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生命ナノシステム科学研究科 五味田 綾香さんが、第48回 炭素材料学会年会で学生優秀発表賞を受賞!

2022.01.20
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フラーレンナノウィスカーの育成と力学的性質についての発表が評価され、学生優秀発表賞が授与されました!

生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年生の五味田 綾香さんが、2021年12月1日(水)~3日(金)にオンライン開催された、第48回炭素材料学会年会で、「C70ナノウィスカーの育成と力学的性質」というタイトルで発表し、学生優秀発表賞を受賞しました。
受賞者

生命ナノシステム科学研究科 
物質システム科学専攻 博士前期課程2年生   
五味田ごみた  綾香   あやか さん

講演題目 

「C70ナノウィスカーの育成と力学的性質」


発表内容
—今回の受賞に至った研究内容について五味田さんに解説していただきました。

フラーレンは、炭素のみでできた中が空洞のユニークな形状をもつ物質です。フラーレンは主に、サッカーボールの様な形のC60や、ラグビーボール形状のC70などが知られており、この特異な構造を反映した超伝導や蛍光特性の向上をはじめとした、興味深い性質が数多く報告されています。そのためフラーレンは、半導体材料、化粧品、超硬材料への応用も期待されています。
私が所属する橘勝研究室(ナノ・バイオマテリアル)では、フラーレンからなるウィスカー(*1)と呼ばれる繊維状の結晶が発見されて以来、数多くの先駆的な研究を行っており、2020年には、C60ナノウィスカー(*2)が分子性結晶としては非常に珍しい、ばねのような弾性的な性質を持つことを発見しました。
本研究では、C60と比べて結晶化の難しいラグビーボール状のC70において、ナノウィスカーの作製に成功しました。さらに、C70ナノウィスカーが、上述のC60ナノウィスカーを凌ぐユニークな弾性的な性質を示すことも発見し、この効果は、C70のラグビーボール状の形状に由来するものであることを考察しました。
本研究が、今後のC60やC70以外の様々な形状をもつC76、C82、C84などの高次フラーレンから成るフラーレンナノウィスカーの作製とユニークな物性の発見に繋がることを期待しています。
*1 ウィスカー:英語で「猫のひげ」という意味であるが、専門用語でも「繊維状(ファイバー状)の結晶」という意味で用いられている
*2 C60ナノウィスカー:C60からなるナノサイズのウィスカー

五味田 綾香さんのコメント

この度は、学生優秀発表賞に選んでいただき、大変嬉しく思います。この受賞は私自身の力だけでなく、橘先生、鈴木先生をはじめとした研究室の方々のおかげだと思っております。日ごろから研究室内で活発にコミュニケーションをとり、議論を重ねたことが今回の受賞に繋がったと感じております。また、学会当日においては様々な視点からご意見をいただき、良い経験となりました。今回の経験を活かし、今後の研究活動に精進していきたいです。

指導教員 橘 勝 教授のコメント

五味田さん、優秀発表賞おめでとうございます。2年前の卒研発表でも発表賞を受賞していましたが、研究内容も発表も見違えるほど成長を感じ、大変嬉しく思っています。研究を進める上で、沢山の困難もあったと思いますが、持ち前の明るさと根性で乗り越えた感じですね。結果として、このような素晴らしい賞を受賞できて本当によかったと思います。研究室での経験は、社会に出てからも必ず役に立つと思います。残り少ない学生生活ですが、さらに一仕事できそうなので頑張ってください。期待しています。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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