閉塞性肺疾患(気管支喘息、COPD等)
外来通院患者さんの中で最も多い疾患です。気管支喘息は日本人の約8%、約1000万人の患者さんがおり、COPDにおいても40歳以上の成人の8.6%、530万人以上の患者さんがいると推測されています。気管支喘息、COPDについては、それぞれ日本アレルギー学会、日本呼吸器学会の診療ガイドラインがそれぞれ2021年、2022年に改訂され、ともに部長の金子が作成に携わっており、当科ではこれらの診療ガイドラインに基づく治療を行っております。また、金子は、その他にも、気管支喘息とCOPDが合併したACOのガイドライン、難治性喘息診断と治療の手引き、喘息診療実践ガイドライン、咳嗽・喀痰の診療ガイドライン(喀痰セクション責任者)の作成にも携わっております。特に咳嗽・喀痰の診療ガイドラインは、世界初の喀痰のガイドラインとなっています。
気管支喘息の重症例に対しては、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5受容体抗体、抗IL-4/IL-13受容体抗体、抗TSLP抗体を用いた治療法も導入しております。なお、これら生物学的製剤の適正使用を目指すべく2025年4月に「難治性アレルギー疾患(喘息)センター(仮名称)」を、当院耳鼻咽喉科、皮膚科との連携のもと開設することになりました。COPDに対しては、薬物療法を中心として禁煙指導、呼吸リハビリテーションなどを加えた包括的な管理を行っています。慢性呼吸不全をきたした症例に対しては、在宅酸素療法や非侵襲的呼吸療法(NPPV)を取り入れた在宅呼吸管理を導入しております。在宅ケアが今後ますます重要となる中で、私たちは患者さんのニーズにあった在宅酸素濃縮器を開発し、実際に患者さんにご使用いただいております
左:バイオ製剤使用前、右:バイオ製剤使用後)

