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木原生物学研究所の辻寛之准教授らが、フロリゲン遺伝子の機能の一端を解明。Frontiers in Plant Science誌に掲載されました。

2021.10.27
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木原生物学研究所の辻寛之准教授らが、ウキクサの生殖成長の発生学的解析を行いフロリゲン遺伝子の機能の一端を解明。Frontiers in Plant Science誌に掲載されました。

木原生物学研究所の辻寛之准教授と、吉田明希子助教(当時)、田岡健一郎特任助教(当時)、保坂碧特任助教(当時)が共同筆頭著者の論文が、Frontiers in Plant Science誌に掲載されました。
辻准教授らは、東京農業大学、奈良県立医科大学、鹿児島大学、理化学研究所、京都大学との共同研究で、ウキクサの生殖成長の発生学的解析を行いフロリゲン遺伝子の機能の一端を解明しました。

論文情報

Characterization of Frond and Flower Development and Identification of FT and FD Genes From Duckweed Lemna aequinoctialis Nd
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2021.697206/full

研究内容

ウキクサは、水生の単子葉植物で、小型で成長が早く、広い範囲に分布することが特徴です。増殖速度の速さから、ウキクサを活用した新しい物質生産の可能性が期待されています。しかし、ウキクサを構成するフロンドと呼ばれる小さな葉状構造や極めて小さい花の形成を制御する発生過程はよくわかっていません。また多くの植物種では、フロリゲン活性化複合体によって開花が促進されますが、この複合体がウキクサの開花中に分子レベルでどのように制御されているかは解明されていませんでした。
辻准教授らの研究グループは、短日植物であるアオウキクサにおいて、フロンドの発生と花の形成の詳細な発生学的解析を行い、ウキクサの全遺伝子発現の解析からフロリゲンFTとフロリゲン活性化複合体の転写因子サブユニットFDをコードする遺伝子を発見し、生化学的な解析によってこれらのタンパク質間の相互作用を明らかにしました。さらに分子遺伝学的な解析によって、アオウキクサのFTL1は開花を促進するのに対し、FTL2は開花を抑制する機能を有することを発見しました。
これらの発見は、ウキクサの花形成の発生学的な基盤を解明するものとなります。
(左)極めて小さい花を形成するアオウキクサ (右)ウキクサの花の電子顕微鏡写真

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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