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【講演開催報告】「海外でのキャリア形成と米国での格差の現状」を開催しました。

2022.02.02
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オンラインプログラム開催支援制度採択案件

【開催報告】武部直子先生ご講演

「海外でのキャリア形成と米国での格差の現状」

日時:2021年11月17日(金)21:00~22:00(日本時間)
申込者:67名(録画配信あり)   
本学では、今年度より学生の海外派遣が新型コロナウイルスの影響によりなかなか叶わない現状を受け、留学中の医師・教員のお力を借り、海外で活躍する医師・研究者によるオンラインセミナーをシリーズで企画、推進しています。

本シリーズ第1弾として、2021年11月17日(金)に、本学血液・免疫・感染症内科学教室から米国国立衛生研究所(NIH)にご留学中の仲野寛人先生にご企画いただき、米国国立がん研究所(NCI)でご活躍の女性医師、武部直子先生による「海外でのキャリア形成と米国での格差の現状」をテーマにしたご講演が実現しました。医学科生を中心に合計67名と大変多くのお申込みがありました。

ご講演では、臨床医・研究者として米国で道を拓いて、生き残っていくには、具体的にどのようなキャリアパスがあるのか、ご自身のキャリア形成の過程をオープンにお伝えいただきながら丁寧にご説明くださいました。学部生のころから将来についてのイメージを持ち、具体的な行動を積み重ねて現在に至るまでの道のりは、情報量も豊かで聞いていて説得力のあるものでした。聞いていた学生たちの動機の向上につながったものと思います。

潤沢な研究資金や体制の充実など、米国でキャリアを積むことのメリットと同時に、現在もなお残る、特にCOVID-19感染拡大により後退してしまった、差別や格差の問題といった負の、今後改善が望まれることにも言及いただきました。医学部生数においてはほぼ半数ずつである男女比が、リーダーシップレベルになると格段に男性比率があがること、またまだまだ白人の比率が大変高いことなどを、アンケート調査等に基づく具体的なデータをもとに説明いただきました。そのような状況下でも、アジア人の女性として活躍中の武部先生のキャリア形成は、学生にとって一つのロールモデルになるものと思います。

最後に、NIHでは医学教育に力を入れていること、その例の一つとして、海外の医学生向けに提供している短期間のローテーションプログラムについてもご紹介いただきました

講義後の質疑応答では、PhD取得後にポスドクとして渡米するタイミングなど具体的な質問が出ました。またセミナー実施後のアンケートでは、同じ女子学生から、海外でキャリアを形成し、活躍している女性医師の活躍への反響が多かったほか、「計画に行動すること、具体的にアクションを起こすことの重要性を感じた」、「漠然と希望しつつどうしてよいかわからなかったことろ、具体的にしていくことが見えた」といった声が寄せられました。

 

武部直子先生ご略歴

1988年 弘前大学医学部卒業。
横須賀米海軍病院インターン、慶応義塾大学内科初期研修を経て、1991年より渡米。
米国内科専門医、米国内科血液学専門医、米国内科腫瘍学専門医の認定資格を取得後、メリーランド大学医学部内科にてAssistant Professor 、米国国立がん研究所(NCI)にてがん治療評価プログラムSenior Investigatorを歴任。
2018年より NCI開発治療外来副部長、早期臨床治験プログラム・トランスレーショナルサイエンスセクション長。






ファシリテーター:仲野 寛人先生

 横浜市立大学 血液・免疫・感染症内科学
総合内科専門医・リウマチ専門医
現在、米国国立衛生研究所(NIH)留学中

医学教育推進課 医学国際化等担当

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