YCU 横浜市立大学
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理数マスター育成プログラムの修了証授与式を開催

2021.04.05
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  • 学生の活躍

3名の学生に理数マスター育成プログラム修了証が授与されました。

令和3年3月17日(水)、金沢八景キャンパスにて理数マスター育成プログラム修了証授与式を執り行いました。
今年度は、学部1年次から研究活動を行ってきた3名の学生が4年間のプログラムを修了し、相原道子学長より修了証を授与されました。

修了者(発表順)

国際総合科学部 理学系 生命医科学コース4年  安達 友里子 さん
国際総合科学部 理学系 生命環境コース4年   柏瀬 友咲 さん
国際総合科学部 理学系 物質科学コース4年   高橋 良弥 さん
※受賞時の学年です。

修了証授与式 次第

  1. 学長挨拶
  2. 修了証授与
  3. 修了者による発表
  4. 祝辞

理数マスター育成プログラム

平成24年度に文部科学省事業「理数学生育成支援事業」に採択された本学の「YCU型高大院一貫科学者養成プログラム」(平成24年度~平成27年度)を原点とするプログラムです。次世代を担う研究者育成を目指し、自主研究を主体としながら各自の能力向上のための研究環境を提供し、将来科学技術を担う人材の育成を目指した研究支援プログラムです。
文部科学省からの補助金が終了した現在も、専任の理学系教員の指導のもとプログラムを継続し、優秀な理数学生の育成を進めています。

<修了者の研究発表>

生命医科学コース4年  安達 友里子さん

「研究タイトル」

類縁タンパク質の構造情報に基づく抗体ラベリングに向けたPA14タグ挿入部位の探索

「研究内容」

本自主研究では、タンパク質の立体構造を調べる実験手法であるクライオ電子顕微鏡を効率的に行うための技術開発に取り組みました。
クライオ電子顕微鏡では、コントラストの低い画像からタンパク質の構造情報を抽出するために、サイズの小さなタンパク質の構造を調べることは難しいとされています。所属研究室では、構造を調べる対象のタンパク質にPA14タグというアミノ酸配列を挿入して、そこにPA14タグを認識する抗体を結合させることで、分子のサイズを増加させてクライオ電子顕微鏡で構造を調べる技術を開発しています。本自主研究では、PA14タグを挿入して抗体を結合させても研究対象のタンパク質の構造が安定に保たれるかを調べる実験系を検討し、最適なタグの挿入部位を探索しました。

生命環境コース4年  柏瀬 友咲さん

「研究タイトル」

アグロバクテリウム法によるコシオガマの形質転換

「研究内容」

食糧不足の原因のひとつとして、寄生植物が農作物から栄養を奪うことが挙げられます。その被害額はアフリカにおいて年間約10億ドルと言われており、農作物を守るためには寄生機構や、それに関わる遺伝子の機能を知る必要があります。さらに、遺伝子の機能解析を行うためには、遺伝子組換え技術が必要です。
そこで、寄生植物のモデル植物として使われているコシオガマを用いて、遺伝子組換え技術の一つであるアグロバクテリウム法の確立を試みました。しかし、コシオガマはあらゆるダメージに脆弱であり、遺伝子組換え体を得る前に褐変し枯死してしまいました。そのため、本研究では、褐変を遅延・抑制させる方法を模索し、アグロバクテリウム法による遺伝子組換えの条件検討を行いました。

物質科学コース4年  高橋 良弥さん

「研究タイトル」

アルミン酸ストロンチウム系蓄光材料における発光機構の解明

「研究内容」

Eu2+を賦活剤、Dy3+を共賦活剤とするアルミン酸ストロンチウム系の蓄光体は、高い輝度を持つため誘導標式や時計の文字盤など様々な場面で利用されており、これを応用して光触媒や太陽電池などの技術発展への期待も高まっています。しかし、この材料自体の発光メカニズムと指数関数的な発光減衰の関係には疑問がある。本研究では、この材料において結晶中の電子がトラップを介してホッピング移動することに着目しました。これを基に一次元ランダムウォークを用いたモデルを考慮して解析・シミュレーションを行うことで、従来とは異なる発光減衰の再現を試みました。まずEu2+とDy3+の含有率を変えて作成した試料の発光減衰の測定を行いました。複数のトラップを考慮してパラメータを調整することで、測定結果をシミュレーションモデルで再現することに成功しました。

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