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今回はYCU医学部を卒業し医療現場で活躍する2名の方をご紹介します。ひとりは、横浜市立大学附属市民総合医療センターで総合診療医として勤務する石塚晃介さん。もうひとりは、横浜市立大学附属病院で看護師として働く中村祐太さんです。現在の業務や、学生時代に学んだことについてインタビューしました!


包括的統合アプローチで
症状の原因を究明していく


現在の主な業務内容ついて、教えてください。

総合診療医として主に横浜市立大学附属市民総合医療センターで勤務し、週1回は附属病院でも勤務しています。大学病院は、どんな医療機関にかかっても診断がつかず、疾患も分からない患者さんが藁にもすがる思いで訪れる「最後の砦」です。もし自分が匙を投げれば患者さんには後がない、そんな思いで日々向き合っています。具体的には、長期的かつ横断的な見方でないと診断がつかない場合や、各専門家の隙間に落ち込んだ病気や、複合的な原因で診断が困難な病気の患者さんに対して、どのような治療が最適なのかという診断を行っています。
一方、週1日は、医師不足地域で医療に関わっています。こちらでは「ゲートキーパー」、つまり「すべての症状の入り口としての病院」という意識をもち、症状に悩む方の診断や治療を行っています。風邪など急性疾患に素早く対処すること、生活習慣病を含めた慢性疾患の管理をすることが多いです。地域の特性や患者さんの生活背景を含めたマネジメントを意識しながら勤務しています。


業務において、意識していることや心がけていることはありますか?
書類は、総合診療科で最も大切な問診票、HADSという精神症状を評価する質問票、デルマトームという症状の分布を確認する領域図。そのほかは平衡感覚を調べる音叉や、神経診察のための打腱器、病歴が正確か確認するための認知症評価キット

医師として大切にしているのは、患者さんの症状に対して、包括的に診ることと同時に、統合されたアプローチを行うことです。
特に大学病院では「原因不明の患者さんを診断して原因を突き止める」ということが大きな役割です。患者さんと信頼関係を築きながら、診断に「決着をつける」ことが求められます。そのため、診断に見合った、丁寧な病状説明を心掛けています。そうやって患者さんと向き合うなかで、今までなかなか診断がついていなかったり、複合的な原因で診断が難しかったりした方に適切な診断がつき、その後のマネジメントや治療の介入に繋がった場合、とてもやりがいを感じますね。


YCUを選んだ経緯について、教えてください。

もともと理系で、「日々人の役に立ち、成果を出せる」仕事に就きたいと思い、医師を目指すようになりました。高校生の時に横浜市立大学のHPを見て、横浜の都会的な景色と、神奈川県の医療を中心になって担っている様子に心を打たれました。「横浜の医療は全国的に最先端をいっている」と感じていました。
また、高校生までは千葉県に住んでいたので「同じ千葉県内ではなく、外に出てチャレンジしてみたい」という思いもありました。一方で、地元への愛もあったため「地元から離れてはいるけど、そこまでは遠くない」という絶妙な距離感で、横浜という立地は魅力的でした。


学生時代で印象に残っている出来事はありますか?
YCUの最大の魅力は一緒に医学を学ぶ仲間の存在だと話す石塚さん。「学年代表」という立場でクラスをまとめあげた経験は、今にも大きく活きているという。写真は、石塚さんが学年代表として答辞を読んだ、思い出深い卒業式でのひとコマ(左から4人目が石塚さん)

2010年入学組の「学年代表」として、いわゆる学級委員のような役割を6年間務めたことです。学年行事のイベント、試験を皆で対策するなど、学年に関わる業務を色々と経験できました。約90人いる学年全体をまとめつつ「試験に合格できるように」「進級できるように」とみんなで協力できるよう働きかけました。大学受験の時は基本的に個人プレイが主でしたが、大学では自分の勉強のことだけでなく、学年全体での役割を担ったことで視野が広がりました。学年代表としての立場で教授の先生方と話す機会も多く、非常にやりがいのある役割でした。


YCU医学部での経験で、現在に活きていると感じることはありますか?

YCUで学んだ6年間のなかで今も生きていることは「仲間の存在」です。一緒に医学を学ぶ仲間とともに、6年間ゆっくりと友情をはぐくむことができたと思います。人数は一学年90人程度と医学部の中では全国で最も少ないですが、全員非常に仲が良く頼りになる仲間ばかりです。
毎日のたわいない会話もそうですが、将来や悩みを語り合ったり、ほぼ全員参加で一緒に旅行をしたり…。他の大学ではなかなか経験できないことではないかと思いますね。
実際に、大学全体の空気が温かいです。学生さんや職場にここまで温かい空気が流れているところは、なかなかないと感じています。附属市民総合医療センターや附属病院で大学の同期と再会することはたびたびありますが、とても楽しみであり同時に刺激も感じています。


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!

YCUが神奈川県の医療の中心を担っていることは、医師として働く今の立場から見ても大きな魅力です。多様な経験が、神奈川県内で完結できるというのは重要な点だと言えるでしょう。
今まさにYCUを目指して頑張っている受験生のみなさん、努力は必ず報われます。最後まで粘り強く頑張り抜いてください。





専門的な指導のおかげで
現場で使える実践力が身に付いた


現在の主な業務内容について教えてください。

横浜市立大学附属病院看護部の、泌尿器科と皮膚科の混合病棟で働いています。
患者に効率よく安全で確実な看護を提供することを目的に、看護師の勤務は1組2人のペアで、日勤では10人程度の患者さんを担当します。朝、患者さんの情報をカルテで収集したあと、午前中に一通りみなさんのところを回り、検温やケア、処置を行います。午後は全体で患者さんのカンファレンスや業務の相談、進捗の共有を行います。その後、残ったケアや処置を行い、都度、看護記録を記載していきます。再度患者さんのところを回り、翌日の予定や病状に異変がないかを確認したら、最後に、夜勤の看護師へ引継ぎをして業務終了です。


業務において、意識していることや心がけていることはありますか?
写真は毎日必ず使用する看護グッズの数々。聴診器、消毒綿、点滴のための針や輸液ルート、腕を縛るためのゴムなど。その他にも感染対策として消毒剤や手袋なども用意する。看護師は、これらを準備し、パソコンを乗せたカートを押して移動しながら、担当する患者さんのところを回っていく

多様な背景をもつ患者さん一人ひとりと向き合い、療養生活に何を望んでいるかを丁寧にくみ取っていくことを意識しています。
勤務している病棟にはがん患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんの状況はさまざまで、根治を目指した手術をされる方から、終末期と呼ばれる段階にある方もいらっしゃいます。患者さんそれぞれのご希望を実現する上で、うまくいかないこと、大変なことも多いです。
しかしだからこそ、希望する療養生活の実現への一助となれた時や、感謝される場面があると、とても嬉しく、やりがいを感じます。その瞬間が、仕事をするうえでの活力になります。


YCUを選んだ経緯について、教えてください。

もともと看護の道を選んだ理由は、疾患による悩みや不安を抱える人の助けになりたいと思い、患者さんにとって身近な存在である看護師だからこそできることがあると考えたからです。そして進路選択では、総合大学の看護学科であることを優先に探しました。他学部の学生と交流したいと考えたからです。
そうやって総合大学を比較していくと、学修の基礎となる教養科目を大切にしている点、教員との距離が近く、手厚い教育を受けられる点に惹かれ、YCUを選択しました。また、高度でかつ安全な医療を提供している附属病院があり、実践的な学習環境が充実していることもYCUを選択した理由のひとつです。


学生時代で印象に残っている出来事はありますか?
大学時代の実習で、患者さん役の学生をストレッチャーで運んでいるところ。場所は看護教育研究棟の屋上

学生時代は臨床実習に力を入れて取り組んでいました。授業で習ってきた疾患や症状、看護理論を、実際の現場で展開する経験を積み、実践力が身に付きました。
また、特定機能病院である附属病院で最先端の医療現場を見られたことも刺激になりました。看護師さんたちが根拠を大事にしながら業務にあたっている姿も印象に残っています。
実際に病院での勤務がスタートすると、毎日多くの患者さんを担当することになります。臨床実習の時間に患者さんとじっくり向き合い、看護のプロセスについて考えられる時間は貴重なものだったと実感しています。


YCU医学部での経験で、現在に活きていると感じることはありますか?

総合大学であるYCUだからこそ、他の学部の人から授業などの話を聞く機会が多くありました。おかげで、さまざまな分野への見識が広がったように思います。大学の時に幅広い分野の人とコミュニケーションを持つことができたおかげで、患者さんとの会話もスムーズにできています。このコミュニケーション力は大学時代に培われたものです。


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!

YCUは学生同士だけでなく、先生方との距離が近いことがとても魅力的です。所属したゼミは、少人数で、卒業研究でも手厚いご指導をいただきました。直接先生から学んだ知識は記憶に残りやすく、病棟で勤務している時にも、看護を考える指針になっています。さまざまな専門性を持った先生方がいて学生一人ひとりにあわせて対応してくれるのでとても心強いです。受験はとても緊張すると思いますが、YCUでの素敵なキャンパスライフを想像しながら、皆さんのペースで最後の最後までつき進めるよう祈っています!

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(2024/06/06)

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