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国際商学部の大塚章弘准教授が、大石泰彦賞(日本地域学会論文賞)を受賞

2022.10.24
  • TOPICS
  • 研究
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国際商学部の大塚章弘准教授が、大石泰彦賞(日本地域学会論文賞)を受賞

横浜市立大学国際商学部の大塚章弘准教授が、2022年度 日本地域学会の第31回「大石泰彦賞(日本地域学会論文賞)」を受賞しました。 日本地域学会では、地域学(Regional Science)の発展に貢献する優れた会員の業績をたたえる為に学会賞を毎年授与しています。大石泰彦賞は、その中ですぐれた研究論文によって地域学の発展に著しく寄与し、研究業績の意義や貢献が多大である会員を表彰するものです。学会賞授与式は10月8日にオンライン形式で行われました。
受賞者
国際商学部 准教授

大塚 おおつか 章弘   あきひろ  (研究テーマ:地域科学・地域経済学)


受賞論文
Assessment of the improvement in energy intensity by the new high-speed railway in Japan
(和訳:日本における新高速鉄道導入によるエネルギー原単位の改善度の評価)
論文内容
エネルギー原単位の改善は、地球環境問題の解決や持続可能性向上のための有力な政策課題です。この研究は、地域間交通ネットワークがエネルギー原単位に与える影響に着目し、地域間交通ネットワークの改善が乗用車から鉄道へのモーダルシフトを促進するかどうかを統計的に検討したものです。
研究の結果、地域間交通ネットワークと乗用車部門のエネルギー消費量の変動には非線形の関係があることが示されました。さらに、高速鉄道の敷設は、エネルギー原単位を大きく改善することが明らかになりました。
この結果は、今後導入されるリニア中央新幹線といった高品質な交通インフラは、地域間移動に関するエネルギー消費パターンを変化させ、エネルギー原単位を改善する可能性があることを示しており、日本の国土計画にとって貴重な示唆を与えています。
リニア整備による空間的効果
大塚章弘准教授のコメント
このたびは大変名誉ある大石泰彦賞を賜り、誠に光栄に存じます。今回受賞対象となった研究は、わが国において高速交通網の整備が進む地域ほど、乗用車の利用低下が観察されるという事象を科学的に明らかにしたものであり、リニア中央新幹線といった新たな高速鉄道敷設に伴う地域間の移動手段の代替可能性を展望しています。この研究は、温室効果ガス排出量削減における運輸部門の役割を考える上での貴重な貢献を果たすものであり、高速鉄道網の整備が進む中国において多く引用されております。
この研究は、Springer Natureが発行する国際学術誌「Asia-Pacific Journal of Regional Science」の特集号にて発表されました。当雑誌は創刊間もない雑誌であり、Web of Science Core CollectionのEmerging Sources Citation Index(ESCI)に登録されております。当該論文の引用件数(自己引用以外)がジャーナルの評価基準をクリアしており、当雑誌の発展において重要な貢献を果たすものとして評価されました。
また、この研究は本学学長裁量事業によって支援を受けた研究成果です。この場をお借りして、研究の支援をして頂きました相原学長、関係する諸先生方、事務スタッフの方々に御礼申し上げます。今後も「横浜から世界へ」を念頭に、日本の高度な学術研究を世界へ発信することで、本学のプレゼンスの向上と地域学研究のより一層の発展に寄与していきたいと考えております。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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