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財務省と有名建材・住宅設備機器メーカーで活躍する卒業生をご紹介!

社会で活躍するYCUの卒業生を紹介するこの企画。今回登場する2名のうちひとりは、YCUでまちづくりや英国の住宅政策を学んだ後、財務省に入省して採用担当の業務に携わる山下理子さん。もうひとりは、あえて苦手としていた分野の研究を推し進めて大学院に進み、現在は株式会社LIXILで環境に配慮した新素材の開発を行っている遠藤翔一さん。おふたりに、現在の仕事のことや、学生時代のエピソードなどを伺いました!


ひとりでも多くの就活生に 財務省の魅力を伝えたい


現在の主な業務内容ついて、教えてください。

財務省の大臣官房秘書課で採用担当をしており、財務省の魅力を伝えられるよう説明会の企画や広報活動を行っています。
説明会の頻度は時期によって変わりますが、2月、3月であればだいたい週に2回、採用活動が本格的になりはじめる6月以降はほぼ毎日開催しています。説明会では企画・提案のほか、参加者の日程調整や当日の運営を行います。それ以外では、HP・SNSを利用した広報活動や財務省独自に作成した採用パンフレットなどを通じ、一人でも多くの方々に財務省で働きたいと思ってもらえるよう、日々業務に取り組んでいます。



業務において、意識していることや心がけていることはありますか?

採用活動をするに当たっては、例えば、より財務省の魅力を伝えることができるのはどのような企画か、多くの受験生に分かりやすい情報を届けるにはどうしたらよいのか、など担当チーム内で色々な意見が出されそれを一つの形にしていく難しさがあります。ですが、一人でも多くの受験生に財務省を志望していただき、良い採用に繋がり、更に凜々しい姿で入省を迎えたときには、非常に大きな喜びがあります。また、私自身がそうだったのですが、就職活動で出会う職員の印象は就活生の方々にとって進路決定に大きく影響する重要なものであり、就活生の皆さんが最初に出会う財務省の職員は私たち採用担当であるということを常に忘れないよう心掛けています。


入省の経緯について、教えてください。

大学では地方自治を専門として学んでいたので、漠然と将来は公務員として働きたいと考えていました。当初は地方自治体を志望していたのですが、就職活動の中で地域にとらわれることなく業務を行うことができる、国家公務員として働きたいと思うようになりました。
そして、数ある省庁から財務省を選択したのは、国家財政を通じて、他省庁の政策分野に携われることや海外にもフィールドが広がっていることで入省後、幅広い経験ができると考えたからです。しかし、それ以上の決め手は、説明会の際に出会った職員の方々の姿です。自分と歳の近い、若手職員の方々の活躍を見て、「数年後、私もこんな社会人になっていたい」という憧れを感じました。入省3年目の現在、入省前に憧れた先輩方の姿からは程遠いかもしれませんが、上司や同僚に支えられながら学びの多い日々を過ごしています。



実際に働いてみてイメージが変わったところはありますか。
大学卒業時に贈られたボールペン。YCUでは多くのことに挑戦する友人と出会えたので、このボールペンを使う時は、そんな友人たちを思い出し、「私も負けないぞ!」という気持ちになり、それが日々の活力になっている。

財務省の業務は、国家予算の編成を始め、国の根幹を担う業務を多岐に渡って行っています。入省間もない係員であっても実際に報道されるニュースに関与するような業務を行っていたり、まさにその業務を自らが係の一員として担当している場合もあります。 しかし、財務省が行うスケールの大きい仕事も実際にその業務が世の中に出るまでには、地道な仕事の積み重ねで出来上がっているんだというのを感じました。例えば、私も説明会の開催に当たっては、企画内容の検討や会場準備の他、アンケートの集計や実際の業務内容に係る情報収集など、その事前準備には地道なものも多くあります。しかし、このような小さな業務の積み重ねが、説明会をより良く行うことに繋がり、新しい人材を迎えることができることに繋がっているのだと思います。


YCUを選んだ経緯について、教えてください。

小学校の時フィリピンから引っ越してきた友人がいたことや、叔父がホームステイの受け入れをしていたことで海外の文化や語学に興味を持ち、高校卒業後は国際的な教育や語学に力を入れている大学に進学したいと考えていました。進学先を絞っていく中で、YCUが国際的な人材の教育に力を入れており、語学や国際分野に興味をもつ仲間と共に学ぶことのできる環境が整っていることを知りYCUを選びました。また、オープンキャンパスで感じた都心の大学とは異なる自然豊かで伸び伸びとしたキャンパスに魅力を感じたのもYCUに進学したいと思うようになった理由のひとつです。



学生時代、特に力を入れた学びは何ですか。

ゼミ活動です。ゼミでは、地方自治論を専攻していましたが、地方自治制度そのものだけではなく防災問題やゴミ屋敷問題など、時には実際に札幌市や秩父市を訪問し行政について幅広く学びました。
そんなゼミでの学習をきっかけに、住環境の大切さを実感し、卒業論文では「緊縮財政下における英国の住宅政策」題材に研究を行いました。緊縮財政下のイギリスで、貧困層に対する住宅政策がどのように変わっていったのかを調べたのですが、そもそもの制度やその変化を理解することはもちろん、その背景にあるそれぞれの国の公共政策に対する考え方等、研究テーマそのもの以外についての知識も必要となり、非常に苦労しました。しかし、卒業論文の執筆を通じて公務員のベースとなる公共政策のあり方を学ぶことできたことは非常に有意義であったと思います。



YCUでの経験で、現在に活きていると感じることはありますか?

たくさんありますが、大学での学びの集大成として卒業論文を執筆したことは、今でも活きている経験のひとつです。研究内容の決定、資料収集から始まり、どのような構成にすることで説得力のある論文にすることができるのか、教授や仲間と近い距離で学びながら、論文を仕上げることができました。特に資料収集では、調べれば調べるほど、その中からどの情報を取捨選択して、どの順番で論を組み立てれば最も説得力のある論文を書き上げることができるのか悩みました。この経験は、職場でも役に立っており、仕事を進めていく中で上司に説明する際、必要な情報は何か、どの順番で説明するのが最も良いか考えることに役立っていると感じています。



学生時代、課外活動などは行っていましたか?
Second Wind Jazz Orchestraで活動中のスナップ(前から2人目)。部活を通じて仲良くなった人は、社会人になった今でも交流のある人が多いのだとか。

部活動ではSecond Wind Jazz Orchestraに所属し、トランペットを担当していました。活動は週2日行われており、例年秋に行われる大会への出場や地域で行われるイベントに参加しました。合宿も楽しい思い出です。部活動を通じて、経営学系や理学系など、授業では全く交流がない学系の人たちと親交を深められたのが良かったです。また、大学2年次の春休みには、短期語学研修に参加し、アイルランドのダブリンでホストファミリーと生活しました。日本以外の国から年齢も文化も異なる学生が参加しているなかでグループワークをしたり、日本とは異なる生活や文化を感じることができ非常に貴重な経験をすることができました。


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!

大学で学んだ4年間は、私にとってとても大切な時間となりました。自然豊かなキャンパスで、思う存分勉強や部活動に打ち込み、教授や仲間に恵まれた4年間でした。国際的な教育に力を入れているYCUに集まる学生の興味や関心は広く、そんな仲間からの刺激は今でも私の活力になっています。勉強に励む受験生の皆さん、YCUで過ごす時間はきっと皆さんの宝物になります。一日一日を大切にして頑張ってください。





将来の誰かの人生/生活を明るくする まだ世にないものを生み出していきたい


今の仕事を選んだ理由やきっかけを教えてください。

現在勤めているのは、技術で私を救ってくれた会社です。私は昔からお腹が弱く、特に冬の寒さは大敵でした。富士山の中で育ったのですが、中学時代の学生用のトイレにはシャワートイレがついていませんでした。偶然使用した教員用トイレで初めてそれを使用した時に、腹痛がやわらぎました。笑い話のようですが、私にとっては大きな出来事だったんです。技術で人の不安を解消できるというのは、本当に素晴らしいなと思いました。このシャワートイレ、いわゆる温水洗浄便座の概念を日本で初めて導入したのがLIXILでした。私も技術でたくさんの人の人生を明るくしたい、救いたい、と思ったのが今の仕事を選んだ理由です。


現在の主な業務内容について教えてください。

住宅設備における新素材の開発をしています。LIXILでは豊かで快適な住まいを提供するということを掲げているので、私は材料という側面からそれを実現しようとしています。現在、住宅の素材というとアルミや樹脂などが主原料として使われているのですが、それだけにとらわれずもっとおもしろく新しいものをつくりだせないか、というところで研究を始めました。社会人一年目の時に、「環境にやさしく、おしゃれな新素材を開発したい」という夢を掲げ二年半経った今も実現に向けて着々と進んでいる段階です。入社1年目の何も実績のないところから、上司、生産、デザイナー、経営層、開発、企画、と少しずつ夢の協力者が増えていきました。1人では叶えられないものが人に支えられて形となってきた今を振り返ると感謝が後を絶ちません。


業務における出社と在宅の割合はどのくらいでしょうか。

出社は週に3-4回程度で、その間はいわゆる研究業務や、試験評価などを行っています。それ以外の在宅勤務の日は実験結果の分析を行ったり、今後の研究や企画の戦略について打合せをしたり、あとは研究に必要な情報収集をしたりしています。
私はコロナ禍第1世代だったので、ちょうど会社の方でも働き方が改革されていた時期に入社したのですが、コロナ以前は、出社日数はほぼ毎日出社だったらしいです。出社が減ることで直接コミュニケーションがとれる機会が減ったというのはもちろんありますが、自己研鑽や副業にまわせる時間がとれるようになるなど、個人の時間の使い方の自由度は上がったのではないかと思います。


業務のやりがいについて教えてください。
4~5kgの重さの素材を扱うことも多く、ボウルとスコップで素材を混ぜたりつぶしたりする。その他、長さや厚みを計る曲尺定規やノギス、できあがった素材を固定する強力なクリップも必需品。研究中は白衣ではなく、作業着と帽子のスタイル。

まだ世にないものを出して、誰かが将来それを使って豊かで快適で幸せだと実感できるものを自分は今、開発しているんだ、と感じる時が一番やりがいを感じますね。 毎日10億人の人々に商品を使用いただいている企業である以上、愛される商品の提供は必須です。どの地方に住む、どんな好みを持った、どんな方がどう商品を利用するか? 常にお客様の想定内・想定外の行動にも耐えうる安心安全な品質を、培った化学や物理の知見を基につくり上げることは大変ですが、そのぶんやりがいのある仕事です。


YCUを選んだ経緯と、その後大学院へ進むことを選んだ理由や経緯などについて教えてください。

横浜は地元の静岡と親戚がいる東京の中間地点にあってアクセスが良く、色々なことにチャレンジするのに最適な環境だと思いました。さらに先に述べたトイレの経験から、人の課題を解決できる科学ってすごい!と感じて、それを学べるYCUの理学部を選びました。また、志望者は1年次から研究活動ができるのも良い点で、私は「C. エレガンス」という線虫を用いた薬の研究に携わっていました。
大学院へ進むのを決めたのは学部の3年次の頃です。学部時代、私は有機化学を最も苦手な教科としていました。単位を取るにも一朝一夕の暗記ではなく、時間をかけて体系的に本質をとらえねば、超えられない壁を有機化学には特に感じていたんです。しかし、「この手の領域の苦手の壁を超えれば、自分は将来何をやりたくなっても成功できるのでは?」と思い、チャレンジ精神ひとつで天然物合成科学研究室に入ることを決めました。もちろん、研究室の同期たちとの知識量は雲泥の差でした。それでも週6で研究室に通いつめ、3年半ひたすら手と頭を動かし研究をつづけました。


大学院での研究内容について教えてください。

“新規抗がん剤リード化合物TaepeeninDの合成開発”です。 日本の3大疾患に数えられるがんの細胞を抑制・死滅させるには、副作用がつきものの抗がん剤治療が必要です。しかし、自然界でごく少量発見されたこの物質は、抗がん作用を持ちながら人体に副作用が無いことがわかりました。「人間の手で、この物質を合成できる方法を模索する」この研究に、かつて私のあこがれた「技術で誰かの人生を救う」という技術ロマンがまさにあったと思います。


学業以外での活動は何かされていましたか?

部活はハンドボール部に入っていました。現役を退いて、院生になっても顔を出せるほど、いつの時代も温かく素敵な部でした。ほかにも学園祭実行委員も務めていました。そこではAdobeソフトを使ってパンフレット作成を担当していました。他にもSNSでのPRや関係各所との交渉、コンテストの企画実行など、学生担当の協力を得つつ、学生ではなかなか経験できない貴重な組織での成功体験ができます。両組織にも、個性豊かな人が大勢いました。大事な時はとことん本気でがんばる、ふざける時はとことんふざける。失敗することもありましたが、そうやって惜しげもなく喜怒哀楽をさらけ出しあえた仲間たちとの思い出は今でも宝物です。


YCUでの経験で、現在に活きていると感じることはありますか?
遠藤さんがYCU在学当時にお世話になった、学生担当の田村さん(左)と友田さん(右)との一枚。自分を変えた大切な恩人たちなのだとか。「困った時はいつだって真剣に怒り悲しみ、嬉しい時は共に喜んでくださいました」と遠藤さん。

YCUはいい意味で小さな大学です。学部やゼミを問わずに同級生や先輩、後輩と井戸端感覚で交流できるだけでなく、先生方とも距離感が近いのがいいところだと思います。そんな環境ですから、どこかで面白い話があると、すぐに自分のもとにも聞こえてきました。そういう話に、よく飛びつき、よく失敗し、色々な人にお世話になった結果、多くの面白い人たちとのつながりや経験が今もあります。おかげで、今でも聞こえてくる面白い話に刺激を受け、私も前を向いてひたすら挑戦を続けることができています。


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願いします!

大学は単位をとるための場所ではありません。単位を真面目にとることはもちろん大切ですが、大学生だからこそチャレンジできるさまざまなことに挑戦できる時間でもあります。やりたいことを見つけて、そのうえでぜひ大学の環境や講義を活用してください。
優秀な人というのはたくさんいますし、優秀な人のまねをすれば、たぶん優秀にはなれるでしょう。でも、誰かのまねをしても自分らしくはなれないと思います。目標をもって自分らしく生きれば、きっと毎日が刺激的で楽しいはずです。もちろん、困ったり壁にぶつかったりすることもあると思います。そんな時は遠慮なく周囲の人や、信頼できる大人を頼ってください。

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(2023/9/15)

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