令和3年度 横浜市立大学入学式 学長式辞
2021.04.14
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令和3年度 横浜市立大学入学式 学長式辞
本日は、ご入学おめでとうございます。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。これまで新入生を支えてこられたご家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。
新入生の皆さんは、この1年間、新型コロナウイルス感染症が拡大していく中で様々な制約を受けながら、勉学に励まれたことと思います。また、それに加えて入試改革もあり、多くの点において手探りの受験だったと思います。これらの困難を乗り越えて本学に入学された皆さんを、心から歓迎します。
さて、横浜市立大学は、7年後の2028年にその始まりである横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立100周年を迎えます。また、本学の附属病院は、その始まりである西洋式病院である横浜仮病院開設から数えて今年150周年を迎えます。この病院は、明治7年には十全病院と改名して東洋一の設備を誇り、コレラや天然痘などの輸入感染症の拡大阻止に大きな役割を果たしました。
この伝統、すなわち、国際的商業都市である横浜の地で多くの人材を輩出しながら地域経済を支え、附属病院では輸入感染症の脅威と戦うという伝統は、今も変わらず受け継がれています。最近では、横浜港に寄港したクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス感染症に、附属病院と附属市民総合医療センターが高度機能病院として即座に対応しました。また、感染が拡大する中で昨年度創設されたデータサイエンス研究科と医学部が共同で疫学調査を行い、社会で大きな注目を集めました。これは本学だからこそできる異分野融合の研究と社会貢献の1例ですが、他にも各学部で独自性のある研究を進めています。このように、本学は横浜と共に発展し、今では4キャンパスにみなとみらいサテライトキャンパスを加え、5学部6研究科を有する総合大学として、世界に羽ばたこうとしています。
さて、新型コロナウイルス感染症の拡大は社会のありかたを一変させ、世界中の人々に新たな社会の創出を促しました。ワクチンの普及により、いずれ感染症は克服されることが期待されますが、世界が元に戻ることはありません。
このダイナミックに変革していく社会の中で、大学教育に求められることは、「異なる価値観と多様性を理解するための教養」と「高度な専門性」、そして「自分で考え行動する力」を身につけることです。より発展した社会を作りだすためには、先進的な研究や技術開発が必要ですが、それと共に、新しい社会を支え、文化として発展させるための豊かな教養も必要です。
また、皆さんにはこの青春の多感な時期に、できるだけ多くの人と関わることをお勧めします。周囲の人の心のありようを十分に理解した上で、自分の思いや考えを、自分の口から出る言葉で表現できる能力を、しっかりと身につけてほしいと思います。そして、それは人として生きるために必要な「優しさと強さ」を養うことにも繋がります。
医学部に入学した皆さんは、1年間の教養教育の後は、ひたすら座学と実験・実習で医学、看護学を学びます。医学の進歩はめざましく、皆さんが身につけなければならない学修内容は、過去の何倍にもなっており、厳しい学生生活が続きます。加えて言いますと、よき医療者になるために必要なものは、医学の知識だけではありません。それは人を思いやる心であり、様々な価値観を理解できる素養です。いくつかの選択肢を患者さんの前に並べるだけではなく、その人の人生において最良の選択肢を一緒に考えられる医師、看護師になってほしいと思います。
今、本学はWith and Afterコロナ社会において、「新たな社会の創造をリードする大学」を目指しています。学部及び研究科に入学した皆さんが、これから本学で多くの教養と専門知識を身につけ、研究を進め、そしてそれらの過程で自分を磨くことにより、将来、社会になくてはならない存在、さらには新しい社会を切り開く存在となることを強く願っています。
皆さんがこれから本学で、人生の宝物となるような時間を過ごすことを祈念し、私の式辞と致します。
新入生の皆さんは、この1年間、新型コロナウイルス感染症が拡大していく中で様々な制約を受けながら、勉学に励まれたことと思います。また、それに加えて入試改革もあり、多くの点において手探りの受験だったと思います。これらの困難を乗り越えて本学に入学された皆さんを、心から歓迎します。
さて、横浜市立大学は、7年後の2028年にその始まりである横浜市立横浜商業専門学校創設から数えて創立100周年を迎えます。また、本学の附属病院は、その始まりである西洋式病院である横浜仮病院開設から数えて今年150周年を迎えます。この病院は、明治7年には十全病院と改名して東洋一の設備を誇り、コレラや天然痘などの輸入感染症の拡大阻止に大きな役割を果たしました。
この伝統、すなわち、国際的商業都市である横浜の地で多くの人材を輩出しながら地域経済を支え、附属病院では輸入感染症の脅威と戦うという伝統は、今も変わらず受け継がれています。最近では、横浜港に寄港したクルーズ船内で発生した新型コロナウイルス感染症に、附属病院と附属市民総合医療センターが高度機能病院として即座に対応しました。また、感染が拡大する中で昨年度創設されたデータサイエンス研究科と医学部が共同で疫学調査を行い、社会で大きな注目を集めました。これは本学だからこそできる異分野融合の研究と社会貢献の1例ですが、他にも各学部で独自性のある研究を進めています。このように、本学は横浜と共に発展し、今では4キャンパスにみなとみらいサテライトキャンパスを加え、5学部6研究科を有する総合大学として、世界に羽ばたこうとしています。
さて、新型コロナウイルス感染症の拡大は社会のありかたを一変させ、世界中の人々に新たな社会の創出を促しました。ワクチンの普及により、いずれ感染症は克服されることが期待されますが、世界が元に戻ることはありません。
このダイナミックに変革していく社会の中で、大学教育に求められることは、「異なる価値観と多様性を理解するための教養」と「高度な専門性」、そして「自分で考え行動する力」を身につけることです。より発展した社会を作りだすためには、先進的な研究や技術開発が必要ですが、それと共に、新しい社会を支え、文化として発展させるための豊かな教養も必要です。
また、皆さんにはこの青春の多感な時期に、できるだけ多くの人と関わることをお勧めします。周囲の人の心のありようを十分に理解した上で、自分の思いや考えを、自分の口から出る言葉で表現できる能力を、しっかりと身につけてほしいと思います。そして、それは人として生きるために必要な「優しさと強さ」を養うことにも繋がります。
医学部に入学した皆さんは、1年間の教養教育の後は、ひたすら座学と実験・実習で医学、看護学を学びます。医学の進歩はめざましく、皆さんが身につけなければならない学修内容は、過去の何倍にもなっており、厳しい学生生活が続きます。加えて言いますと、よき医療者になるために必要なものは、医学の知識だけではありません。それは人を思いやる心であり、様々な価値観を理解できる素養です。いくつかの選択肢を患者さんの前に並べるだけではなく、その人の人生において最良の選択肢を一緒に考えられる医師、看護師になってほしいと思います。
今、本学はWith and Afterコロナ社会において、「新たな社会の創造をリードする大学」を目指しています。学部及び研究科に入学した皆さんが、これから本学で多くの教養と専門知識を身につけ、研究を進め、そしてそれらの過程で自分を磨くことにより、将来、社会になくてはならない存在、さらには新しい社会を切り開く存在となることを強く願っています。
皆さんがこれから本学で、人生の宝物となるような時間を過ごすことを祈念し、私の式辞と致します。
令和3年4月5日
横浜市立大学 学長 相原道子
横浜市立大学 学長 相原道子