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令和元年度卒業生へ ~窪田学長から贈る言葉~

2020.03.25
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横浜市立大学 窪田学長から卒業生へ贈る言葉

第20・21代 学長 窪田 吉信(一作年の卒業式にて)

卒業おめでとう。皆さんは私達の「誇り」です。

『何事も自分の糧にし、前を向く』

 卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
 今まで卒業生を支えてこられたご家族や保護者のみなさまにも、心よりお慶び申し上げます。
皆さんと供に卒業式典を行えないことは、私自身も今年度をもって任期満了により、学長を退任、いわば卒業をするだけに、大変残念です。しかし、卒業生の皆さんは、この横浜市立大学で学び、立派に卒業されることに変わりはありません。

 皆さんは、この横浜市立大学で「課題を見つけ、解決する力」、「コミュニケーション力」、「教養」、そして、それぞれの「専門力」をしっかり身に付られました。プラクティカルEnglishをはじめとする共通教養教育、研究室やゼミでの専門的な学修、また、海外フィールドワークや病院での臨床実習、卒業論文や学位論文の作成、国家試験、研究発表などなど、どれも苦労の多い学びでしたね。本当によく頑張りました。 これまでの努力は、皆さんの真の力として着実に、身についています。

 皆さんが学生生活を過ごした“横浜”の街は、積極的に新しいものを取り入れ、日々発展している国際都市です。この“横浜”での様々な体験を通じ、多様な価値観やグローバル化への対応など、多くの事を皆さんは知らず知らずのうちに学んでこられました。ぜひ、そのことに誇りをもち、自信を持ってこの横浜から羽ばたいてください。

 皆さんの門出にあたり、私は学長として1つだけ伝えたいことがあります。それは、「何事も自分の糧にし、前を向く」ということであります。皆さんが歩まれる社会は複雑化し、予期せぬ事の出現など、大きく変貌しています。そのような中では、視野を広げ、あらゆる出来事を貴重な経験ととらえ、何事も自分の「糧」にする、「前を向く」マインドが必要なのです。皆さんは仕事や家庭、社会生活の中で、時には失敗することや、一歩も二歩も立ち止まることもあるでしょう。そのような時にこそ、試練を「自分の糧にし、前を向く」ことが大切です。

 私事で恐縮ですが、私は一昨年、大学の附属病院に3ケ月間入院し、舌と首の大きな手術を受けました。今も「ハッキリ発音すること」、「食べること」の、リハビリテーションを続けています。一時は、「声を出すことができず」、「ゼリーしか食べられない」状態が長く続き、「どうなるのかな」と思いました。しかし、日々のリハビリ訓練を、「良い学び」であり、「貴重な体験」であると考えると、それが次のステップへの自分の「糧」となり、前へ進むことができました。今は、何とか、しゃべれますし、食べることもできます。昨年は、ラーメンにチャレンジし、今年は八景駅近くで焼き肉を食べることができるようになり、本当に嬉しかったです。

 若い皆さんは、たとえ困難や危機があっても、それらすべてをも、自分に必要なエネルギー、自分の「糧」としていってください。そして、それぞれの夢に向かって、「前を向いて」ください。 必ず新しい展開が生まれますよ。ぜひ、「何事も自分の糧にし、前を向く」ことを覚えておいてください。

 横浜市立大学は、今、創立100周年に向け力強く進もうとしています。
卒業生の皆さんは、この伝統ある、そして、横浜と共に歩む大学の「大切な一員」です。私たちはいつまでも皆さんを応援し続けます。
横浜市立大学で育ったすばらしい皆さんは、私達の「誇り」です。

結びになりますが・・・、卒業本当におめでとう。
令和2年3月25日
横浜市立大学 学長
                                     窪田 吉信
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