当院における直腸癌ロボット支援下手術は2015年10月から行っており、神奈川県内で最も早く保険適応となりました。県内で最も多いロボット直腸手術症例を経験しております。2022年7月からは結腸癌に対してもロボット支援下手術が保険診療できるようになりました。これにより、大腸癌すべてにおいてロボット手術が可能となりました。また、日本内視鏡外科学会認定ロボット手術プロクターが在籍し、安全・確実なロボット大腸癌手術の実践に努めています。
数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。
従来の腹腔鏡は2次元の画像でしたが、ダ・ヴィンチ手術では3次元画像による腹腔鏡下手術であり、奥行きのある、より立体的な高画質画像で手術を行うため、より正確かつ安全に手術を行うことができます。
直腸は、排尿や性機能に関係する神経に囲まれています。ダ・ヴィンチ手術ではこれらの神経を可能な限り温存し、からだに優しい手術を実現します。
従来の腹腔鏡下手術で用いる鉗子は、直線的な動きしかできませんでしたが、ダ・ヴィンチ手術では多関節機能をもった鉗子によって多彩な動き(関節の360度回転など)が可能であり、従来の腹腔鏡では困難であった手術操作が可能です。
ダ・ヴィンチの鉗子には多数の関節が付いており、多彩な動きが可能です。
術者の手による大きな振幅は、体の中では小さな振幅として再現されるため、より精密な手術が可能となります。
医師は「サージョンコンソール」とよばれる操縦席に座り、拡大された高解像度3次元立体画像を見ながら、両手で「ダ・ヴィンチ(Xi)」を操作します。画像が3次元化され、より正確かつ安全に手術を行うことが可能になりました。
医師の手の動きを正確かつ繊細に再現して、手術を行うのがペイシェントカートです。ペイシェントカートの鉗子には人間のように関節があり、腹腔鏡下手術では不可能だった「手」のような動きを再現できます。ダ・ヴィンチは手術を支援するロボットであり、手術操作は医師が行い、オートメーションでロボットが行うわけではありません。
「ビジョンカート」のモニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフも同じ画像が共有されます。
直腸癌は2018年4月から、結腸癌は2022年4月から保険収載され、横浜市立大学附属病院は施設認定を受けているため、保険診療となります。費用は通常の腹腔鏡下手術と同様となります。実際のロボット支援下手術(ダ・ヴィンチ手術)の執刀は、ロボット手術術者認定証を有し、当院で定めた術者基準を満たした者が行います。
現在、当院では以下の5名を中心とし、安全で質の高いロボット大腸手術を行っています。ご不明点などありましたら、お気軽にお問合せください。
石部敦士 (消化器外科) |
日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸) 日本内視鏡外科学会認定ロボット手術プロクター 日本ロボット外科学会専門医 |
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小澤真由美・中川和也 (消化器外科) |
日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸) |
風間慶祐・玉川洋 (消化器・一般外科) |
日本内視鏡外科学会技術認定医(大腸) 日本ロボット外科学会専門医 |