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Yokohama D-STEPを開講! さらに進むデータサイエンティストの人材育成

2019.05.20
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Yokohama D-STEPを開講! さらに進むデータサイエンティストの人材育成

4月12日(金)【Innovation Space DEJIMA*】(東京都品川区)にて、データサイエンティスト育成事業「Yokohama D-STEP」の開講式が開催されました。

「Yokohama D-STEP」とは、横浜市立大学を中心に東京理科大学・明治大学の3大学共同で行われる「文理融合・実課題解決型データサイエンティスト育成」事業です。
これは、平成30年度文部科学省「超スマート社会の実現に向けたデータサイエンティスト育成事業」に採択された事業で、横浜市内のみならず我が国の社会的、経済的課題をデータサイエンスで解決できる人材育成のプラットフォームを構築し、5か年で約200人の高度データサイエンティスト、約800名のデータエキスパートを産学官連携のもとで実践的に育成することを目指すものです。

今年度のD-STEPの受講生は35名。学部生や大学院生、社会人など、データサイエンスの学びに意欲的な方々が集いました。
開講式は、主幹校である横浜市立大学の二見良之理事長、窪田吉信学長からの挨拶で開始。二見理事長は、「産官学連携による大学院修士レベルの高度な内容をここで学び、キャリアに活かしてほしい」と述べ、窪田学長は「横浜市立大学は、世の中の新しい流れや将来を見据えて、社会の役に立てるよう改革を進めている。皆さんにはぜひ、このD-STEPのプログラムで学びを深化させてほしい。」と話し、受講生へエールを送りました。
来賓の文部科学省高等教育局の加賀谷氏からは「政府でも活発な議論がなされているデータサイエンス分野だが、人材が不足している。その解決となるのがこのプログラムであり、ここでよく学び優秀なデータサイエンティストとして羽ばたいていってほしい」との言葉をいただき、期待の大きさが伺える場面も。
これに応えるように、プログラムを運営する3大学の代表者(横浜市立大学学長補佐山中竹春教授、東京理科大学理学部瀬尾隆教授、明治大学先端数理科学研究科乾教授)がそれぞれ決意を語り、この『D-STEP』に力を注ぎ、全面的にバックアップすることを誓いました。
開講式に続き行われたのは、記念すべき第一回目の講義「PBL演習」です。横浜市立大学の山中教授による「概論、データ分析の流れ」と題した講義は、その講義スタイルがかなり印象的。山中教授は終始、センターステージから周囲の受講生に語りかけ、距離感をフルに生かしたスタイルで、熱意を伝えました。
講義では、社会構造の変化が大きく影響し、データサイエンティストが求められるようになった今、データサイエンスの本質と重要性について、あらためて見つめなおす必要があると示唆。
ビッグデータが生まれる背景として、超高齢化社会による労働力不足や労働生産性が低い現状といった日本独自の問題などに加え、実際のEBPM(Evidence Based Policy Making…根拠に基づく政策決定)の事例を紹介しました。
事例として取り上げたもののひとつは、19世紀にイギリスで大流行したコレラの話。データを元に感染症の発生源を推論して、感染拡大を防ぎ人々を救ったこと、つまりはデータサイエンスの力によって問題を解決したことに触れ、データを分析することが課題解決にいかに重要であるか語りました。
約40分の講義を終え、山中教授は「皆さんがD-STEPを終えた後に、データサイエンスをもっと学びたい、D-STEPの授業だけでは物足りないと思ってもらえると嬉しい」とコメント。後半の講義にバトンを渡しました。

後半では2つの講義を実施し、ひとつ目は、横浜市立大学データサイエンス学部の田栗正隆准教授の講義。本学が横浜市の消防局とともに分析を行った行政機関におけるデータ分析活用の事例をもとに、課題の発見からデータ定義、データ分析、提案の完了まで、データ分析の流れについて詳しく説明がありました。
二つ目は横浜市立大学医学部臨床統計学教室の窪田和巳講師によるロジカルシンキングの講義。データを使って課題を解決する際に、その基本となる問題解決-Problem Solving-思考の重要性について述べ、この思考法が、適切に本質的な課題を設定するうえで大切になると語りました。プロジェクトの中で意思決定のコミュニケーションに必要な思考、ロジカルシンキングについて解説したのち、グループワークを行いながら概念の理解へ。ロジカルシンキングは、データを活用するうえで課題をしっかり発見してまとめていくための基礎となる思考法であることを学びました。

初日は開講式に始まり、3つの講義まで合計3時間半にわたる密度の濃い一日で、真剣に学ぶ受講生のまっすぐな視線と熱気に包まれた場となりました。
D-STEPを通じて多くのデータサイエンス人材を育成することで、データで社会課題を解決できる人材を輩出する、これこそがD-STEPの使命であり横浜市立大学の目指すところです。これからもD-STEPを通じた人材育成の取り組みは続きます。

*Innovation Space DEJIMA(東京都品川区)
ビジネスアイデアの創出や各種ワークショップを開催するための専用スペースとして伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が運営。 柔軟なテーブル配置により、様々な形式のワークショップや講義が可能。D-STEPのPBLの講義は、主にここで行われる予定。
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