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都市社会文化研究科 三輪 律江 教授が、第14回日本都市計画家協会神奈川支部賞を受賞しました

2022.01.19
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都市社会文化研究科 三輪 律江 教授が、第14回日本都市計画家協会神奈川支部賞を受賞しました

国際教養学部・都市社会文化研究科 三輪律江教授が、第14回日本都市計画家協会神奈川支部賞を受賞しました。今回は、三輪教授が代表を務める「まち保育研究会」団体における、「“まち保育”の提唱を通じた子育ちをまちづくりと捉える啓発・推進活動」が評価されました。
まち保育とは、「まちにあるさまざまな資源を保育に活用し、まちでの出会いをどんどんつないで関係性を広げていくこと、そして、子どもを囲い込まず、場や機会を開き、身近な地域社会と一緒になってまちで子どもが育っていく土壌づくりをする」と、定義しています。
出典:三輪律江・尾木まり 他『まち保育のススメ-おさんぽ・多世代交流・地域交流・防災・まちづくり』
2017年5月5日発刊(萌文社)


今回の受賞では、子育て支援の場においても、家庭生活においても、また地域の活動においても、「まちで育てることはまちが育つことにつながる」という考え方の普及・啓発と、それらの実践の伴走に努める三輪教授らのこれまでの取り組み全般が評価されました。

三輪 律江教授による受賞コメント

この度の第14回日本都市計画家協会神奈川支部賞の受賞に際し、同賞にご推薦いただいた皆様、まち保育の概念と普及・啓発の活動に共感しいっしょに推進活動をしてきてくださった多くの同志の皆様やゼミ生達に、心より感謝申し上げます。
私たちの唱える「まち保育」とは、子どもの育ちを血縁関係だけでなく地域社会で育み共有するため、多様な主体を巻き込みながら地域資源を活用したまちとの関わり方を促す手法論でもあります。その点において、まちづくりの専門分野で「まち保育」の概念が認められたことは、とても心強く、大変光栄に思います。これからも「まち保育」の概念を軸にハードとソフト両面からの参加・協働型まちづくりを推進し、現代版群れた子育てが実現できる地域コミュニティの構築に邁進していきたいと思います。

活動を始めた背景と経過

三輪教授は、建築・都市計画、まちづくり、環境心理を専門とし、その分野から乳幼児の子ども達とその世代が集積している場とまちとの相互関係に注目した調査や実践を行ってきました。  
乳幼児期の子どもが地域に見守られながら育っていくためのまちづくりへの挑戦には、多分野にまたがった処方箋的な手法、その意義や効果についての議論と、現場との連携・発信・協働が必要であると考えてきました。  
そのため、まち保育の普及・啓発活動実践への伴走、さらに施設設備やまちづくり開発におけるまち保育の視点の導入など、幅広いフェーズでの普及活動を展開しています。

具体的な活動実績

①建築計画、環境工学、防災計画、保育学、臨床心理学など分野横断型の研究者や実践者らと共に、『まち保育のススメ(萌文社、2017)』*1を出版

②まち保育の普及・啓発活動:多様な分野での講演・研修を実施
出版を機に学術的エビデンスとともに「まち保育」の概念を広く伝えるべく、多様な分野からの講演や研修のオファーに応え、子育て支援施策を福祉施策に閉じず、まちづくり施策としても捉える視点を引き出す活動として注力

③まち保育の実践(伴走)活動:保育士や子育て支援者、保護者、事業者、行政担当者などに対してまち保育の視点を伝え、共助力を高めるノウハウの提供と伴走支援
  • 横浜市神奈川区こども家庭支援課との協働事業『「まち保育」の観点から取り組む保育・教育施設の共助構築に向けた検討・実践』を開始 
  • 住友緑化(株) との協働事業『「企業緑地を活用したまち保育的環境学習の可能性についての実践研究』を開始  等
④施設設備やまちづくり開発における「まち保育」視点の導入展開:開発事業者や施設運営者等に対してもまち保育の概念を伝え、それが有効に実現する場や仕組み構築をサポート
  • 子育てと地域づくりを掛け合わせた「まち保育」の実践を目指す企業主導型保育施設の開設・運営(加古川市・NPO法人シミンズシーズ)  
  • 「生まれる前から青少年期までの子どもを育てる世代を中核としながら、持続可能で多世代が住みやすい地域」を実現する、まちづくり開発へのコンセプト支援(横浜市緑区十日市場センター地区22街区) 等

三輪律江教授(国際教養学部・都市社会文化研究科) 略歴

1993年4月 (株)坂倉建築研究所(1996年12月まで)
2002年4月 横浜国立大学 地域実践教育研究センター 准教授 他(2010年3月まで)
2011年4月 横浜市立大学 国際総合科学部 まちづくりコース
      都市社会文化研究科 都市社会文化専攻 准教授 (2021年3月まで)
2021年4月 横浜市立大学 国際教養学部 国際教養学科都市学系/
      大学院 都市社会文化研究科 都市社会文化専攻 教授 (現在に至る)

博士(工学)。専門は建築・都市計画、参画型まちづくり、子どものための都市環境、環境心理学。「子ども」と「まち」との関係に着目した実践的調査研究を数多く手掛ける。代表編著に『まち保育のススメ(萌文社2017)』、共著に『孤立する都市、つながる街(日本経済新聞出版2019)』。第13回(2017年度)こども環境学会賞(論文・著作賞)受賞。

参考

*1『まち保育のススメ』
まち保育のススメ—おさんぽ・多世代交流・地域交流・防災・まちづくり
出版社:‎萌文社; A4版変型 (2017/5/5) 三輪 律江/尾木 まり【編著】

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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