YCU 受験生ポータルサイト 横浜市立大学

YCU 受験生ポータルサイト

消化器内科で困難な診療にあたる医師と、集中治療室で日々救命にあたる看護師。附属病院で活躍する卒業生たちをご紹介します!

今回はYCU医学部を卒業して附属病院で活躍する2名の医療人をご紹介します。ひとりは消化器内科医として,主に胆膵領域の診療に携わる佐藤健さん。もうひとりは集中治療室の看護師として勤務する加藤耕平さん。そんなおふたりに現在の業務や、学生時代の経験についてインタビューしました!


患者さんや家族の心のケアも大切になる
難しい仕事だからこそやりがいがある


現在の主な業務内容ついて、教えてください。

消化器内科医である私は、主に胆膵領域の診療を行っています。内視鏡や超音波機器を用いた診断と治療、抗がん剤などによる化学療法が主な業務ですね。「透視室」という部屋でレントゲンを用いて透かして見ながら胆管の石を取ったり、腫瘍で狭くなった箇所にステントを入れたりする治療を行います。消化器内科は7人のチームで業務を行っていますが、胆膵領域に関しては、基本的に3名で担当しています。


コロナ禍で職場の変化はありましたか?

一番は「発熱」の問題ですね。胆管炎などは、どうしても患者さんが発熱しやすいのです。普段であれば当然のこととして済ませられますが、コロナ禍では、熱があったらまず発熱外来に隔離され、医療者全員が防護服を着て検査して、やっと「コロナじゃない」ことが確定してからでないと診療に移れないという状況でした。もちろん、それだけ徹底する必要があるのですが、いつもより余分な時間がかかってしまい大変でした。


業務において、意識していることや心がけていることはありますか?
内視鏡を利用して診断や治療を行う「透視室」

胃がんや大腸がんなど消化管の早期の悪性腫瘍なら、今は内視鏡を用いた切除で治癒が望めます。しかし、私の領域である胆道がんや膵がんは、内科的な治療で根治を目指すことは難しく、治すとしたら非常に大きな外科的手術しかないですし、しかも診断時点で手術が可能な患者は20%程度しかいないとされています。つまり多くの方が治癒を望めない段階で診断されるのが現状です。根治を目指せない方々に、化学療法などの治療を行うことは,心のケアなどを含め大変な部分も多いのですが、それだけにやりがいも感じる仕事です。また、高齢者に負担の大きい手術をするかしないかで悩むご家族に対して、説明をして決めてもらう場面もあります。そんな時はいつも、もし自分が家族だったらどうするか、という考えも伝えながら、とにかく丁寧に説明して患者さんもご家族も納得いただけるように心がけています。


YCUを選んだ経緯について、教えてください

父が神経内科医だったので、医療というものはごく身近にありました。家庭内の会話でも医療の話は自然と出ましたし、テレビも自然と医療系の番組にチャンネルを合わせるような環境でした。なので、高校生の頃から、自然と医師を目指すようになり、YCUの医学部を志望しました。YCUは、自宅から通える距離にある国公立大で、以前から身近な存在だったことも大きな魅力でした。


学生時代で印象に残っている出来事はありますか?

当時の医学科の学生は60人ぐらいで、みんな顔見知りで仲が良かったです。医学部の文化祭である「Yokohama Medical Festival」では、みんなで漫才のような催し物をして、楽しかったですね。また、当時は月1回ぐらいのペースで、病理学教室の先生が「NEJM(The New England Journal of Medicine)」という有名な医学雑誌の抄読会を放課後に行ってくれて、それに参加していました。掲載された症例報告を皆で翻訳して、そこからどういう疾患が考えられるかという判別診断を考えディスカッションしたりしました。とても面白かったですね。その他にも、神経解剖学に関する英語の教科書の抄読会が神経解剖学教室で行われていて、それにも積極的に参加していました。


YCUでの経験で、現在に活きていると感じることはありますか?

授業や実習での学びはもちろんですが、バドミントン部や、「横浜市立大学医学部学生赤十字奉仕団」(通称「日赤」)という団体での課外活動では、多くの先輩・後輩に恵まれ、医療現場で仕事を始めてからもそういった方々との人間関係で助けられる場面が非常に多いですね。特に日赤では部長も務めさせていただき、発達障害児の親の会と連携して、夏のキャンプやクリスマス会などのレクリエーションについて企画やお手伝いをしました。医学部以外の学生もいたので、幅広い学部の仲間と知り合うことができました。発達障害児は子どもによって障害のレベルが異なるので、スタンプラリーや工作といったレクリエーションを企画するにも、安全に、でも過保護になり過ぎないように、どの子どもたちも楽しめるよう配慮することが大切です。この経験から、相手を尊重する気持ちや、物事をしっかり計画して進めていく力などが身に付き、今の仕事にも活かされていると感じています。

「横浜市立大学医学部学生赤十字奉仕団」夏のキャンプ用に作成したTシャツ


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願い致します!

福浦キャンパスを見学に来ると、イメージしていた「横浜の繁華街」からは少し遠いなと感じるかもしれません。しかし、部活動などの課外活動や、同級生と一緒に受ける授業など、私自身は非常に充実した学生生活を送れました。 それに、今現場で働く後輩たちを見ていると、みんな研究熱心であることに感心します。それはきっと、私が通っていた当時よりさらに学校のプログラムが進化して、学びの幅が広がっているからではないでしょうか。 受験生の皆さんも、コロナ禍で大変だとは思いますが、きっと楽しい学生生活が待っています。YCUを目指してもらえたら嬉しいです。



回復した患者さんがICUを退出する瞬間が
一番うれしくやりがいを感じる


現在の主な業務内容ついて、教えてください。

集中治療室(ICU)の看護師として、心臓大血管手術、脳神経外科手術、がん手術などを受けた直後の患者さんや、院内急変、緊急搬送の患者さんなどを担当します。ICUには、最新のモニタリング機器のもと、人工呼吸管理、人工心臓管理、持続および間欠的血液濾過透析など、様々な生命維持装置が常時稼働しています。患者さん2名に対して、少なくとも1名の看護師が配置され、診療の補助や日常生活の支援を実施しています。また、IoTを用いて複数の医療機関のICUをオンラインで繋ぎ、遠隔でICUの患者さんをモニタリングし、医師に助言したりする「Tele-ICU」の業務も私の仕事です。


業務において、意識していることや心がけていることはありますか?

当然ながら「患者さんに適切な治療が行われているか」ということを常に考えています。また、職場の性質上、イレギュラーなことが常に起こります。しかも、命に関わるので待つことはできません。看護師も治療の補助に関わっているので、患者さんの容態が急変した理由は何かなど、素早く究明していく必要があります。そうやって医療チームの一員として患者さんの救命に努めて、患者さんが回復してICUを退室される時は、本当に良かったなと思い、やりがいを感じる瞬間です。

佐藤さんの必需品。患者さんの容態をチェックするための聴診器、テープや包帯をカットするための医療バサミ、ベッド脇のチェック表などに書き込むペン。

「Tele-ICU」での業務の様子


YCUを選んだ経緯について、教えてください

大学を浪人した時に、将来何をしようと落ち着いて考え、親に相談した際、医療系の道を薦められました。そして自分もまた、看護職について興味がわいてきました。当時は、これから女性の活躍が期待される時代になるとさかんに言われていて、女性が多い看護職は、これから飛躍的に成長していく業界なのではないだろうか、と考えたのです。そこで、自分もこれからどんどん面白くなりそうな業界に入って看護師として働くことを目指しました。ちょっと変わった理由かもしれません(笑)。YCUは、都心へのアクセスが良いし、海や山といった自然が揃っている「横浜」という環境にとても魅力を感じました。さらに附属病院を2つ備えているので、実習の場が充実し、多様な環境の中で学べると考え、志望しました。


学生時代で印象に残っている出来事はありますか?
金沢八景キャンパス正門前で当時の仲間と一緒に

課題や実習は大変でした。当時も実習量はかなりあって、3年次の終わりぐらいからはずっと実習です。また、実習が終わっても、大量の記録を作成しなければなりません。その点、実習現場である附属病院が近いというのは、移動時間が節約できて魅力に感じました。また、扱っている疾患が違う2つの病院で経験が積めるのも良いと思いました。


YCUでの経験で、現在に生きていると感じることはありますか?

4年次で、「地域看護学」のゼミに入って学びました。地域における看護の特性の理解を深めるとともに、その頃、重症心身障害児に興味があったため、その家族の負担などを研究テーマとして取り組みました。現在の職場では、重度の先天性心疾患を持って生まれた新生児や幼児を対象とした手術も実施しています。その家族のケアなどにおいて、YCUのゼミで学んだ「地域看護学」の知見が役立っているのではないかと感じています。
YCUは医学部医学科もあるので、医師を志している人と、部活やサークルなどを通して交流があり、視野が広がります。実際、当時の医学科の仲間で、今、医師として同じ職場で働いている人も多いです。そういう繋がりがあると、現場でのコミュニケーションもスムーズですね。


高校生や受験生に向けて、メッセージをお願い致します!

YCUは英語に力を入れていて、これからの時代に必要な、国際交流をフレキシブルにできる人材になるには、最適な環境だと思います。一般教養も幅広く学べることができ、医学部以外の友人も多くできるところが魅力です。看護学科においても、2つの附属病院で実習ができるし、高度で専門的な学びを深めることができる環境が整っています。
日々の経験や思考は将来看護師になった時、とても役立つと思うので、大学生活を存分に楽しみながら、患者にとって良い看護が提供できるよう、目標に向かって頑張ってください。


「ヨコ知リ!」アンケート(締め切りました)

ご回答いただいた方の中から抽選でYCUオリジナルグッズをプレゼント! 当選者の発表はグッズの発送をもって代えさせていただきます。
※グッズの指定はできません。

(2022/7/5)

PAGE
TOP