横浜市立大学附属病院では2014年からロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)を導入し、既に4000件以上の治療を行っています。ダ・ヴィンチ手術は、従来の腹腔鏡手術をさらに進化させ、患者さんの負担(侵襲)が少なくなるよう開発された、最新の低侵襲手術です。横浜市立大学附属病院では、熟練した医師たちによるダ・ヴィンチ手術を、さまざまな疾患に対して行っております。
現在は、ダ・ヴィンチXi、5、SPの3台体制で運営しております。
ダ・ヴィンチ5は従来機(Xi)にはなかった触覚が追加されたことによる術者の操作性向上が特徴です。データ処理能力も向上したことにより手術時間が短縮され、患者さんの負担も軽減されます。
ダ・ヴィンチSPはアームが1本であることが大きな特徴であり、これにより切開箇所が少なく整容性が高いというメリットがあります。
ダ・ヴィンチ5、ダ・ヴィンチSPの2機種を同時に導入している施設は、神奈川県内では当院が初となります。新たな機器の導入により、根治性、安全性、低侵襲性、整容性を考慮した最適な術式を提案する体制が整いました。



「ダ・ヴィンチ手術」はこれまでの腹腔鏡手術の弱点を克服し、利点をさらに進化させた手術方法です。ビデオカメラで体の中を観察し、鉗子と呼ばれる複数の手術器具で手術をする点については、これまでの腹腔鏡手術と変わりありません。ダ・ヴィンチ手術では、術者が鉗子を直接握るのではなく、患者さんの隣に置かれたコンソール(コクピット)に座り、アームを操作する事で手術を行います。術者の手の動きはリアルタイムに鉗子先端の動きとして再現され、精密な手術が行われます。
「ロボット手術」と言うと、ロボットが自動で手術を行うイメージを持たれる方がいますが、そうではありません。あくまで、術者の精密な手の動きを再現しつつ、体への負担を最小限に抑えたのが、ダ・ヴィンチ手術です。



これまでの腹腔鏡手術も、傷は小さく、体への負担を減らすことが出来ていました。しかしながら、腹腔鏡の鉗子は曲がらないため直線的な動きしか出来ず、行きたいところに鉗子が届かない「可動域制限」が、腹腔鏡の最大の弱点として指摘されていました。
ダ・ヴィンチの鉗子には多数の関節が付き、鉗子の自由度が上がったことにより、体の奥深くにおいても人間の手のような複雑な動きが可能です。つまり、可動域制限を克服したのがダ・ヴィンチの最大の特徴と言えます。鉗子の先端には様々な種類があり、多様な手術操作を行うことができます。



もう一つのダ・ヴィンチの特徴が、「3D視野」(立体視)です。術者が座るコンソール(コクピット)では、右目と左目の両方から視野を得ることが可能であり、3D視野による正確な位置感覚に基づきながら、操作を行うことが可能です。
その他、術者の手の振幅を小さくする「モーションスケール機能」が備わっており、より精密な手術が可能となりました。
ダ・ヴィンチは、1997年より臨床応用され全世界で約11,000台以上)が稼動しています。日本では、2009年11月に本機器が薬事承認され、2026年現在、国内で850台以上が稼働しています。これまで全世界で1,800万例を超える症例でダ・ヴィンチ手術が施行されており、その安全性や有用性に関する報告は年々増え続けています。
当院では2014年5月に本機器を導入し、現在では前立腺がん、腎がん、膀胱がん、腎盂尿管移行部狭窄症、食道がん、胃がん、直腸がん、結腸がん、膵がん、子宮体がん、肺がん、縦隔腫瘍、咽喉頭がんに対してダ・ヴィンチ施行しています。
実際のロボット手術の執刀は、ダ・ヴィンチの開発元であるIntuitive社が発行するロボット手術術者認定証を有し、かつ横浜市立大学附属病院手術部門運営委員会で認定を受けた術者が行います。
当院では、ダ・ヴィンチ手術の導入を検討されている医師およびコメディカルスタッフの皆さまに向け、トレーニングの一環としてロボット支援手術(ダ・ヴィンチ手術)の症例見学を受け入れています。
今後も、安全で質の高い手術を提供するとともに、より高度で身体への負担が少ないロボット手術の普及と発展に貢献してまいります。
以下のページで、当院の各領域担当者がダ・ヴィンチ手術の詳細を解説しています。是非ご覧ください。