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抗体と近赤外光で病原体を選択的に駆除する方法を世界で初めて開発 ~新型コロナウイルスや薬剤耐性病原体の克服への期待~

2022.07.05
  • プレスリリース
  • 研究

抗体と近赤外光で病原体を選択的に駆除する方法を世界で初めて開発

~新型コロナウイルスや薬剤耐性病原体の克服への期待~

横浜市立大学医学部微生物学 梁明秀 教授、東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科 光永眞人 講師と東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター基盤研究施設 岩瀬忠行 准教授らの研究グループは、多剤耐性株を含む細菌、真菌、ウイルス等の様々な微生物病原体を近赤外光で選択的に除去することが可能となる世界初の治療戦略(photoimmuno-antimicrobial strategy, PIAS)を開発しました。

薬剤耐性病原体や、新型コロナウイルス感染症といった、これまでの治療薬や治療法が有効でない感染症が世界的な問題となっており、新たな抗微生物治療戦略の開発が急務となっています。従来の抗菌剤による治療は薬剤耐性菌に対する効果が薄い一方、病原体以外の常在菌が死滅することにより腸内細菌のバランスが乱れる等の問題が知られています。
本研究で新たに開発した手法では、薬剤耐性にかかわらず、また常在菌に影響を与えることなく狙った病原体のみを近赤外光で除去することが可能となり、実験にて黄色ブドウ球菌、カンジダ菌、新型コロナウイルスに対して効果が確認されました。既存の治療法では制御が困難だった多剤耐性病原体などに対する新たな治療法として今後の実用化が期待されます。

本研究成果はCommunications Biologyに2022年7月4日に掲載されました。

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