重ね、実証実験を経て、現在も継続しています。
横浜中華街でのアンケート調査の様子
現状分析では、多くの時間をかけて「横浜中華街」を多面的に捉えました。現地でのインタビューやインターネットを使った総勢600名以上へのアンケートに加え、類似事例の分析や、横浜中華街の内部の人へのヒアリングを行いました。そして、マーケティングファネルで現状を整理し、ターゲットが「偏った楽しみ方をしている」という課題を見つけ、カスタマージャーニーに基づいて、4つの施策(SNS改善、マップの機能搭載、学割の実行、打包推進)を提案し、現在もプロジェクトを継続中です。
打包施策の三角POP
特に打包(ダァパオ)推進は、社会課題の解決に大きく貢献しています。食べ残した料理を持ち帰りできることを意味する「打包(ダァパオ)」についてのPOPを作成し、お店に設置したところ、利用者数が増加しました。「デジタルマップ」計画では関係する通信会社と、「学割」では関内に新キャンパスを開校する関東学院大学と連携しながら、現在施策の実行を進めています。
インナー大会では、複数の調査やフレームワークに基づいた論理性と、地に足のついた専門的なマーケティング学修と実践による頑健性を評価していただきました。また、聞き手を飽きさせないために、話し方や効果音を工夫したプレゼンも、審査員のみならず他の出場学生からも好評の声をいただき、多くの人に高い評価をいただきました。
横浜中華街発展会から貸し出されたお揃いのベスト

Q.今回の受賞についてコメントをお願いします。

【伊林彩里さん】
長い時間をかけて作り上げたものが評価されて嬉しく感じるとともに、自分たちが考えたことや行ったことが間違っていないとわかり自信に繋がりました。具体的に何をすれば良いか決まっていないゼロの状態からつくる経験をしたことがなく、初めは不安でいっぱいでした。しかし、メンバーと時間をかけて議論を重ね、横浜中華街のみなさまや柴田先生にアドバイスをいただいていく中で、自分が納得できる完成度の高いものができました。今回得られた多くの学びを活かし、今後より成長していきたいと思います。関わっていただいた方々に感謝申し上げます。
【徳増伶太さん】
優秀賞という形で賞をいただくことができ、大変光栄に思います。柴田ゼミの先輩の前例がこれまでなかった、一地域のマーケティングを考えていくことは、非常に難しく、何度も何度も壁にぶつかりました。チームで一つになり、諦めずに話し合いをし続けたことが賞につながったのではないかと考えています。また、先生や横浜中華街の方をはじめとした本当に多くの方々の助けがあったからだと思います。感謝の気持ちを忘れずにこれからも勉学に励んで参ります。
【藤田佳紗希さん】
119チーム中の2位という評価をいただけたことを大変嬉しく思います。教科書や授業で学んでいた理論を大きな街のブランディングの中で実践していくことは想像以上に難しく、チーム内で何度も話し合いをしながら納得する答えを導いてきました。その過程は大変なこともありましたが、仲間と協働して一つのものを作り上げていく楽しさを知ることのできる貴重な経験となりました。しかし、これらはすべて柴田ゼミの先輩方、同期、後輩や発展会の皆様、柴田先生から本当にたくさんのお力添えをいただいたおかげで成し遂げられたものです。この場をお借りして感謝申し上げます。
【藤田ののかさん】
今まで私たちは本当に長い時間をかけて活動を行ってきました。毎日何時間も話し合い、長いときには12時間以上みんなで「横浜中華街のファンを増やすには何をすべきか」について議論をしました。まさに寝る間も惜しんだ活動でした。その活動が認められインナー大会で優秀賞を頂けたのは大変うれしく思います。しかし優秀賞は私たちの力だけでは決していただけませんでした。毎週ミーティングに参加していただいた横浜中華街発展会の方や施策に協力していただいた店舗様、学びの場を与えてくださった発展会様と大学、そして何より私たちの相談に親身にのってくださった柴田先生のお力があって頂けた賞だと心から思います。今後も今までご協力頂いた方のためにも横浜中華街のファンづくりに向けた活動と後輩育成に尽力していきたいと思います。

指導教員である柴田典子准教授からもコメントをもらいました。

横浜中華街発展会協同組合様との本格的な連携活動は、今年度初めての試みです。柴田ゼミ「パオズ」の4人は、横浜中華街と横浜市大生の連携活動の基盤作りをゼロから行ってきました。
食べ残しの持ち帰り文化「打包(ダァパオ)」推進をはじめ、よく知られていなかった横浜中華街独自の魅力発見・推進など社会的課題の解決に繋がる取り組みです。 インナー大会では、大学での専門的な学修成果が存分に発揮されていること、学術的かつ頑健なアプローチであったこと、地域や自分たちの生活に根ざした課題に真摯に取り組んだこと、そして、プレゼンテーションの完成度が高く斬新で魅力的である点を評価されました。
本活動(打包)に関して、食文化を研究する高校生チームから取材を受けている様子
また、大学HPや外部メディアに取り上げられたことで、食文化を研究する高校生チームから取材依頼や、包材関連会社から「打包」用の包材提案をいただくなど、広がりを感じる取り組みに成長してきています。 指導においては、専門であるマーケティング論、消費者行動分析、ブランド論の観点から指導を行いながら、この4人ならではの独自性をひきだし、取り組み内容やインナー大会でのプレゼンテーションに反映させることができるように心がけました。試行錯誤を繰り返しながらも妥協せずに議論を重ね、素晴らしい結果に繋げた4人を、とても頼もしく思います。
毎週のミーティングを現在に至るまで継続し、学生たちの発想と主体性を尊重しながら支援してくださる横浜中華街発展会協同組合の皆さまに、心より御礼申し上げます。

プロジェクトにご協力をいただいている横浜中華街発展会協同組合様からもコメントを頂戴しました。

(左)石河副理事長(右)高橋理事長
 <高橋理事長>
このたびは優秀賞受賞おめでとうございます。
皆さんが粘り強く取り組んでいた課題解決や魅力発信が学術的に評価されたことは、素晴らしいことだと思います。ゼロから物事を知り、課題を抽出し、その課題解決に向けて、方策を立案、実践することは、皆さんが実社会に出た時に、必ずや役に立つ貴重な体験となったと思います。日本の将来を担う学生のみなさんの参加によって、横浜中華街がより発展していくということは、正に「未来と一緒に未来をつくる」の趣旨に沿ったものあり、我々にとっても様々な気付きや学びを得られました。これからは、学生の皆さんに負けずと、街に対して、より強い想いを膨らませ、より素晴らしい街を作っていきたいと思います。
街を代表して心より感謝申し上げますとともに、横浜中華街の強力な応援者として引き続きよろしくお願いいたします。

<石河副理事長>
優秀賞受賞おめでとうございます。
皆さんの努力が優秀賞という素晴らしい結果に繋がったことは本当に喜ばしく、また、僕自身も我が事のように嬉しく感じています。
皆さんと知り合ってから、素敵な時間を沢山いただきました。毎週のミーティングは有意義でしたし、僕自身にとっても多くの学びをいただきました。今回のビジネスコンテストにトライするにあたって、課題の抽出から調査や様々な検討をしてテーマを決めるまでの準備の過程に多くの時間を要したのですが、最終発表を拝見し、丁寧に準備をしたからこその成果だと感じました。自身の仕事においても「準備」を大切にしようと思いました。
皆さんと取り組んだ4つのプロジェクトの中で、特に印象に残ったのが「打包プロジェクト」です。食の街である横浜中華街に伝わる「食材を無駄にしない精神」を、「持ち帰り」という形にすることができたことはSDGs精神に通じる活動でありますし、何より当たり前の習慣として根付かせていく第一歩になりました。一緒に取り組んだことを未来に繋げていきたいと思います。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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