国際総合科学部・西村梨香さん、GlycoTOKYO2021でポスター賞を受賞
2021.10.18
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GlycoTOKYO2021(主催:東京糖鎖研究会)でポスター賞を受賞
国際総合科学部 理学系生命医科学コース 4年 西村 梨香さん(指導教員:川崎ナナ教授)は、2021年10月9日(土)にオンラインで開催されたGlycoTOKYO2021(主催:東京糖鎖研究会)においてポスター賞を受賞しました。
【受賞者】
国際総合科学部 国際総合科学科
理学系生命医科学コース 4年 西村 梨香さん
【発表演題】
iPS細胞を用いた超網羅的タンパク質分析法の開発と糖転移酵素解析への応用
【発表者】
西村梨香さん、浦澤貴哉さん、小泉匠さん、川崎ナナ教授
【指導教員】
川崎ナナ教授
国際総合科学部 国際総合科学科
理学系生命医科学コース 4年 西村 梨香さん
【発表演題】
iPS細胞を用いた超網羅的タンパク質分析法の開発と糖転移酵素解析への応用
【発表者】
西村梨香さん、浦澤貴哉さん、小泉匠さん、川崎ナナ教授
【指導教員】
川崎ナナ教授
<西村梨香さんのコメント>
この度は数多くの発表の中から、このような名誉ある賞に選出していただき大変嬉しく思います。今回の受賞は、研究について熱心にご指導くださいました川崎教授をはじめ、沢山のアドバイスをくださった創薬再生科学研究室の皆様のおかげです。心より深く感謝申し上げます。当日は、コロナ禍のためオンライン開催だったことからどのように工夫したらオンライン上でも聞き手に伝わりやすいかを一番に考えて発表しました。様々な分野の方々とのディスカッションを通して、自身の未熟さを痛感したとともに、新たな視点を見つけることが出来ました。本シンポジウムで得られた貴重な経験を活かし、より一層研究活動に邁進したいと思います。
<指導教員 川崎ナナ教授のコメント>
東京糖鎖研究会は、関東近郊に所縁のある糖鎖研究者からなる研究会です。情報交換を目的に年に1回シンポジウムGlycoTOKYOを開催しており、今年で21回目を数えます(昨年度はCovid-19のため中止)。西村さんは3年生後期から当研究室でiPS細胞の培養とLC/MS/MS操作を修得し、4年生から糖鎖研究の基盤技術となる「ヒト発現タンパク質マススペクトルライブラリ」の構築とその活用をテーマに研究を開始されました。今回はヒトiPS細胞を利用したライブラリの拡張と、iPS細胞の神経幹細胞分化における糖鎖生合成酵素変動解析への応用について発表されました。研究内容、Zoomでのショートプレゼンテーション、およびブレイクアウトルームでの質疑応答の内容が総合的に評価され、ポスター賞を受賞されました。西村さんの努力と、研究室の仲間や卒業生のサポートが今回の受賞につながったと思います。西村さん、受賞おめでとうございます。
<発表内容>
タンパク質の糖鎖修飾は、細胞内で高頻度に起こる翻訳後修飾の一つです。細胞分化における糖鎖の役割を明らかにすることは、iPS細胞由来製品の開発や実用化につながります。糖鎖を生合成する糖転移酵素を質量分析法で定量解析することで、細胞分化に伴う糖鎖の機能を明らかにできると期待されています。特にO型糖鎖修飾については不明な点が多く残されており、解析が待たれていました。
近年、タンパク質の網羅的な定量解析法として、データ非依存的LC/MS/MS(DIA)法を用いた定量プロテオミクスが注目されています。DIAの実施には予めマススペクトル情報を収載したライブラリを構築する必要があります。一般に、ヒトタンパク質ライブラリは、データ依存的LC/MS/MS(DDA)法で取得されたヒトタンパク質データを用いて構築されます。しかし、入手できるヒト細胞や組織の種類には限界があり、低発現タンパク質を含むライブラリ収載数の改善が課題となっていました。
そこで、本研究では細胞分化におけるO型糖鎖の役割をプロテオミクスによって明らかにすることを目的として、1)iPS細胞を用いた超網羅的タンパク質ライブラリの作成と2)DIA法によるiPS細胞から神経幹細胞への分化過程で変化するO型糖鎖修飾酵素の定量解析を試みました。結果、iPS細胞とiPS細胞由来神経細胞を用い、さらにサンプル前処理法を工夫することで、低発現タンパク質を含むライブラリの拡張に成功し、多数のO型糖鎖修飾酵素の定量解析につなげることが出来ました。また、iPS細胞から神経幹細胞への分化過程で大きくタンパク質量が変化したO型糖鎖修飾酵素を見出すことが出来ました。これらは細胞の分化促進・抑制に関与していると考えられます。今後は、今回見出したタンパク質に関して、更なる詳細解析を行いたいと考えています。
近年、タンパク質の網羅的な定量解析法として、データ非依存的LC/MS/MS(DIA)法を用いた定量プロテオミクスが注目されています。DIAの実施には予めマススペクトル情報を収載したライブラリを構築する必要があります。一般に、ヒトタンパク質ライブラリは、データ依存的LC/MS/MS(DDA)法で取得されたヒトタンパク質データを用いて構築されます。しかし、入手できるヒト細胞や組織の種類には限界があり、低発現タンパク質を含むライブラリ収載数の改善が課題となっていました。
そこで、本研究では細胞分化におけるO型糖鎖の役割をプロテオミクスによって明らかにすることを目的として、1)iPS細胞を用いた超網羅的タンパク質ライブラリの作成と2)DIA法によるiPS細胞から神経幹細胞への分化過程で変化するO型糖鎖修飾酵素の定量解析を試みました。結果、iPS細胞とiPS細胞由来神経細胞を用い、さらにサンプル前処理法を工夫することで、低発現タンパク質を含むライブラリの拡張に成功し、多数のO型糖鎖修飾酵素の定量解析につなげることが出来ました。また、iPS細胞から神経幹細胞への分化過程で大きくタンパク質量が変化したO型糖鎖修飾酵素を見出すことが出来ました。これらは細胞の分化促進・抑制に関与していると考えられます。今後は、今回見出したタンパク質に関して、更なる詳細解析を行いたいと考えています。
問い合わせ先
横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp