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商店街の未来を考える。横浜商店街振興フォーラムでYCUの教員が登壇

2022.05.10
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商店街の未来を考える。横浜商店街振興フォーラムでYCUの教員が登壇

4月22日、横浜商工会議所の主催により開催された「横浜商店街振興フォーラム」(後援:横浜市立大学他)。このイベントは「“まちの元気”をどう維持・発展していくのか、そのために商店街はどのような役割を担うことが求められるか」をテーマに設定し、商店街の新たな可能性を探ることを目的に催されました。本イベントではYCU国際商学部の柴田典子准教授(マーケティング論・消費者行動論)がモデレーターを務め、登壇者としてもYCUの教員が、自身の専門分野の視点から商店街活性化に向けた知見を紹介しました。またYCUからは、小山内いづ美理事長と中條祐介副学長も参加しました。
まず会の冒頭、横浜商工会議所・大久保千行副会頭(本学ご卒業生,S50年商卒)のご挨拶では、「コロナ禍で移動を制限されたことが地元を見つめ直す機会となり、商店街に新たな役割が求められるようになった。フォーラムを通じて今後の商店街のあるべき姿を考え、地域振興につなげていきたい」と、このイベントの意義を説明しました。
第一部のテーマは「商店街の現状と課題」。YCUの教員を中心に、研究により得られた知見が紹介されました。
「横浜商店街を取り巻くIT活用の現状」と題して発表したのは、東北大学大学院工学研究科の永松陽明先生。
永松先生はこの春までYCU国際商学部の専任教員でした。
永松先生からは、昨今のIT化のトレンドや、商店街におけるIT化の課題、それに対するアプローチと具体的取組について紹介がありました。永松先生によると、商店街におけるIT化やDX化には、スキルや費用が少ないといったことから、初歩的なIT導入に困難があるといいます。そんなハードルを少しでも下げられるよう「商店街のWeb活用リファレンスモデル」や、発信力を強化するための「コンテンツガイドライン」を開発、実際の商店街での導入、課題抽出、改善を繰り返しながら実践されてきた永松先生の取組が紹介されました。
続いてYCU国際教養学部 陳礼美教授が登壇。社会福祉論を専門とする陳先生からは「まちの高齢化と商店街・地域共創の視点から」というテーマで講演されました。
21世紀の超高齢社会において、「老いの問題」から「老いの機会」へと捉え方を再構築し、福祉の視点から商店街を活性化するヒントについて話が展開していきました。これまで陳先生は、商店街でもあり観光地でもあり、華僑・華人が集まるコミュニティでもある「横浜中華街」の高齢者を長年研究してきました。そこでの研究を通じて、商店街は一つの行動組織であり、地域コミュニティとして、福祉の役割も含めた重要な役割を担っていると言います。超高齢社会の到来を機に、知識や経験も豊富で多様なバックグラウンドを持つ高齢者のニーズに応える商店街にすることで、商店街を地域のケアシステムとして機能させ、これまでシルバーと言われた高齢者が「プラチナ」に輝けるまちづくりの実現が可能だと言います。
第二部では「商店街活動の紹介」と題し、全国や横浜市内の商店街活動の事例が紹介されました。
そして終盤第三部のパネルディスカッションでは、柴田先生をモデレーターに、永松先生、陳先生をはじめ5名のパネリストにより、「商店街のブランド価値向上に向けて」と題してディスカッションが行われました。議論に先立ち、柴田先生が商店街のブランディングとは何かについて紹介。商店街の商業機能とコミュニティ支援機能の両面で付加価値を持ち、地域や消費者から高い評価と期待を受け続けることが、人が集まる商店街のブランディングに重要であると紹介されました。
その後、地域商店街とアカデミアや学生とどのようなコラボレーションが望ましいかについて議論が続きました。
大学と地域商店街がお互い「パートナー」として、地域活性化のために持続可能な活動を地道に行っていくことが地域にとっても、大学における教育にとっても非常に重要であるということが確認され、会はお開きとなりました。

大学で行われる研究から生み出された知識、そして学生ならではの発想や行動力が、地域とコラボレーションすることで、これからもますます地域商店街の活性化や発展に貢献できる可能性が広がる、そんなことを感じさせられた非常に有意義なイベントとなりました。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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