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国際総合科学研究科 足立准教授、日本化薬株式会社 豊田研究員らの共同研究がJournal of Biological Chemistryに掲載

2008.07.17
  • プレスリリース
  • 研究
本学国際総合科学研究科 足立准教授、日本化薬株式会社 豊田 研究員(平成19年まで本学の共同研究員)らの研究チームによる共同研究「NK314, a topoisomerase II inhibitor that specifically  targets the α isoform」が、伝統ある米国科学雑誌 Journal of  Biological Chemistry に掲載されました。
 本研究では、従来の分子生物学的手法や細胞生物学的手法に加え、ヒト遺伝子ノックアウト法を駆使した独自の研究手法により、 新規殺細胞性抗がん剤NK314の細胞内標的がトポイソメラーゼ IIαであることを明らかにしました。トポイソメラーゼIIを標的とする抗がん剤は数多く存在し、臨床でも広く用いられていますが、トポイソメラーゼIIβには影響せずトポイソメラーゼ IIαだけを標的とする化合物の報告は世界で初めてです。このためNK314
は、強力な殺細胞効果をもつ、副作用の少ない抗がん剤としての期待が高まります。

補足説明:トポイソメラーゼIIは、細胞の核に存在している酵素で、DNAの高次構造の調節を行っています。ヒト細胞には2種類の異なるトポイソメラーゼが存在しています。トポイソメラーゼ IIαは細胞増殖に必須な酵素で、特にがん細胞で発現が高いことが知られています。一方、トポイソメラーゼIIβはどの細胞にもほぼ一定に存在していますが、二次発がんとの関連が指摘されています。


※本研究は以下の研究により行われました。

●横浜市大共同研究(II型)「トポイソメラーゼが関わる抗癌作用の基礎研究」
●横浜市大研究戦略プロジェクト「標的ヒト遺伝子破壊システムの整備および疾患遺伝子機能解析への応用」
●文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「染色体サイクル」、特定領域研究「応用ゲノム」、基盤研究(C)
掲載写真

(上)ヒト細胞の培養
(左)NK314の構造
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