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28才大学生。点と点をつなげ、希少価値をつける—活躍する卒業生 小菅将幸さん

17歳で原因不明の病気に冒され、2年半寝たきり生活を経て社会復帰。周りから揶揄されながらも、28歳でYCUに入学。32歳で就職活動を行い現在は、外資系企業のマーケティング部門で働く傍ら、作家、絵本作家でもある小菅将幸さん。そんな小菅将幸さんにインタビューを行いました。

一度社会に出られてから大学に行こうと思ったきっかけは?

高校卒業後は、広告代理店で働いていました。ただ、働いていて思った事があります。それは、もっと社会について勉強したいということ。周囲からは、猛反対。もちろん、僕のことを思ってくれてなんでしょうが、卒業したら32才で職なんか無いよ!受かりっこないよ!そんなことを言われました。

YCUを選んだ理由は?

社会人だったので、金銭面で親には頼れません。当時の貯金はたかが知れていて、浪人する余裕もない。国公立しか選択はありませんでした。正直、大学に入ることはとても怖かった。なぜなら、28歳で大学に入るのは「世代留学」なんです。同級生の僕の10個下の学年は、デジタルネイティブといわれる世代。僕の小さい頃はPCも普及していなかったので、大学入学は、まるでまったく違う環境への留学でした。だからこそ、大学は少人数で学生と教員の距離が近い大学がよかった。そのほうが、一人ひとりとの会話が増えるので、こんな人もいるんだってわかってもらえると思いました。大学に入学したとき、同級生から「きもい」と言われ怒ってしまったことがあります。ただ、それは彼らにとってみたら「きもい=すごい」という意味で、褒められていたんです。最初は、それがわからなくて、カルチャーの違いを感じました。
また、都心から少し離れた場所にあることもポイントでした。都心にあるキャンパスだと、すぐにキャンパスの外に出てしまう。「渋谷に遊びに行こうぜ」といって街に出ることが多いと、一人ひとりとの交流が少なくなり、関係性が薄くなってしまうと思ったんです。僕みたいな人は、大学に居場所がないとだめだと思いました。あとは、正直、偏差値は重要でした。28歳で大学に入学するからには、社会的にいい大学と言われている大学にはいりたいと思いました。最後に、真面目かどうか。入学する前に3回は足を運びました。在学生の雰囲気を見て、ここは大丈夫!と思い、入学しました。

入学してみてどうでしたか?

ほんとうに真面目、みんないい人ばかりでした。経営科学系・会計学コースに所属し、張先生のゼミに入ったのですが、先生が30歳間近の自分でも、他の学生と同じように受け入れてくれました。ほかにも、病気の話を医学部の友人にしたら、その友人がたくさん調べてくれて、論文を取り寄せてくれたんです。周りのひとはみんな優しかったですね。

就職活動はどのように進められたのですか?

実は2年生の時に起業をしていました。そのとき、「一回新卒で受けてみたい。そんなに難しいの?」と思ったことがきっかけです。仕事もあったので10社だけ受けることにしました。新卒学生と同じように、説明会に参加したり、エントリーシートを出したり。でも、まじめにがんばって挑戦したらありがたいことに6社から内定を頂くことができました。それまでの社会経験や学生生活の賜物ですね。相手が望んでいるもの、それをいかに伝えられるかを徹底的考え、実践したことが大きな要因だと思います。

在学生にメッセージをお願いします。

「希少価値をつけろ」この一言です。僕は、英語はビジネスレベルではできないけれど、外資系企業で働いています。なぜそれができるか、それは、希少価値があるからだと思います。例えば28歳の大学生、32歳の新卒、難病を経験している、絵本作家であり、サラリーマンでもある。いろいろな点、つまり経験があって、それが僕を形作っているんです。希少価値をつけるには、いかに自分の点を増やしていくかが大事。大学生のうちは、最低3つは点を作っておくこと。すると、だんだんと点と点がつながり面になり、自分だけの価値創出になります。今後、希少価値がない人は、AIやロボットに代替されていきます。真面目に事務処理ができて、真面目に言われたことが全部できる、それは機械でもできる仕事なんです。違う経験をたくさんしている人は強い。例えば、僕の知っている人で、ホームレスと芸人をやっている人がいます。行政はホームレスの方の支援を行うときに、その人を呼ぶんです。なぜなら、ホームレスの方にも寄り添えるし、楽しく話ができるから。そういう人は絶対仕事に困らないと思いますし、そういう仕事はAIやロボットにはできません。そんな人を目指してほしいと思います。

YCUを目指す高校生にもメッセージをお願いします。

自分が変わるためには、時間・会う人・環境を変えることしかありません。この3つを意識したら、どこに入るのかが必然的に分かってくると思います。大学4年間、どこで誰とどのように過ごすか。何かを変えたくて、一人ではなかなかできないと思う人ほど、強制的にそれができる環境にいく必要があります。そうでないと変わりません。きっと規模の大きい大学にいけばいくほど、流されてしまうと思います。例えば英語が苦手だけど、いつか話せるようになりたいと思ったら、プラクティカル・イングリッシュは最適です。週3回の授業と、TOEFL500点相当が進級要件になっているので、英語に苦手意識があっても、嫌でも勉強する環境があります。また、大学への投資とそのリターンを考えてみてください。言い方は悪いですが、学費が投資だとしたら、生涯にわたっていくら回収できるのか。コストパフォーマンスの最大化を考えると、YCUはその点でもとても魅力的だと思います。

たくさんの経験をされている小菅さんだからこそのメッセージがとても力強かったです。そんな小菅さんの今までの経験をまとめた本、「28才大学生」が12月に発売されました。小菅さんは「高校生と就職活動をしている学生に、冬休みを使って読んでもらえたら。こんな人がいてもいいんだよ、こういう人もいるんだよということを知ってもらいたい」と語ります。ぜひ書店で手に取ってみてください。


小菅将幸さん:
神奈川県平塚市出身。2013年横浜市立大学 国際総合科学部 経営科学系 会計学コース卒業。17歳の時に原因不明の病気に冒され、2年半寝たきり生活を経て社会復帰する。その後、28歳で大学入学に挑戦し横浜市立大学に入学後、5万人に1人の難病にかかり入院するも奇跡的に完治する。絵本『らいふいず』で絵本作家デビュー。TV東京「生きるを伝える」出演。現在は、作家、絵本作家、外資マーケター。

(2017/01/10)

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