社会で活躍するYCUの卒業生を紹介するこの企画。今回登場する2名のうちひとりは、データサイエンス学部でデータ分析を学び、富士通株式会社でシステムエンジニア(以下、SE。)としてシステム刷新プロジェクトに携わる出野遥さん。もうひとりは、株式会社資生堂で化粧品の研究開発に携わる森下樹里さん。おふたりに、現在の仕事のことや、学生時代のエピソードなどを伺いました!
スキルや知識を磨き、世界をつなぐ存在になりたい
今の仕事を選んだ理由やきっかけを教えてください。
IT業界に興味を持ったきっかけはCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響でした。ウイルス感染を防ぐために対面での交流が難しい状況が続きましたが、オンライン授業やオンライン飲み会などを通じて人とのつながりを保つことができました。奇しくもコロナ禍で、ITが人々に与える影響の大きさを実感し、同時にITの可能性を感じたことがその後の進路を決定づけた気がします。
就職活動は、IT関連企業でのインターンシップを複数経験しましたが、中でも最も魅力を感じたのは富士通でした。2週間という短い期間でしたが、社員の方々の挑戦と変革を追求する姿勢に感銘を受け、将来は国際的に活躍したいという夢の実現に向けて入社を決断しました。
現在の主な業務内容ついて、教えてください。
現在、さまざまな企業やお客様のニーズにあわせたシステム開発や運用保守サービスを提供することを目的とする部署に所属しています。私はSEとして、製造業のお客様向けのシステム刷新プロジェクトに携わっており、古いシステムから新しいシステムに変えていくかなり大規模なプロジェクトです。
業務を進めていくには海外メンバーとの協力が欠かせません。入社前から海外と関わりながら仕事をしたいという想いがあったため、今の業務に携われていることをとてもありがたく感じている毎日です。
業務において、「大変なこと」や「やりがい」を教えてください
インドやフィリピンなどの海外メンバーとの連携は、さまざまな点で注意が必要であることを日々実感しています。言葉の壁や文化の違いを乗り越え、業務をスムーズに進めていくことが課題です。日本人同士だと略語や雰囲気でも伝わることが多いのですが、海外の方とやり取りする際は、自分の言葉できちんと伝えることが大切なのだと学びました。
まだまだ自分の語学力、技術力は未熟なので、自力で解決できることは限られます。それでも、通訳を介さずに直接海外メンバーとコミュニケーションを取りながら業務を遂行できた時は、小さな成功としてやりがいを感じます。
現在の業務ではまだ基本的なことしかできていませんが、より高度な技術力と深い知識を身に付け、スキルを磨き、専門的にもっと踏み込んだ仕事の話ができるSEとして成長したいと考えています。将来的には、世界に何かしらの形でつながりを築く存在になりたいですね。
YCUを選んだ経緯について、教えてください。
高校生の頃、なんとなく数学を使う学部に進学したいと思っていましたが、数学を使って何をやりたいのかという具体的な方向性は不明確でした。データサイエンスという学問があることを知ったのは、いよいよ進学先を決定しないと…という頃です。
他大学と比べ、YCUのデータサイエンス学部では医療、社会、スポーツ、金融、教育など幅広い分野のデータを活用して学ぶことができるので、自分の視野を広げつつ、将来の可能性も広げていくことができそうだと感じました。データサイエンスについて多岐にわたる知識を得られる、という点がYCUを選ぶ決め手になりました。
学生時代、特に力を入れた学びは何ですか。
大学2年次の時、大西暁生先生の授業で「QGIS」(※)を使用し、これまで数字のみで表されてきたデータを地図上にビジュアル化する楽しさを知り、その奥深さに魅了されました。卒業研究では「QGIS」を活用して、自分の生まれ故郷である「石川県における人口の社会増減の要因把握」というテーマでデータ分析を行いました。
※「QGIS」は、誰でも自由に、無償で使えるオープンソースのデスクトップ 「GIS」 ソフトです。「GIS」は、空間情報をコンピュータ上で作成・保存・利用・管理・表示・検索ができるシステムで、科学調査や施設・道路の管理、都市計画など、さまざまな分野で活用されています。
YCUでの経験で、現在に活きていると感じることはありますか?
主にインドやフィリピンなどアジア圏のメンバーと連携しながら業務を進めていますが、基本的にやり取りは英語。大学2年次に受けた「APE(Advanced Practical English)」というかなり実践的な英語の授業でコミュニケーションスキルを磨いてきた経験が、現在の海外の方と一緒に仕事をしていく基礎になっているように思います。
また、卒業研究では、さまざまな解析手法を試みたり、膨大なデータを扱ったり、色々と試行錯誤しながら取り組みました。大西先生のサポートを受けつつ、卒業研究を通じてコツコツと地道に取り組んでいく粘り強さが身に付いた気がします。
学生時代、課外活動などは行っていましたか?
大学3年次にCOVID-19のパンデミックで対面での交流が制限されてしまってからは、オンライン英会話を始めました。友達に会えないことがとてもつらく、とにかく人とコミュニケーションをとりたい!と思ったので。その頃は時間に余裕があったので、1日に2回、3回、時には5回受講することがありました。現在も続けていますが、1日1回が限界ですね(笑)。
高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!
大学生活ではCOVID-19のパンデミックによる生活・行動様式の変化、就職活動、卒業研究などでさまざまな困難に直面しました。しかし、学びの面においては研究室の先生やデータサイエンス学部や他学部の先生が、就職活動についてはキャリア支援センターの方々が常に寄り添ってサポートしてくれました。温かく密なコミュニケーションが自然と築かれていく、良い意味でこぢんまりとしているところがYCUの良さですね。
学生時代を含め、今までの経験すべてが今の自分につながっている、と社会人になってから感じることが多々あります。受験勉強は大変ですが、受験生として過ごす毎日が将来につながる大切な一歩だと思って、頑張ってほしいと思います。
YCUで育んできたスキルで「好き」を究め続けたい
今の仕事を選んだ理由やきっかけを教えてください。
「なんでこんな色が出るんだろう」「保湿効果がある成分って何だろう」——幼少のころから店頭に並ぶ化粧品を眺めるのが好きで、その成分や製造過程にも興味津々でした。高校時代には成分表を確認しながら口紅などを自作するほど。美容部員に憧れた時期もありましたが、YCUへ進学してからは、1年次から研究に参加できる「理数マスター育成プログラム」に参加し、化粧品に含まれる成分の研究に没頭しました。
この経験から化粧品業界でのキャリアを追求したいと就職活動を始め、2社から内定をいただきました。そのなかで資生堂を選んだ理由は、日本発のグローバル企業であることと、品質を最優先にするビジョンに共感したためです。夢だった大好きな化粧品に携わる仕事に就くことができ、充実感にあふれた毎日を過ごしています。
現在の主な業務内容について、教えてください。
サプライネットワーク領域でプロダクトエンジニアとして入社しました。サプライネットワーク領域とは、研究所で試作した商品を大量生産し、安定して供給するために必要な購買や物流などの業務を行う分野です。
サプライネットワーク領域の業務は広範囲にわたっています。ひと言で説明するのは難しいのですが、現在、私が担当する業務は、研究所で開発した試作品を工場で量産化する際に品質の安定性を確保・確認するための検証のほか、研究所やマーケティング担当者と協力しながら、新製品の開発や提供方法について話し合うことも含みます。先輩からも学びながら、自分の担当製品が世の中に出るまで開発に携わっていきます。
業務において、「大変なこと」や「やりがい」を教えてください。
量産化の際の実験は思った通りの結果が得られず、時には予想外の結果にも直面します。そんな時には先輩や上司に相談し、助けを借りながら進められるため、前向きに仕事に向き合うことができています。
携わった中で一番頑張った製品として挙げられるのは、「インウイ」というブランドのパウダーファンデーション。これは昔のブランドを復活させた製品で、入社したての頃に携わりました。初めての業務で戸惑うことも多かったですが、先輩方の協力を得ながら開発を進めました。店舗に商品が華やかにディスプレイされ、それを手に取った時の喜びは格別でした! ブランドの復活と、頑張った成果を実感した素晴らしい瞬間でした。
また、さまざまなことにチャレンジできる職場環境でもあります。語学力を活かし、外国人の上司が現場見学に訪れた際の通訳や、他の業務において英語を必要とする際にサポートすることもあります。こういう点も、やりがいを感じるところです。
まずは現在の職場である掛川工場で化粧品開発の基本となる技術を身に付け、将来的には海外の生産拠点で技術と語学力を活かして活躍し、会社に貢献したいです。
YCUを選んだ経緯について、教えてください。
YCUを選んだ理由は、興味のある分野を自由に研究できる自主研究プログラムの「理数マスター育成プログラム」があることにとても魅力を感じたからです。子どもの頃から興味があった化粧品の成分研究ができる!と思い、志望しました。また、学生と教授の距離が近く、より良い学びが期待できる環境も決め手になりました。
大学入学後、できるだけ早く研究を始めたいという思いがあり、1年次から「理数マスター育成プログラム」に参加して基礎を学びながら、研究に取り組んでいました。
学生時代、特に力を入れた学びは何ですか。
特に力を注いだのはやはり「理数マスター育成プログラム」での研究活動です。成分分析などを主に扱う研究室に参加し、機械の取り扱いやデータ解析、原料の科学的アプローチについて学びました。自主研究では、高校時代に試作した製品の原料に焦点を当て、2~3年次に本格的な研究に取り組みました。個人研究とはいえ、他の研究室の先輩や教授、同期などと協力し合いながら進めることが多かったです。研究以外にも多くの授業や課題があったため、計画的な進め方が必要でしたが、その中で自分の興味を追求し、メリハリをつけながら学ぶことができました。
また、語学力の向上にも力を注ぎました。語学は将来のグローバルな活躍を見据えて継続的に努力しました。
学生時代、課外活動などは行っていましたか?
大学ではテニスサークル(ライトハウス)に所属し、2年次からはサークルの副会長としてさまざまなイベントを企画したり、たくさんのメンバーをとりまとめたりしていました。
テニスの練習だけでなく、クリスマスパーティーや合宿、文化祭の出店など、たくさんの仲間たちと充実した時間を共有しました。
YCUでの経験で、現在に活きていると感じることはありますか?
研究室や自主研究プログラムの経験で得た分析力や論理的思考が、現在の実験業務やデータ分析に活きていると感じています。
また、YCUの国際的な環境でヨーロッパや東南アジアなどさまざまな国から来た留学生との交流を通じて向上させた英語力は、業務でも役立っています。そしてサークル活動ではコミュニケーション力やグループのまとめ方を学びました。仕事上、多くの人との連携が求められる中で、YCUで身に付けたコミュニケーションスキルの重要性を実感しています。
高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!
受験勉強は大変ですが、その苦労に見合うだけの豊かな経験が大学生活で待っています。特にYCUは、自由な研究プログラムや英語などの語学力の向上に力を入れているのも注目すべき特長です。留学に行く学生も多く、キャンパスには多くの外国人留学生が行き交い、英語で行われる理系の授業もあります。
YCUならではの貴重な体験がたくさんあります。楽しく、価値のある学生生活が待っています! 頑張ってください!
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(2024/05/30)