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国際マネジメント研究科 石田翔也さんが、みずほ学術振興財団第63回懸賞論文で2等を受賞しました!

2022.05.16
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非伝統的金融政策の効果を検証した論文で2等を獲得!

国際マネジメント研究科 修士2年の石田翔也さんは、2022年1月に開催された、みずほ学術振興財団第63回懸賞論文 経済(社会人・大学院生)の部において、2等を受賞しました。
みずほ学術振興財団は、若手研究者、社会人、学生を対象とした懸賞論文募集をおこなっており、63回目となる「経済の部」は、以下の3つの論題で行われました。
◇「日本経済のデジタル化と生産性」
◇「超低金利の長期化と資産価格」
◇「グローバルなサプライチェーン再構築と世界経済」
石田さんは「超低金利の長期化と資産価格」をテーマに論文を執筆し、今回の受賞に至りました。


受賞者

国際マネジメント研究科 修士2年   
石田いしだ  翔也   しょうや さん

論文題目 
「超低金利政策が中長期的な資産価格見通しに与えた影響」


論文内容
—今回受賞に至った論文内容について石田さんに解説していただきました。
政策金利がゼロ、或いはほぼゼロになった状況から、さらに金融緩和を行う政策を「非伝統的金融政策」と言います。この「非伝統的金融政策」がゼロ金利下においてどのような効果を発揮するかを分析することが、昨今の重要な研究課題となっています。超低金利下の過去10年を見ると、日本経済は低成長が続く中、資産価格(株価)は約3倍に急騰しています。そこで本研究では、低成長下における「非伝統的金融政策」は、資産価格にどのような影響を与えているかを分析しました。分析の結果、①緩和的な非伝統的金融政策は中長期的な資産価格の見通しを押し上げていたこと、②金融市場の情報を得ていない家計には同様の効果が認められないこと、がわかりました。この結果は、超低金利の継続が家計間の経済格差を拡大させる可能性があることを示しています。
パネルデータ分析:金融政策ショックが資産価格見通しに与えた影響

石田 翔也さんのコメント

この度はこのような賞を受賞することができ、大変光栄です。今回の受賞は、私を指導してくださる中園先生や研究室の先輩方、日々を共にする研究室の仲間のお力添えの結果です。心から感謝申し上げます。このような恵まれた環境で研究できることに感謝しながら、残り少ない学生生活・研究生活を悔いのないものにしていきたいです。

指導教員 中園善行准教授のコメント

石田さん、受賞おめでとうございます。石田さんは研究を進めるにあたり、「遠回り」する道を選びました。3年次の秋には進学を決めていた石田さんは、学部時代の成績が優秀だったため「飛び級制度」を活用することも可能でした。しかし石田さんは、大学院で2年間腰を据えて研究する道を選びました。その間、石田さんは経済理論や統計理論とともに、PythonやStata、Rなどの統計言語を独力で修得し、研究に必要な基礎体力を身に付けられました。今回受賞に至った論文は、現在の日本銀行による金融政策を批判的に検証していますが、これは複雑な金融政策に関する理解のもとで難しい推計手法を駆使した労作です。毎日、朝早くから黙々と研究に没頭しながらも、仲間には見えないところで研究室の研究活動を陰に陽に支えて下さっていた石田さんの研究が正当に評価されたことをとても嬉しく思います。ご受賞おめでとうございました。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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