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医療人として活躍する卒業生をご紹介!

地域社会や国内外で活躍できる人材育成と、創造的研究により社会の発展と人類の福祉に寄与することを使命とするYCU医学部。今回はYCUでの学びを生かし、社会の第一線で活躍している卒業生をご紹介。横浜市立大学附属病院で集中治療部・部長を務める髙木俊介准教授、横浜市立大学附属市民総合医療センターで看護師を務める佐々木理恵さんにお話を伺いました。

支えてくれる周りの方々への感謝を忘れずに、世界を目指す大きな夢を描いていってほしい

横浜市立大学附属病院
集中治療部 部長・准教授

髙木たかき 俊介しゅんすけ さん

(医学部 医学科 2002年卒業)

ICTや遠隔医療の導入で、医療の質の向上や労務効率の改善を目指す

横浜市立大学附属病院 集中治療部にて、重症患者管理や臨床研究などを主軸に取り組む髙木准教授。現在、遠隔医療を集中治療に取り入れるために(Tele-ICU※)、横浜市や厚生労働省とともに新たなプロジェクトを立ち上げ、進めている真っ最中だという。

※Tele-ICU:複数の病院の集中治療室(ICU)をネットワークで接続し、ひとつの支援センターで監視するシステム。ICUにおける集中治療医の供給不足を解消するため、2000年頃にアメリカで始動したといわれる。

「日本集中治療医学会でTele-ICUの委員会を設立し、日本における『Tele-ICUの構築』に向けて、調査研究やルール・仕組みづくりなどに日々奮闘しています。このプロジェクトは医療従事者だけでなく、行政、企業、法律面など本当にさまざまな立場の方々が関わっているため、みんなが同じ方向を向いて前進していくことの難しさを痛感しています。プロジェクトを立ち上げ進めていくなかで、自分がいかに他分野のことに無知だったのかを思い知らされましたね(笑)。それぞれの立場の理解に努め、意見を汲み取ることが大切で、協力関係者のみなさんには感謝し続ける毎日です」。

(左)欧州麻酔学会において後輩と取り組んだ臨床研究の発表後に横浜市大卒のメンバーと / (右)YCU医学科生も開発に貢献している患者管理システムのモデル

「また、生体情報と画像情報の機械学習による重症化予測モデルを組み込んだ患者管理システムの研究開発も進めています。例えば、生体情報モニタのデータを医師のナレッジを合わせて自動的に重症度判定をするシステムや、一定時間患者さんの目が閉じた状態が続くとアラームで伝える(目が開いていれば比較的安定傾向が認められる)、というような患者の重症度を自動的に判定する技術です。実はこのモデルの開発には、プログラミングの得意なYCU医学科生が貢献してくれていて、私の講演を聴いて声をかけてくれたことがきっかけでした。今はプログラミングに長けているデジタル世代の医学科生も増えてきていて、すごく刺激を受けますね。医療現場にICTや遠隔医療を導入していく事で医療従事者間のコミュニケーションの増加が見込まれるので、医療の質の向上や労務効率の改善を目指して日々の業務に励んでいます」。

多少の遠回りになったとしても、若いうちに思い切ってチャレンジしてみること

学生の頃にサッカーやラグビーをやっていてスポーツが好きだったこともあり、はじめは整形外科への配属を希望していたという髙木准教授。しかし、研修医時代に起きたある出来事がきっかけで、現在専門とする集中治療(救急・麻酔)を学ぶことを決意したと話す。

「研修医時代、さまざまな科をまわっていた時に膝の手術を予定している患者さんにつくことになりました。手術は無事に終わりましたが、病室に戻ってから突然その患者さんの心臓が止まってしまったんです。すぐに集中治療の先生が駆けつけ救命治療を施してその場は一命を取り留めたのですが、その患者さんは1週間後に心筋梗塞で亡くなられました。その時の経験が心に残り、救急や集中治療に関する知見が自分にもっとあれば他にも何かできることがあったのではないかと思い、救急や集中治療について専門的に学ぼうと決心しました」。

(左・中)マレーシア国立循環器病センターで協働した医師たち / (右)横浜市立大学附属病院・集中治療部のメンバー

「当院では救急と麻酔科が同じ講座で、麻酔を3年、救急を3年専攻し、医師として7年目の時にマレーシア国立循環器病センターに留学しました。当時は英語も流暢ではなく日常生活への順応も大変だったなか、現地でICUと麻酔の臨床に取り組みました。心臓麻酔が年間で4,000件も行われているような病院であったうえ(日本では多くても1,000件くらい)、さまざまな国から医師が集まり、文化や背景、考え方もこれまでとは全く異なるもので、そこでの経験は貴重なものとなりました。物事の考え方・捉え方の幅も広がりましたし、ハートも強くなったと感じます。現在は集中治療部の部長という立場になりましたが、一方的に指導するということでなく、一緒に課題について考え、解決方法をつくりあげていくことを心がけていますね」。

「今こうして働いていて思うのは『本当に時間が足りない!』ということです。家族ができると急に無収入になって新たな挑戦を始めるということは厳しいので、休学して世界1周の旅に出たり、全く異なる分野の勉強に挑戦するなど、若い時にやれるチャレンジはやったほうが良かったと少し後悔しています。そして、大きな夢になるほどひとりでは進められず、周囲の支えが必要になります。YCUは雰囲気がよく、周りを巻き込んでいくチーム作りがしやすい環境だと感じます。支えてくれる周りの方々への感謝を忘れずに、常に謙虚に一歩ずつ邁進して、世界を目指すスケールの大きな人生を歩んでほしいと思います」。

多職種や他機関との密な連携により、一人ひとりに最適な看護や教育の実践に努める

横浜市立大学附属市民総合医療センター
7-1病棟(呼吸器病センター) 看護師

佐々木ささき 理恵りえ さん

(医学部 看護学科 2015年卒業)

意図やプロセスを鑑みて、それぞれに寄り添った対応ができるように

横浜市立大学附属市民総合医療センターにて、呼吸器疾患の内科・外科混合病棟で看護師として勤務する佐々木さん。患者さんやご家族への病棟対応だけでなく、看護学生の受け入れや新人の指導など、携わる業務は多岐にわたる。

「私が勤務する7-1病棟には呼吸器の疾患をもった患者さんがいて、手術を控える方、化学療法を受ける方、緩和ケアを中心に行う方など、周手術期から終末期までさまざまなステージにある患者さんと関わります。近年は在院日数の短縮化と、高齢化に伴う老老介護や自宅の介護者不在という状況が進行していることもあり、入院期間のことだけではなく、退院後に患者さんらしく安全な暮らしが続けられるまでをサポートできるよう、医師・ソーシャルワーカー・退院支援看護師など、多職種の方々と連携をとりながらサポート業務を行っています。

昨年度までの2年間は、大学や専門学校からの看護学生の受け入れ・指導業務を行う臨床指導の担当も務め、今年度からは教育委員として新人看護師の育成業務の担当になりました。指導・育成担当の立場になり思うことは、ただ結果だけをみるのではなく、なぜそういう考え方や行動をしたのか、学生や新人もその人たちなりの意図をもっているのでちゃんと聞いて理解し、どのような情報提供をすればよいか、どのような声掛けをすれば目的地に辿り着けるのかということを分析し、一人ひとりに寄り添った指導をすることが大切だと気づきました。病棟スタッフと協力してより学びやすい環境をつくっていければと思っています」。

実践的スキルを身に付けながら着実にステップアップできる環境

幼い頃に叔母が病院で亡くなったことをきっかけに看護師の道を志した佐々木さん。当時、自分は何もできないと感じたこと、患者である叔母の一番近くにいてくれたのが看護師だったことが印象に残っているという。看護師としての経験を重ねることで新たに見えてきたこともあるそうだ。

「入院生活にはどうしても暗いイメージがつきまとうため最初は落ち込んでいた患者さんが、ベテランの看護師と会話をするだけで笑顔になり、前向きな気持ちに変わっていく瞬間に立ち会うことがあります。話し方や言葉のチョイスなど、一見何気なく感じるようなことで前向きな気持ちに変えられるのだと気づきました。経験を重ねるにつれ、患者さんの状態や気持ちの変化があるなかでそれを理解し寄り添うことの難しさを実感しつつも、患者さんが前向きな気持ちになるためのお手伝いはできると信じて日々の業務に励んでいます。入院期間中、医療従事者の中で患者さんと最も時間を共にするのは看護師ではないかと思うので、患者さんが笑顔になれるような接し方や、安心できるような雰囲気づくりを心がけています。

YCUには附属の2病院がありますが、横浜市立の大学ということもあり、YCU附属以外の市内の病院、区役所、訪問看護ステーションなどと連携がとりやすく、学ぶ環境としては非常に整っていると感じます。医療はひとつの病院で完結するものではなく、市内の病院や区役所、訪問看護ステーションなどの組織と連携して地域包括ケアが成り立っているので、入院前にどんな環境にいて、退院後にどのような環境が地域に備わっているのかという視点が大切になります。その視点を磨き活用していくうえで、学生の頃から多様な機関と連携をとりながら実習を行い、学べたことは今に強く生きていると感じますね」。

「正直に言うと、YCUを選んだのは公立であったことや自宅から通いやすかったことがきっかけでした(笑)。ただ実際に入学し学びを進めていくにつれ、着実にステップアップできるようなカリキュラムが組まれていると実感しました。まず講義で概論を学び方法論を把握した後に学生同士で演習を行い、病院に入って実習というプロセスです。加えて母性、精神、小児などぞれぞれの領域において基礎の分野から丁寧かつ着実に知識やスキルを身に付けていくことができます。低年次のうちは他学部生と講義を受けることもあり、看護学以外の分野を学ぶことで多くの刺激を受けることもできると思います」。

「ヨコ知リ!」アンケート(締め切りました)

ご回答いただいた方の中から抽選でYCUオリジナルグッズをプレゼント! 当選者の発表はグッズの発送をもって代えさせていただきます。 ※グッズの指定はできません。

(2019/09/27)

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