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生命ナノシステム科学研究科 小林瑠那さん、極限環境生物学会で発表賞を受賞!

2021.12.07
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「深海熱水噴出域由来のThiomicrorhabdus属細菌の電気合成微生物としてのゲノム的視点からの特徴づけ」について発表

生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年の小林瑠那さんが、2021年11月20日~21日にオンラインで開催された、「2021年度 極限環境生物学会 第22回年会」で口頭発表を行い、発表賞を受賞しました。

受賞者
生命ナノシステム科学研究科 博士前期課程2年 小林 瑠那(こばやし るな)さん

発表演題
「深海熱水噴出域由来のThiomicrorhabdus属細菌の電気合成微生物としてのゲノム的視点からの特徴づけ」
小林瑠那1,2、山本正浩1,2、谷崎明子2、平井美穂2、鹿島裕之2、高木善弘2、高井研2
1) 横浜市立大学大学院 生命ナノシステム科学研究科
2) 海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門

小林 瑠那さんのコメント

この度は発表賞を頂戴し、大変光栄に思います。日頃から熱心に指導してくださっている山本正浩先生をはじめ、お世話になっている海洋研究開発機構の皆様に心から感謝申し上げます。特に今回は、山本先生と、ゲノム解析の勉強からスライド作成まで念入りに議論させていただきましたので、このような形でご報告ができ、本当に嬉しいです。
極限環境生物学会には昨年度も参加したのですが、知識や説明力が乏しく、悔しい思いをしました。そのリベンジを果たせ、大変嬉しく思っております。
残りの学生生活でも悔いのないよう、研究活動に精進して参ります。

指導教員 山本 正浩 客員准教授のコメント

小林瑠那さん、このたびは発表賞の受賞、おめでとうございます。 これまで微生物の細胞を扱ったウェットな研究が多かったですが、今回はメタゲノム解析を用いて微生物のエネルギー・炭素代謝を考察するというドライな研究に取り組んでもらいました。発表の原稿やスライドの作成を頑張った甲斐があって、限られた発表時間の中で注目菌株の特徴(近縁種との共通点とユニークな点)を過不足なく解りやすく伝えることが出来たことがとても良かったと思います。事前に関連するゲノム研究の論文を読み込み、代謝に関する知識を深めたことで、質疑応答でも有意義な議論を行えていたと思います。修了まで残り期間は短いですが、最後まで充実した研究生活を送って下さい。

発表内容

深海には深海熱水噴出孔という温泉源があります。光の届かない深海であるにもかかわらず、その周辺には、たくさんの生き物が生息しています。
近年、深海熱水噴出孔の周辺では「発電現象」が起きていることが明らかとなり、その電気を食べて生育する「電気合成微生物」の存在が示唆されています。そこで本研究では、深海熱水噴出域の岩石を使い、電気だけをエサとした電気培養を行いました。 結果、チオミクロラブダス(Thiomicrorhabdus)属に含まれる細菌が集積し、この菌が電気によって増殖していることが確認されました。
今回の学会ではゲノム解析の結果を中心に発表し、このチオミクロラブダス属細菌が遺伝子情報から見ても、電気を食べて生育可能であることを示唆しました。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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